輝く雲の湧きあがる空の果て
若者の最期は誰にも見届けられない
彼は太陽をその目に捉えて
振り返った時には姿を消していたのだ
母は名を呼び続け
長の年月探し続けたが
父は真新しい墓へ参る度に ....
今朝は 静かな死
白樺の裸体 霧の
視神経 晩秋の匂い
目減りした水瓶に落とす
賽の河原の石のくぐもり
陽射しはそっと後ずさる
魂のほころびから
黄泉の調べ ....
緑の雪の降る街で、
幼い少女が夢を見る。
ガラスの靴が欲しいの、と
サンタクロースに願ってる。
外は明るいクリスマス。
少女はぱっと飛び起きて
大きな靴下覗き込む。
赤い袋に ....
海を見ていた。
赤い靴を履いた仏蘭西人形は何処へ行ってしまったのだろう。
微かに横浜の匂いのするあの応接間に
何か大事なものを落としてきてしまったような気がする。
それは心?愛?
自 ....
朝霧の中、銀色の竪琴を持つ者は歌うでしょう。
森の教会に昇りかけの太陽を見る者は、笑顔で挨拶を交わすでしょう。
今日という日の訪れに、新たな希望を見出す者は、
竪琴の伴奏に歌う野鳥の姿をも見 ....
彼岸花 ?
猫に噛まれそうになって 怖かったの?
そんなに真っ白になって
無邪気なあのこの手が触れたから
あのこの肌の色をうつしたの?
誰かの不幸を嘆きすぎて
熱い血潮を欲しがるかなた ....
しゃけたらこ おにぎりばくだん投下するシンジゲートの朝は忙し
しみじみと昔の恋がよみがえるように便座に熱戻る朝
カシミアはさぞ美味しかろうよ 虫食いの穴に悪態を吐く
秋空の雲の流れる ....
(ボクめせん)
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でテレビがおわる
がまん がまん
オシッコがまん
あとちょっと
でゲームがおわる
がまん がまん
オシ ....
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ
....
彼との愛を永遠にするため
彼とのSEXを動画に流した
消えない
もう
消せない
何があっても
誓う
誓う
この愛を引き返さない事を
増殖する
愛が
増殖する
笑いたければ
笑 ....
もしも生まれ変われるなら
涙を流さない生き物になって
あなたのそばにいたい
押し込めた悲しみを
胸の内の湖に降り注ぐ雨へと変えて
光が顔を見せる時は
きれいな虹の橋を掛けるよ
どんな時も ....
通り縋りの街に
何処か懐かしさを覚えて
忘れていた記憶を思い出そうとする
ふと浮かんだ笑顔に
少し胸が痛くなるけれど
明日のお天気のことを考えてみよう
幸せは無味無臭だから
気づ ....
紅葉した山腹に 村落が置き去りになって
その上空を横切る高速道路を車が飛んで行く
山に張り付いた林道が村落から延びて
水筒を肩からたすきに掛けた男が一人登っ ....
いきぎれ
しそうな予感は
いきている
最中には 何度かあるものだ
あかぎれ
とは 苦しさの温度が別物で
薬草を塗っても
それは
しずまらない
いきぎれ
とは もしかしたら
生 ....
春の沃野に解き放つすべての鳥の歌をきかせて
越境するこころのままに春を待つ裸足の足で大地と話す
まっさらなシーツと陽にふくらんだふとんと枕それだけあれば朝はくる
パーリ語で風媒花って ....
思い描いた未来なんて
無意味なまぼろし
窓のガラスに描いた夢
流れ去って行く雲を数えて
惰眠を貪っている内に
ひとり丘に取り残されて
春かと思っていたのに
秋風が立っている
私を育 ....
職場でりんごをひとつ貰った
婦長の実家が青森のりんご農園なのだ
あっちゅが
「丸かじりしたい!!」
と言うので、洗って手渡すと
にこにこして持って行った
「食べ終わ ....
会いたいな
会いたいな
今年もやさしいあなたに会いたい
いつでも私を見かけるたび
やあお嬢さんと挨拶してくれる
薄紫色の私のドレスを
きれいだねって褒めてくれる
また今年も
....
幾度となく聴いたであろうか
淡い色の流れるメロディーに
様々な思い出が走馬灯の如く
回る風景はどこまでも優しい
幾度となく眺めたであろうか
淡い色の流れるメロディーを
木馬に乗り浮 ....
おやすみなさい
今日の日は過ぎた
明日は親知らずを抜きに行く
二週間前に予約して
あっというまに
今日が来た
虫歯になっていますから
治療したとしてもどうせ
使いみちのない歯だ ....
木の天辺に腰かけて 青空と雲ばかり見る
木の葉を見下ろして 草が波のよう
風から生まれる 花の歌
花しか知らない 風の夢
靴が かかとから外れて
靴が 足から うっとりと飛ぶ
羽など ....
待ちくたびれたわ
あなたは肝心なときに いつも笑っているけれど
私のことを本当は どう思っているの
あなたのちょっとした仕草で ドキドキしたり
そっけない ....
トトロと言えば魅力的なキャラクターが多数登場するが
中でも出色は猫バスだろう
あのインパクトはいまだに色褪せはしない
地元のまつりで今年の春は機関車トーマス+アンパンマン号が子供たちに人気だった ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める
あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し
昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
昨日の私は、耐えるだけ
今日の私は、むせび泣き
でも、明日は笑ってやるの
ジョンレノンが歌った
目を閉じれば生きるのはたやすい
開いても見えるのは誤解ばかり
それでもいいと思うのだ
何も知らなくていい
観念ばかりが先走りするよりは
いま見えるもの ....
空想の翼と妄想の足枷
境はあっても壁はない
空と海のように
神学と罪状を彫刻された
流木は風と潮に運ばれる
翼もなければ鰭もない
時折 鳥が降りて来て憩い
流木の節くれだった目を ....
何かを始めるのに
手遅れなどということはない
始めた時が
始まりのとき
手を伸ばした時が取り返すチャンス
足を踏み出した時が
新しいスタート
空を仰いで
深呼吸した時が
誕生 ....
私にとって秋は蟻ほどに明確な季節ではありません
私にとって秋は蜂ほどに運命的な季節ではありません
私にとって秋は鈴虫ほどに激しい季節ではありません
今朝。私の手のなかであまりに柔らかく容 ....
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