凍結する
冬の寒風に身を晒し 、立ち泳ぐ
辺りには静寂が満ちていて
指先から徐々に冷えてゆく
あらゆる感情の蛇口は
かたく閉じて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断すること ....
冬枯れの樹の下でなぜ孤独を感じる必要があるのだろう。
そんなことを自分に問うた事のある人が一体いくら在るのだろう。
自分に課した約束を反故にした人は一体幾人いるのだろう。
犯した罪の ....
カーテンを開ければ あたり一面銀世界
「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
夜も光が満ちあふれている
というのに何という暗さだ
積乱雲の内に潜んでいた狂気が燃え上がり
炎となってなだれ落ちた北の空
燃え広がる炎は山を飲み込み
夜と昼 夏と冬が入り交じった都会の
....
あいつは何をやっているのだろう・・・・
小さな世界の自身の等身大との格闘
アタシは審判なんて頼まれていないけれど 裁く慰めもない
傍観の繋がり魂 他人さ
眺めてはいる
いい景色さ
....
主人公であるなら
殺されてはいけない
最初に殺される被害者は主人公ではないからだ
犯人か探偵であるべきだ
だが誰かが殺されなければ
犯人は犯人たりえず
探偵も登場しないだろう
つまり殺さ ....
言葉にしないことがある
このことを言葉にすると
君の不安が増えるから
だって
言葉は
安心より不安に寄り添う力が強いから
言葉にしたいことがある
このことを言葉に ....
三半規管がサンバで踊る酔っ払いが
縁石上で
綱渡り
両手を広げお尻をフリフリ
綱渡り
街灯のスポットライトを浴びて
綱渡り
電柱に出会ったら
左手かけて
ターンで かわし ....
140110
新緑の町から湧き挙がるパワートレイン
ドリブンされた満腹感を味わえ
指令の下にひた走る亀裂だらけのハイウエイ
国税庁の管理の下に地下深く ....
光の子供たちが浮遊する緑野に
きっとこころの種もあるのでしょう
跳ねてはしゃいだり転げたり
悪さをして群れている子供たちに混じって
金色の繊毛におおわれてふわりと浮かんでいたり
葉に ....
耳を痛めたくないから
仕事以外で
ヘッドフォンは使っていなかったのに
偶然押したボタン
あまく、やさしい声が
右へ、左へ
流れては消えていく
切なさにとろけるような
魔法の声
....
焼き芋の包まれている新聞紙かすかなインクの匂いも食す
くくられた新聞紙の椅子の上あごひげという名の猫がくつろぐ
ちぎられて水にひたさればらまかまれほこりにまみれて新聞紙逝く
世の中の ....
《薬剤名》 ・・第一工場食堂北側窓
《有効成分》 ・・空、富士山、雲
《効能・効果》 ・・鎮静、滋養強壮、
見失った自分の立ち位置が見つけられます。
《用法・用量》 ....
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
明日は待ちに待った卒業式だ
そして
俺はこの日を待っていた
明日で中学は終わり
みんなバラバラと散らばっていく
背水の陣
退路は断った
まゆみに
俺は今日告白する
「大事 ....
あれも喰おう これも
と皿に盛り上げた品々
同じ料金ならば
というケチな根性
ではないのだけれど
食い始めて
ちらっと目に入る隣のテーブル
皿にはサイコロステーキが載っていた
....
年賀状をもらったら
ほめことばにくるんだ
苦言が書かれていた
つまり
頑張りすぎる貴女
見ててしんどい
そういうことね
それで
新年の抱負ができた
別に頑張ってないから
....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
十六で嫁入りした祖母は
まだ娘だったから
近所の子供達と鞠を突いて遊んでいた
すると 嫁入りした女はもう
そんな遊びをしてはいけないと
誰かの叱る声が聴こえて来たという
春の夜 ....
東京駅構内
3歳ぐらいの男の子が
しまじろうのぬいぐるみを落とす
ハイヒールを履いた女性が
しまじろうをつま先でカスるように蹴飛ばす
20cm程前方に滑るしまじろう
し ....
時間はレンガとなり積み上げられてゆく
今夜はロボットたちと宴会しよう
私の手はロボットより冷たいから
本棚から現代詩を抜き取り
そこにレンガを入れる
ロボットたちにみせてあげる
ロ ....
腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの?
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた
大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
花柚子を貰った
実家のお向かいの家で
段ボール箱3箱も採れた内
実家でいただき、
そこから、
わたしも鍋いっぱい分けて貰った
柚子は好き
柚子胡椒も好き
柚 ....
樫の実ひろって、晒して食べた。
樫の実ドングリ、渋くて苦い
樫の実ドングリ、渋くて苦い
森の獣しか食べられない。
けれども、食べたい
食べなきゃ飢える
晒して晒して白くして
....
誤解していたよ
僕らはよく
人生の節目などと言って
「節目」を何かの区切りみたいに
扱っていたけれど
君たちの節目は
違ったんだね
普通の植物の
成長点は
先端の1カ ....
つららが少しずつ短くなった
しずくがきらめいて揺れてる
あたしの頬に触れる指先は
ささくれだって冷たいけど
やわらかな子猫を抱くような
そんなしぐさから伝わってくる
手の冷たい人は ....
1995年
この道が好きで
通勤路にしていた
国道16号線の裏道
川間のあたり
季節の花がいつも咲いている道
楽しげな子供たちの通学路
ゆっくり車で走っていた道
ある時
父と ....
松の木に敬礼を(ぼくにちからを)灯台守にコーンスープを
気の毒なひと、といわれて気の毒なひとであったと知る十二月
もうみずに変わるまぎわの雪片をしんしんと抱く窓になりたい
掃除機 ....
うちの猫、しりませんかという看板、わたしの好きも探してほしい
その、こころ、いただきましたという予告、付箋ひとつで君からとどく
お迎えにハムスターがくる夜は、既存依存の弱さが強いものだ ....
おおゆきが降った夜
雲の切れ間で
三日月につかまって
空中ブランコしてたのは
木の葉の舞う頃
行方不明になった黒ネコ
最初は新聞の折り込みチラシ
猫のアップの写真の下に
「飼い猫を ....
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