たからものが見つからない。
田んぼからの帰りに、
どこかに落としたのかもしれないと、
あちらこちらを探してみたが、
どこもかしこも空っぽで、
見つからない。
....
花はいつ咲くのか
花に聞いてみなければ
わからないけれど
心の花は
自分で咲かすものだから
自分に聞いてみれば
きっとわかるはず
星はいつ流れるのか
星に聞いて見なければ
わから ....
明け方のカラスの声も
遠く聞こえる電車の音も
駅の雑踏も
私を癒しはしない
向かいの席で美しく眠るあの人も
競馬新聞のこの おじさんも
階段を駆け上がるミニスカートの女 ....
自身の低次の自我のおもむくまま
あれがいい これもいい いやこっち
感覚のおもむきの 流れの先に
一つの部屋がある
モノライトの下で
カケラを集め 復元中
在るべく 在る 自身に向かっ ....
ユニコーン
あの人から私を守って
ユニコーン
心傷付く前に
その蒼い瞳で私をみつめて
おまえのやさしい胸に抱かれながら
永遠の夢を見るのよ
汚れ知らない{ルビ処女=おとめ}のまま
....
カチカチカチ
カチカチカチ
カチカチカチ
時限爆弾だ!
きっと
時限爆弾だ!
けっして目覚まし時計ではないのだよ
時限爆弾だ!
君は
ケラケラケラ
と笑っている
何が可笑しい!
....
夕暮れの
透明な指
そっと肌に
真紅は滴り
鮮血の痛み
残し 泣く
美しい 指先
奏でるピアノ
夕を呼び込む
楽譜に三日月の痕
冴え冴えと闇に堕ち
さめざめと ....
私は未だに足枷をはめられている
でもいつか自由に羽ばたける日が来ると信じて
地上から天を見上げる
天からの眩しい光
楽しむ事
生きること
....
何でも消せる消しゴムがあったら
何を消しますか?
みんなに問いかけてみた
妹は“猫のひげ”と言った
理由はチクチクして痛いかららしい
僕にはなついてこないので解らないが
“痛いのな ....
寒さが好き
暖かい物が嬉しくなるから
寒さが好き
オシャレをし易くなるから
けど、そんなの口実なんだね
薄着をすればするほど
温かさが判る
厚着をすればするほど
人 ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
自堕落 臆病 鈍重
なにごともまともにひとつとしてできやしないおれは
時間が生活に密着していない独善家なわけだが
きみたちはそんなおれの口から出る言葉はすべて無価値だと決め付けるというのかね
....
<春>
武士こそは立ち止まって泣けばいい薄墨色した花びらの散る
<夏>
ひまわりは悲しからずや太陽の振り返らない愛を葉に受け
水揺れる透明ブルーの夏空に白い雲浮き蝉の攪拌
<秋> ....
一粒一粒俺を消して
それを適応と名付ける
一粒一粒俺を消して
それを人間と名付ける
一粒一粒俺を消して
僕ら人の間で生きていく
それが世界だと軽くぼやいて
....
あぁまた壊れたギターを弾いて
あぁまた壊れたベースを弾いて
狂ったように回る回る首
狂ったように叫ぶ叫ぶ喉
あぁまた壊れたドラムを叩いて
あぁまた壊れたシンセを叩いて
狂ったよ ....
はなうた
吐息
世界は雨
踏みつけられたコスモス
待ちくたびれた私は
晴れない心臓から時計を取り出して
秒針の音に耳を澄まします
(はなうたとして)
世界に降る雨は結局
....
夜
夜の 真実は 輝かしい 地獄だ
連続の 地獄だ
長く 眠る 阿呆どもよ
姦淫か? 又か? 俺を 信用させないのか?
ああ
東京都 一番目の 狂気性
世界は レベルのない 天使を 殺し ....
「ひとりになりたい」
その言葉は適切じゃない
初めからずっと独りだった
「ひとりは寂しい」
その言葉は適切じゃない
誰かといても満たされはしない
最後のわがまま
悲 ....
昨日浮かんだ君へのことばは、
朝になったらはじけていた。
部屋の隅には、かけらが浮いていた。
部屋の隅に浮かんだかけらを、
手を伸ばしてつかもうとしてみる。
拍子に空気がふわりと動いて、 ....
普通の生活の中に
優しくて気持ちのいい言葉がいっぱいあって
それは本当に心地いい響きなんだけど
そんな言葉は言葉として魅力を持たない
世間的に常識的に大切で美しい言葉が
私の好きな言葉に ....
めずらしく静かな夜
疲れた体を横たえて
左手を眺める
夜の匂い
似ている指先
右手で包んで胸の上に乗せる
キリギリスの鳴き声
蛍光灯が切れかかっている
小川のせせらぎが聞こ ....
スピーカーから流れる、
音と唄。
流れる涙。
強い意志のせいか、
弱い心のせいか。
流れてく。
真っ暗な、夜の部屋。
ベッドのなか。
誰も見てないから、
流してよ ....
世界の権力! マクドナルド!
略称:マックあるいはマクド!
だって権力じゃないか
121もの国に店があって
たくさんの従業員がいて
そして何よりも俺たち庶民に親しまれている
これは立派な権 ....
疲れている時ほど無理をして
悔しい時にも誠実で
絶望の淵に立った時すら笑顔で
冷たい言葉も温かく包んで
厳しい批評に礼を言い
偽善と呼ばれてそれでも
あなたは空を見上げてる
....
春からひとり
流れてきた
おまえ
こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう
月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている
一に ....
若き頃
道なき道を歩いたな
誰からも相手されずに
涙{ルビ眼=まなこ}で恨みっこ
自分の未熟さ所以だね
今だから分かる若き微熱
こうしてる今も
振り返る日がくれば
....
小さな幸せが
芽をだした
小さな幸せを
たくさん育てる
私にちょうどいい
幸せのサイズ
雨が降ると
紫陽花の咲くあの場所を思い出す
カタツムリは今日も
葉っぱに隠れて雨宿りをしているのかな
高校生の頃
雨が降った日には
よく二人で放課後の音楽室で時間をつぶした
君の奏で ....
さっきの言葉を繰り返す
まだまだ全然言い足りない
きのうの言葉を繰り返す
言い過ぎたのはどっちだろ
あの日の言葉を繰り返す
世界は二人のものでした
いま ....
雨はまだ降っている
何があるわけでもないが
窓の外を
ぼんやりと眺めている
雨はまだ降っている
ぼくはまだ眠らない
窓ガラスを打つ雨音が
不思議と体に響いて
ぼくの呼吸と合 ....
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