ピアノはなんともつれないやつ
思いどおりになんて
とうてい弾けない
僕の指ときたら
からまるか、つっかえるか、へたれこむか
あつかましかったのだろうか
だが、
初心者用にアレンジされ ....
背中が攣った瞬間 思い出した
あの女は神だった
僕は濡れた足を構わずに 生きやすい世界を覗く訓練ばかりをしてしまう
後悔とはこんな気持ちか 思い出した
あの女は神とはほど近 ....
男の子になりたいと
今でも思うときがある
女の子でよかったと
今でも思うときがある
女の子だから
スカートが制服
男の子になりたいと思った
体力テストの持久走 ....
道路を歩いていたらガムを踏んづけました
嫌だなあと思って靴を上げたらビヨーンと良く伸びました
そしたらプーンとパイナップルの香りが鼻にきたので
誰かがパイナップル味のガムを捨てたんだなあと思いま ....
さよならを言ういとまを
あなたはくれないだろう
私の知らないうちに
あなたはどこかに消えるだろう
夜空の星はいつまでもそこにあるわけではない
青空の太陽はいつまでも輝くわけではない ....
過ぎて行った過去に
一体どれほどの意味があれば
僕らは満足するのだろう
降り出した雨に
本当はこれっぽっち意味なんて
いくら待っても無いんだろう
思い上がりに仕組まれた
鏡の中の ....
風薫る五月は様々なニュースを吹き流し
五月雨が哀しみをぽとりと垂らす
滲んでいった誰かの想いを背負って
命にきりきり舞いしているときは
ライオンが行ったり来たりしている様子や
猿 ....
/雨が降ってる
小さな砂漠なのだと思う
講師は教壇に立ち
黒板に自分の名を書く
「倉持康雄」
はじめまして、倉持です
皆さんにとって実りのある研修 ....
首を傾けたまま
縫い針を
炎で焼いて
縫いました
ひと針
ふた針
み針目で
あなたは目を覚まし
俺の目を縫いとめるのは誰だ
と申します
私は器用に玉結びをした後 ....
ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
吸い込まれそうな
深い、青の ....
空に輝くのは無数の星
山の下にも無数の光
空の星が見えないこの街
この夜景が美しいと
誰かが讃えたらしい
確かにこの街は綺麗
空の星なんかより ずっとずっと
確かにこの光は綺 ....
五月は過ぎた
麗らかで活発だった季節は
あれほど気ままだったお前も
今ではわたしの膝の上で大人しく眠る
お前のやわらかな耳たぶに降る雨に
こうして一緒に濡れそぼりながら
お前は聞い ....
妻清張われは花袋6月の空ベランダにバロック流る
午後になり雨しとしとと降りつづき朝顔の蔓つたふ土塀に
書物など喫茶に持ちて読みおれば髭の老爺(ろうや)が前に座りて
もみじ葉に ....
リセットしましょ
リセットしましょ
子供達の歌が聞こえる
リセットしましょ
リセットしましょ
もう一度、もう一度
最初からやり直しましょ
何度 ....
夏
森には緑が生い茂る
その中のたった一枚の葉
その葉がなくとも
森は揺るぎないだろう
でも
その一枚の葉が
一枚の葉になるまで
どれだけ過程があるのだろう
その一枚にも
命が通っ ....
ありがとう
ありがとう
自然にありがとう
生命にありがとう
命の潮騒
波の音
鼓動
月
他人を犠牲にして
生存権を奪い取り
当然の権利として
競争に勝ってゆく
人生は刹那の繋ぎ合わせ
時間はただ
平等に人々に与えられ
平等に消えてゆく
刹那の時間に変わる世界を
瞬きすらも惜しみながら
隣り合わせた花の開花を
運命と名付けて
見逃さないでい ....
生きる辛さを痛感した事はあるかい?
もし、あるのならば、
あなたはいい人生を送っているのだろう。
サチ子先生は
理科室でメダカを飼っている
先生の白くて細い指が水槽に触れると
メダカは狂喜して泳ぐ
メダカは十六ぴきいる
一ぴきずつに名前をつけたいの
クラスのみんなの
と先生は ....
いつか見た大きな虹
空に架かった大きな橋
24色の色鉛筆じゃ描けない事
あの日はじめて知ったの
ねぇ あなたは知ってた?
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかっ ....
夕暮れの音楽室で
ピアノを弾いた
平穏で無難な和音
誰がつくりあげるとしても
たとえばそれが夕暮れのサイレンだとしても
F#はF#にかわりはなくて
壁からみおろしている楽聖だって
....
弱いものいじめ
しようと
手ぐすね引いてる人たち
たくさんいる
やっと咲いた花を
夜中にこっそり
折り取って
持って行ってしまったり
耳元で突然
大きな声出して
大喜びしたり
最 ....
詩と、
そうじゃないものの狭間
そんな世界に僕はいる
この言葉が
ただのガラクタでも
僕は呑み込むことを許さない
命、
そう命
そんなものに似ている
かけがえのないもの
君 ....
その日は限りなく純白で
限りなく静寂だった
まるで雪が色と音を吸いとってしまったかのように
真っ白な空から降ってくる真っ白な雪は
やっぱり真っ白な白砂糖のようで
白い湯気をたてる ....
先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが
質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの ....
六月の薄い胸に
雲の痣が白く浮かび上がる
体育座りの女の子の膝のような
山々は
深緑にけぶる
出発するはずの電車は
死んでしまったかのように動かない
信号機はうなだれ
....
小学生くらいの
子供の
こころが透けてみえたら
大人はいうだろう、
ばかだな、
そんなどうでもよいことで、なにを、悩んでいるんだ、と。
ふりかかるひとつひとつを
わざわざ両手をひろげ ....
彼の人にアスパラガスの花束を
込めた思いは宣戦布告
風露草贈りし君から翁草
勝負終われば裏切りし君
勝利した君の頭に月桂樹
手には僕からその花束を
背中に刻んだ十字架を
背負って歩くいばら道
力の限り握り締め
噴出す血さえ
気にせずに
陽光ははるか彼方にあるものと
自信に満ちて進むけど
神は見えない手を差 ....
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