夕刻よ もっと光をください
冬の息づかいが とても つめたい
雲のミルフィーユ レースの裾に
遠い日のさくらのような
幻想の海が広がっている
雲の山 空の海ね
幼い頬のかけらが 溶かさ ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる
たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる
何度も傘が破れて ....
むねのおおきい女がすきだという彼
ちいさいちいさいむねの彼女
「どっちがすき? ?ひんにゅーのあたし ?グラマラスなあたし」
「2ばーん」
なんてやりとりで
彼女はすねて ....
今日より、明日、明後日
舟が古びようと
櫂で水しぶきを描かずにいられない
来週より、来月、来年
からだの影が深まろうと
羅針盤の先を指差さずにいられない
蜃気楼を揺らして
永遠に届かない ....
おまえが
おまえの母の指を握りながら
泣いていたので
どうしたのか聞くと
おまえは
母の左手の薬指の
銀色の指環を
指ごと握りながら
これが欲しいと
言って
....
遠くて近きもの
君と私の距離
受験までの月日
永遠の終わり
ただ遠いと思っているだけで
本当は
結構近かったりする
地上2階の窓ぎわのカフェ
いまもアナタが目の前にいること
「つかれたなあ」なんて、声をそろえて笑いとばして
いろんなことを思い出してね。
ぼくが知らなかったことも、
ぼくが知 ....
いくつものカーブを慣れたように
空港まで走るバス
世界をさえぎるような山に囲まれ
小さな集落を過ぎれば
また同じ景色が流れる
赤い絵の具をこぼしたような山
人はそれを美しいと言う
低 ....
?.
一日中ひどかった雨も小降りになって
窓から見る白樺の木は
ここ最近やっと葉を落とし始め
冬時間に変わって
六時にはもう日が暮れてしまうようになった
公園の明かりは ....
私は幸せに なれない
私は幸せに してあげれない・・・
私がいるから 私の周りにいる人は 不幸になる
私がいるから 大切なあの人も 辛くなる
私がいるから・・・私なんか ....
柵の外には自由が溢れているのに
何故か人は柵の中で生きる
ちょっと跨げば乗り越えられるのに
誰も跨ごうとはしない
自由の身になることを恐れ
しがらみから解き放たれることを拒絶し
狭い柵の中 ....
街のイルミネーションが
心に映り込む夜
微かに響く鐘の音は
幸せが近づく足音になり
二人の心温まる
年に一度のときめきは
逢えずにいた日々を
包み遥か ....
黄昏時には不意をついて
冬が何処からか現れ
桜の枝で褐色になった枯れ葉と
わたしのこころを繋いでしまう
ポケットに入れた手が
ほんのりと寂しさに温まる頃
去年届いた便りの
名前が消え ....
きみにそっくりな犬が
くさりにつながれていた
きみの名前を呼びながら
頭をなでたら
涙がボロボロ流れて
止まらなかった
やっぱりきみが好きだった
感情論を押し付けて
思想家気取りはやめてくれよ
いっぱつで黙り込むもんで
沈黙も飲み込んで
爆発しながら
なお輝きを増し
電子辞書を
叩きつぶして
思いつくままのメロ
デタラメで綺麗 ....
若駒引きて 闇惑う
若苗河の ほとりにて
割れては結ぶ 艶(あで)な縁
公魚(わかさぎ)の脇 浮かぶ月
沸かし冷ましの 湯女煙り
若燕一羽 迷いしは
湧き立つ女陰(ほと)に ....
1
ホームの後ろに錆びた茶色の線路があります。
線路の枕木は腐りかけ、
雑草が点々と生えています。
線路は使われなくなってどれくらいがたつのでしょう。
わたしは線路に耳を当て ....
過去を弄る
Realへの回帰
匂いと共に移ろふ
消失していく答えを
おれはおもわず
手で
握る
目玉が 葉っぱの上に落ちて
コロコロと、 あ!? 目玉じゃなかった
目玉焼きだったあー。
それはコロコロと、 あ!? 目玉焼きじゃなくて
ゆでたまごだったあー。
それが 葉っ ....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう
ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
二年前、私は仕事を終えると毎日病院に通っていた。
夫を車椅子にのせ、夜の病院内をさまよった。病院から出ることができないなら、せめて外気にに触れさせてあげたいと思った。
屋上テラスの扉は鍵がか ....
今あなたが見ている空は
どんなにがんばっても
裏側までは見ることができません
けれども
その裏側を想うことは
できるはずです
今あなたが見ている人は
どんなにがんばっても
心までは ....
今まで将来の目標がなかったとは言わない。
けどはっきりした目標があったのか、
そう言われたら、うんとは言えない。
やりたいことはあった。
けどそれは漠然としすぎていて、
ちゃんとし ....
古く狭いアパートメントの2階に
インディアンの砦がある
そこは彼らの最後の砦で
敏腕の保安官に制圧され
ほとんど壊滅の状態に陥っていた
四畳半のあちこちに生えたサボテンの陰や
....
雪のじゅうたんの上をゆっくりと歩いている
例えば君がココから居なくなるのなら
僕はなんでいきてるか分からなくなるよ
愛しているたくさんの人たちに
この小さい胸の中の思い ....
婚約指輪を失くしました。
大切にしたくってトイレの後、外して手を洗いました。
そしてそのまま忘れてきてしまったの。
30分後に電車の中で気づいたの。
心臓がド ....
ふるい手紙を火にくべたんか
けむたい朝に眼をしょぼしょぼさせとんね
一番遅くに寝たもんが
一番早くに目を覚ます
土鳩鳴いとるよ
くるくっく
卑しい国には正しい言葉なんてありゃあせん
....
i. 光化学スモッグ
色盲ではない
真っ白な高層ビル 真黒な人たち 白黒の横断歩道
灰色の空…いくら時間が過ぎてもモノトーンのオブラート
真っ白な月だけが顔を出して 星はここから見えない
....
{引用=357番の札をお持ちのお客様ー}
はい、睡眠口座の開設ですね
定期預かりにしますか
普通預かりにしますか
はい、普通預かりですね
いつでも定期に変えられますから
定期の ....
憧れはわたしに
足りないものを教えてくれるけれど
足りないものを足す方法は
教えてくれない
どんな大人になったらいいかを
わたしは知らなくて
憧れる人はいたけれど
どんなに頑張っても ....
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