銀月夜の人魚

ほろほろとほろほろと波打ち際で泣いていた 人魚は何が哀しくて 月夜の浜でひそやかに

恋の痛みもありましょう 生きる辛さもありましょう こっそり夜風に伝えましょう

誰に涙 ....
小学生ぐらいの女の子が下校中一人で

自分に課したルールで遊んでいるのか

罰ゲームか何かなのか

後ろ向きで住宅街をゆっくり歩いている

月面遊泳のようなスローモーションで

ラ ....
双頭の鷲がその雄大な翼を広げて空高く舞い上がる。
大地の至る所に刻まれる陰影を踏みしめて我らは未来へと進んでゆく。
時の歩みを止める事は出来ないが瞬間をその胸に刻み込む事は出来る。
それらを ....
本を破り捨てたことなんて初めてだった
そんな自分に驚いた
それほどまでにわたしは疲れていたのだ
それほどまでにわたしは一生懸命だったのだ

一歳四ヶ月の息子はまだ歩かない
育児本なんてクソ ....
    

     焦げつくほどの灼熱の道
     このまま歩いて行けるだろうか
     じりじりと焼かれ続け
     息絶えてしまうのではなかろうか
     あぁ、それでも
 ....
今夜もまた私の血液を机上の黒い薔薇に注ぐ。
私は時々赤を見るのが無性に嫌になる。
他人の鮮血も、この机上の赤い薔薇も。
だから私はそういう時、この薔薇の赤い花弁を自分の濁った血液で汚すのだ。 ....
ラピスラズリの夜空に燦々と煌めく星々は私に宇宙を感じさせる。
際限が無く広大で、静寂な美しさに溢れている。
昼間とは別の顔にただただ魅入るばかりだ。
目の前でたゆたう蝋燭の炎に私の心は打ちの ....
夜に図鑑にない華を
枕元にアタシの側に
横たえておくね

シックなスモーキー
衣装と心はぶれない
一次元から生まれた
精鋭の英

華冠を編む様な乙女
シックでスモーキー
存在の賜 ....
 
忘れもん、いっぱいしてきたなぁ

でも、どうせやったら

この涙もどっかで忘れてきたかったなぁ



 
上塗りされた夏空の
組まれた手の
ゆびの
一本一本が
解かれてゆくように
光が
そこかしこに
ばらまかれ
熱を分けあう潮騒が
とおく
攪拌されてゆく



カンナの花が
 ....
               130721


切り倒されて朽ちた幹には
王子様のような茸が生えて
胞子を出して枯れるのだと
教えられて育つ
屋根 ....
 僕は一人では立てない
 見えない杖があり
 支えられている

 絆は 時に
 ロープとなって
 絶望の海から
 僕を 引き揚げ

 時に 鎖となって
 生贄の十字架に
 僕を  ....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった

死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている

扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
 ....
これは 泡なんですよ
基本的に 空気ですから

その中へ 飛び込むって事は パラシュートの浮き輪無しで飛行機から地面へ飛び降りる様な事だったとは気がつきませんでした

浮いて来ませんよ
上 ....
忘れてしまった時がゆっくりと蘇る

もう鋭い片鱗も無い 優しく語り合ってゆく

巡り会うそして 慰めあって生きようとする者たち

そう僕たちは回遊魚なんだ 自由を酸素として 常に泳ぎ続け ....
堪忍袋は秘かに膨らんでゆく それはとある場所に隠匿されて 利用者を待ち続けているのだ

堪忍袋はいろいろな人間模様を呑み込んでいる 巨大な袋は今にも破裂しそうだが

秘かにその聲を聞いてみると ....
星からおちた小さな人が 走る
走れることが ただ 嬉しくて
他の子たちが小さな人を 追いかける
笑いながら走っているから 追いかけたくて

星だったころだって 走っていた
回れ ....
35000フィートの
高さで
時速580マイルの
速さで
華氏ー45度の
冷たさで
まっすぐ伸びていく
今日の航跡を

昨日の
何処かから転がり出て
一昨日の
坂道に置き去 ....
ゆらめいている
薔薇沿線のかたわらで
白い女の子たちの
折り目正しい
プリーツの

祈りの姿勢はいつも
夏うまれの呼吸をついばんで
ひまわりの瞳の高さまで
つん と
背のびする
 ....
      
    光と影が交差した
    あの日、
    蝉が死んだ               
    
    探し求めた、あの日から
    どこへ行ったのか
  ....
また顎を上げて 帰り道ヘッドライト

 こくんと頷きを始める 立体的に影をつけて つけて来る

苦手な左脳を噛み砕き 指し示す 柔らかい素質 大きな瞳 

 こくんと頷きを始める 動く動く ....
愛は心臓ではありません
ひと刺しくらいで死にません
悶え苦しみ血を流し
こと切れるまで幾日も
血が乾くまでに幾月も
断末魔のその姿
もとに戻るには幾年も


愛は蛙じゃありません
 ....
僕はロボット 1953年生まれだ ガラクタを適当につなぎ合わせてできている
だが僕の父は天才科学者ではなかったので かなり杜撰な構造だがなんとか生きているさ

僕が生まれたのは三丁目の夕 ....
【ふたたび、レヴィナスのイリヤ】


戦争で、なにもかもが変わってしまった、のに、
世界は、なおも、ある
中心をうしない、意味を奪われた、
そんな、世界が残されて、ある

死者がもたら ....
【ハイデガーのエス・ギプト】


存在は、あたえられたもの、である
存在がそれをあたえて
存在者、存在する物が
ある、に、なる

戦争が生死をわけ
生き残った人間に
よりそう人、よ ....
暑すぎてを理由に降りてこないから

自力で一人で試みるよ

でも本当はいつも そばにいる

ほら できるじゃないかと そばにいる

 暑すぎて心配する 規模の違う宇宙の問題
 人間に ....
風が吹けば
裏返り 寝返る
白と黒 
どちらも表で
どちらも裏で

裏の中に表が潜み
はっきりさせないことが
生きる術
だというけれど
白 黒 × ○
二者択一を迫られる
意思 ....
ことばはとめどなく産まれるけれど
ひとつもどこにもとどかない
やわらかい壁がゆれる

わたしがあなたのそばに落ちるとき
きっとひとつも言葉をもたないで
まばたきだけでやりあうような
 ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀の月夜の浜辺には- 梅昆布茶自由詩913-7-22
うしろ歩き- 灰泥軽茶自由詩1013-7-22
信念- ヒヤシン ...自由詩4*13-7-22
育児本- 小原あき自由詩12*13-7-22
夏おんな- 石田とわ自由詩17*13-7-22
黒薔薇- ヒヤシン ...自由詩7*13-7-22
真夜中の瞑想- ヒヤシン ...自由詩5*13-7-22
韻華と眠る- 朝焼彩茜 ...自由詩813-7-22
忘れもん- 殿上 童自由詩16*13-7-21
夏の影/素描- 佐東自由詩9*13-7-21
星からおちた小さな人- あおば自由詩10*13-7-21
境界線- まーつん自由詩8*13-7-21
わたす- 砂木自由詩18*13-7-21
マリはマリなのだから- 夏美かを ...自由詩40*13-7-21
【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から- そらの珊 ...自由詩2013-7-21
滝壺のなかで愚痴を言う仙人- ぎへいじ自由詩10*13-7-21
赤い靴- 梅昆布茶自由詩713-7-21
堪忍袋- 梅昆布茶自由詩613-7-21
星からおちた小さな人- るるりら自由詩17*13-7-20
飛行機雲- nonya自由詩19*13-7-20
ゆらぎ/夏- 佐東自由詩10*13-7-20
白昼夢- 石田とわ自由詩13*13-7-20
こくんと頷く波紋- 朝焼彩茜 ...自由詩513-7-19
ひとつの愛の死- ただのみ ...自由詩21*13-7-19
昭和ロボット伝- 梅昆布茶自由詩1013-7-19
ふたたび、レヴィナスのイリヤ- はなもと ...自由詩213-7-19
ハイデガーのエス・ギプト- はなもと ...自由詩513-7-19
夏が来ているのだから〜宇宙の問題- 朝焼彩茜 ...自由詩3*13-7-19
オセロ- イナエ自由詩12*13-7-19
まばたき- はるな自由詩913-7-19

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