尖った頭を空に突き刺し
高く背伸びする痩せたキリン
細い足
長い首

彼の後ろでゴミ焼却炉の巨大な煙突が
絶え間なく白煙を吹き上げる

キリンの足元に聳え立つのは
四頭の青いラクダ
 ....
空き瓶収集所まで行く途中に
今年始めてみたカエルは仰向け
四肢を広げて道の真ん中に一匹 
こちらの路肩とあちらの路肩にも一匹と
まだ冬の残る雨に濡れている

暖かい日が二・三日続いて
冬 ....
妄想と暴走の果てにある
方眼紙の平野には
フタコブラクダの形をした山が
文鎮がわりに置いてあった

緑の色鉛筆で
マス目を乱暴に塗り潰すと
山を駆け下りてきた風が
それを青 ....
天気予報は外れなかった
夕方になって
しずかに雨が降り出した
私の傘に
囁くように
なぜるように触れ
ほのあかい
夕暮れのふもとの風景を
霞のように滲ませて
幽かに微笑み
精一 ....
やわらカイ貝殻カラかなもじの
ぬるっとした意味うまれる

りょうせいるいかしら

もしかしてしかしら
しらしからぬしかしら
おかしらつきのおかしなしかしら

ナンタイドウブツカシラ
 ....
蝶々結びをむすべない女の子
ガリーファッションが似合わない
乙女ちっくに憧れてみても
アリスの影を踏んでいるだけの
君は残念な女の子さ

潮風に揺れるループピアス
耳の穴から広がる魔法陣 ....
もがり笛もすぎる頃
手塩にかけました
刈りとりも
人心地がつく時

ほの香る土に
なにかたのしく
火入れの祭りが
はじまりました

母の好きでした
垂れ桜が満ちる時
十三浜ワカ ....
私を望遠鏡で覗きこむ
遠くから眺めるとよくわかる
良くないことを考えると顔に出るぞ
もう少し背筋を伸ばしたほうがいいな
人をあまりきょろきょろ
見ないほうがいいかな
口をあけたまま
ぽか ....
しばらく前まで そこには山があった
ショベルカーの快活な饒舌や
ブルドーザーの笑い声と共に
預金通帳に増えていく 零のよろこび


狸は自動車のライトに眼が眩んで
白いセンターライン ....
帰宅すると妻がキレていた
子供が泣いている 上手にお座りしながら

帰りが遅いとキレていた
仕方のない理由 会議とラインしたが既読スルーだった
育児中のストレスを二人で割っているつもりだけれ ....
星になったお父さん。
緑色に染まった大腿骨
熱が残る銀の台。

星になったお父さん。
布団の上に置かれた守り刀
それを手に取り
喉元へ突き立てる。

白く覆われた空が
泣くのを見ら ....
淀んでいる
流せない過去で出来上がった今を懐かしさが気味悪く
吠えている

静かに 泣き方を知らない喫煙席の隅で
水っぽい香水ぷんぷんさせて
むせている

心を無視して向き合って半分だ ....
空き地に
なつかしい
水色の小さな花が
咲き始めれば
私の中でも
息吹く何かを感じる

おかえり
ただいま

膝を折って
のぞきこめば
別名 星の花
と呼ばれる
あなたたち ....
    

        ずうんと長く
        夜がこないので
        すみれの花で
        まぶたをふさぐ
        薄っすらと閉じ切らぬ
       ....
 
夢のあなたは当時のままで

あたふたするわたしも当時のままで

目が覚めると、ごめんと言えなかったことだけが当時のまま



 
東京の地下街から 
胸を焦がすような茜空は売ってませんか

そんなことを言ったら 嗤われるだろうが
本当はみんな 自分の町に住む
夕焼け色の切符を手に入れるために
上京しては 行 ....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる


不思議な夢を見た

とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃

カーテンから漏れた
 ....
今日もひっきりなしに飛行機が通る
あの人だった人が外を眺めている
「沢山通るね」
あの人だった人は無言だ
体の何処からも表情が消えている
きっと見えないものを見ているのだろう
部屋を見渡せ ....
はなふぶきのように
紙吹雪のように

空間を埋めて
ゆっくり舞いながら

アスファルトの路面に
散り落ちては消える

そう
こんなやわらかな雪の日だった

長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない

刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
途上の果てに途上が永遠に続く程

過程こそ命だったりするのかもしれない

結果の全てを錆びれた勲章のように刹那の時代に留め

天へ行く虫の息を深呼吸の懐の泉 澄む結びに憧憬の界

今を ....
サラリーマンが命を担保に金を借り
建てた家々の集落
書割のような中流階級
文化を支えたピアノ

音の断片が集落の中を
誇らしげに 恥ずかしげに
歩いていたのは何時のころだったか

口 ....
新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し ....
ひと足の途絶えた
深夜の商店街
わずかな気配にも
センサーが反応して
ひとりでに機械が喋りだす


 イラッシャイマセ
 パネルノ番号ニ、シタガッテ
 操作シテクダサイ

 番号 ....
黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃

いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬

傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
また明日! 笑顔で別れいなくなるどこかで生きているような、死

朝と夜ぼくらは器用に行き来しておはようおやすみおはようおやすみ

死ぬことの本当なんかえいえんに教えてくれずまた春が来る

 ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
絵本をかくひとの
胸のなかで
小さな女の子と男の子が
住んでいるとおもう

絵本をよんだひとの胸のなかでも
小さな女の子と男の子がうまれてゆくんだとおもう

そして
そのひとがしんで ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤いキリン- Lucy自由詩16*15-3-19
カエル夭折- イナエ自由詩12*15-3-19
原風景- nonya自由詩19*15-3-18
やわらかい雨- Lucy自由詩12*15-3-18
シスター・シエスタ- ただのみ ...自由詩19*15-3-18
【_残念BOXS_】- 泡沫恋歌自由詩13*15-3-18
ヨシ原(石巻市)〜その瞳をみていたら〜より- 黒木アン自由詩6*15-3-18
望遠鏡- 灰泥軽茶自由詩815-3-17
郊外の風景- 藤原絵理 ...自由詩715-3-17
イクメンには届かない- 朝焼彩茜 ...自由詩23*15-3-17
星になったお父さん。- 梓ゆい自由詩415-3-16
疲労直視- 朝焼彩茜 ...自由詩7*15-3-16
冬の終わりは春の始まり- そらの珊 ...自由詩12*15-3-16
夜想曲- 石田とわ自由詩16*15-3-16
目が覚めると- 殿上 童自由詩19*15-3-16
カラスの行方- 為平 澪自由詩17*15-3-15
菜虫化蝶- nonya自由詩14*15-3-15
あの人だった人- 宣井龍人自由詩11*15-3-15
卒業の日- Lucy自由詩10*15-3-14
_それ- ただのみ ...自由詩17*15-3-14
過程の空- 朝焼彩茜 ...自由詩12*15-3-13
ピアノの去った日に- イナエ自由詩16*15-3-13
つきのない日に- るるりら携帯写真+ ...9*15-3-12
【_無人の街で_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-3-12
私は冬- Lucy自由詩11*15-3-11
- nonya自由詩16*15-3-11
こぼれる- ただのみ ...自由詩18*15-3-11
リ・ターン- そらの珊 ...短歌815-3-11
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
子宝- 朧月自由詩815-3-10

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