ねぇ
もっときみを大事にするね
よく聞く言葉だから
格好つかないんだけど
あるのが当たり前で気付かなかった
きみの大きさにも
きみの言葉に支えられた自分 ....
一筋の夢
指で先を足していく
空には届かない
私の背伸びでは届かない
そのまま
ぷつん と途絶えた
音信
首元がさむざむするから
結っていた髪を切った
ただそれだけのこと
今朝 ....
幻想をリアルにするために
リアル以上にリアルを表現すると
それは異常なのかもしれない
恐怖は見れないところにあり
見えるのは醜さだけなのかもしれない
くるくる
まわります
ずっと
痛む足をひきずって
くるくる
くるくる
まわります
ほんとうに
心から楽しい人など
ここにはいないでしょう
みんな
忘れたいだけですから
くるくる ....
絶壁のコンクリートの僅かな隙間に
いのちを宿した君たちは
迷うことなく天を目指して
もう背丈よりも大きくなった
直角に身体を曲げて上へ上へ
ひたすらに迷うことなく
君たちは ....
暗い
暗い暗い海の中で
私は浮かんでいる
浮くことも沈むこともない
そのときの私は
長い髪で
白いワンピースを身に纏っている
ゆらゆらと
私は漂い続けている
そのと ....
私は林檎。
林檎は落ちた。
恋に落ちた。
ニュートンさん
私も疑問に思います。
何故
林檎は落ちるのでしょう?
落ちた私は
....
◆詩集は目につかない?
あたしなんざこの年になるまでほとんど詩なんぞ読んだことはなかったわけですが、その理由の最たるものは、「詩集は簡単には手に入らない」これにつきたように思います。
まず書 ....
しとしとと続く雨
カエルは喜び
鳥は泣く
蒸し暑い
世界中は
ジェットコースター
今日も
インスタントコーヒー
クリスタルガラスに
指文字
夢
カジ取りに迷う
夕方にはカエルと言って
行方不明の父親が現れた
その日仕事から帰ってみれば
珍しく上がりに揃った母親の靴と
並んで見慣れぬ紳士靴
その好い趣味と墨が切れた痛み具合が
父親の物をおいて他 ....
空が暗くなると
あなたが来る暗示
空が明るくなると
あなたが離れる合図
夜は好き
あなたに会えるから
暗いのが好きだから
でも
あなた ....
ずいぶん
魚らしく
なってきたね
キラキラ
泳いでいるね
みんな早く
大きくなってね
でも
そうなると
またお池が
ふえてしまうね
再び人生を問う
整理する本棚にみる妻の本ほのぼのとした明るいおもい
オールド・ファション・シボレーが走るハバナの側堤を
夜のキャバレーの黒人歌手みんな独りよがりで生きているのさ ....
人形が、腐敗しかけている。
鏡像の中に冷たい朝を探す
体温の染みついた仮面は
もう、いらない。
若い頃の、母の口紅のように赤く
水面に広がる
正夢 ....
教科書にその公式が載ったとき
その公式は
知恵から知識へと
生活から遠のいてゆく
一時間でどのくらい進むのかが
わからなくても
あと一時間で到着することを
いつも教えてくれるからだ
....
ジャックは豆の木に登らない
代わりに木の台に座る
そうすると
(地面にいる虫たちに邪魔されない)
らしい
犬らしくないジャックは
だけど、海賊でもない
ただのジャックだった
犬 ....
若草色のかざぐるまに
しがみついていた、あの人が
夕風にさらわれて
私の中を流れてゆきます
水たまりの映す青さの
ほんとうを
確かめるまえに
軽々と飛び越えて
もう
行ってしまっ ....
空で繋がってるなんて
この空の色を君は知らないのに
この雲の作る影を君は知らないのに
先生僕の足が遅いのは
決して母親のせいじゃありません
先生僕の為に学級会をひらいても
僕はうれしくありません
先生僕の机にこっそりと
三角定規はいりません
先生僕は決して
悲 ....
すきなひとがいる
わたしを、すきでいてくれる
{引用=
恋愛は共同責任よ
うまくいくのも失敗するのも 二人の責任だわ
}
そのとおりだ
自分ひとりだけが、恋焦 ....
髪を短く妻は刈った前とちがってちょっと残念だった
妻が勤めに見送ったさびしい体操をして元気をつける
また妻と二人西武百貨店に行って喫茶で話しをしよう
窓の外は
すいこまれそうな
青空
雲が 羽に変わり
私を 呼び寄せる
空から見上げる景色は
街では
車や 電車 人々が
テープの早送りのように
忙しそう
穏やかな ....
説明不足のままで
鳴らしていた警報は
今はもう、空気に溶けて
宇宙へと
気化している
いるから、
正論をぶつけたと思っている
君の思考から
ネジをほどよく外して
考えることを
....
?.
眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな
?.
....
どこまでも澄んだ音色で
鳴る笛に
すすきの野を一陣なでてゆく風
音色に誘われて4匹の猫が
野のくらがりから
躍り出てきて
おおきなウッドベースの上に飛び乗る
4本の弦の上でのんびりと ....
あなたのもと
斥候に出す毛むくじゃら
抱きしめるのは
持ち帰らせたぬくもりを
少しでも感じてみたくて
それだけじゃ飽き足りず
薄暗い路地
後頭部に湿布をはりはり
不機嫌顔のペンギン ....
誰が決めるのか
人生には勝ち組と負け組と
そんなのがあるらしい
私は何組でもいいけど
可愛いおばあちゃんになれたら
それがなによりだなぁって
そう思う今日この頃 ....
少年になれない大人の男が、
少年の青さを嘲笑う、
本当は俺も少年になりたいなと、
家から職場までの歩数はいつも同じで、
今日も新聞を読んだだけだ、
果たして私 ....
遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
その人はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた
空 ....
君はひとりじゃないよ そう言ったあなたは 笑顔でわたしをひとりにしてしまうんだよ
ありがとう 無理やり喉元から 無機質な記号を吐き出した
それじゃあまたね 大きく手を振られ 小さく頷いた
....
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