新生〇アナタを通して
たけし

夏の夜、
死者の眼は見開かれたまま
わたしを凝視し
私は、
その濡れた瞳を通して
異界の存在たちを
観ていた

内から内から

内から立ち現れる
それらの眼差し
はまた、
わたしに注がれ
広がる光景
が、流入スル
次々と
目まぐるしく揺動し

私は浸透され
主体性を奪われ
観られ観る受動態
思念を委ね支配され
限りなく透明になって

解体された 
わ た し

生きながらにして死の扉を押し開け
愛する人の温もりに
包まれ繋がる

この夏の夜、束の間。


自由詩 新生〇アナタを通して Copyright たけし 2015-07-31 16:28:53
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