教会に行く小径で
野ぶどうを摘んだ
手のひら
いっぱいにのせた
紫色の小さな実
食べるわけではないのに
文句も言わずに摘まれる優しい実
あの頃の
わたしの宝物だった
欲張りな少女 ....
秋になったから
イチョウや赤とんぼをモチーフにした雑貨を探してたんだけど
何故か桜に蜜蜂のモチーフの雑貨を見つけてしまった。
いや、「しまった」とかじゃないけど。
来年の春 ....
そちらの情にも 唱えたい
城なら行きたい あと僅か
レールの上に 飛び乗って
滑車を待って 走り出す
風を切るなら 扇子でね
キミの センスが モノをいう
ボクなら 春に 団扇餅
....
国々は歴史というエスカレーターに乗って
ゆっくり 未来へ向かって登って行く
いつまでも いつまでも
赦すことのできない憎い後ろ姿が見える
煩わしい声に ふと 振り返ると
遠い過去から ....
人生に放火して黒焦げになった
うつろな影をひっつけてずるずる歩く
酸いも甘いもあいまいだ
夢も希望もあいまいだ
焦げた歴史がべりべりと剥がれ落ち
心の暗黒だけが確固として ....
月よ お前様は 自ら輝く事も出来ない身の上だと言うのに
借り物の服を着て
ものまねの明かりの下に 私を座らせて この めくるめぐる思いを
ただ 寂しいよ と一言だけ 言わせて 癒 ....
ななめ45℃に体かたむけて空を見る
とんびがくるくっるとんでゆく
仕事がえり
足が大根になってゆく
シンドイナってつぶやいて
ちかちかと電信柱に灯がともる
いいこと ....
いつだって
人は やじるし、だ
変幻自在に曲がる針金製の
伯父は
がんだった
誰にもしらせずに
抗がん剤とむきあう
プライドと
やさしさで
わたしは何もないように過ごす
一 ....
これまでも
世界の秩序が狂ったことはあった
その結果
それまで うまく棲み分けられていた人々がまじわることで
多くの不都合が生まれたのだった
紙の民の一人であるミス ドリアンは気象の ....
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小学生になった子供の頃
よく新聞に挟まれてくるチラシの裏に地下世界を書いた。
それは壮大な地図で
地上世界の下にもう一つの世界が ....
すばらしい
愛を見つけた
このため僕は
幸福だ
春も来た
桜の季節
このため僕は
幸福だ
愛のこと
を歌っている
このため僕は
幸福だ
夢のよう
に感じている
....
ねぇ あなたは柿好き?
わたしは嫌いだったんだよ
むかし 田舎から送られてきた
柿を ひとりで食べ過ぎて…
おなか壊して 三日寝込んだ
たかが柿って あなどれないよ
それ ....
浜川崎から羽田線に乗る
古い高速道路はそのまま川崎大師の大鳥居をくぐり
モースの大森貝塚を三周程して
干し網の漁師たちを驚かす
ようやく京浜急行が高架になり環八がスムーズになっても
森永 ....
もしもツバサがあったなら
あなたのところへ
飛んで行けるのに
もしもツバサがあったなら
あなたのところへは
飛んで行かない
背中にツバサを背負った姿で
....
ざわざわと森のゆれるこの夜に月のまにまの生命誌
魂を細胞膜で包んでよ触れ得ぬもののかたち見たくて
ちいさなエゴで組み立てられたものおもちゃの国の総裁となる
こころを巡る海流の漂着地点 ....
ハムスターは耳がいい
ささいな音も知っている
がじがじ がじがじケージをかんで
えさよこせ
えさよこせ
飼い主はねむってる
飼い主は怒ってる
飼い主は ナイテイル
やれやれ ....
鎌を持ち稲を刈る
コンバインが入れるように
田んぼの四隅を 大きく刈る
いろんな形の田んぼ
とにかく 鎌で刈る
雨が降りそうなので
ブルーシートも 持って行く
雨にぬれたら 機械の中 ....
秋の空に
憂鬱と哀しみを感じる
私の世界は
プルシアンブルーに
染められる
あの人の顔がよぎる
忘れることもできない
手紙を書きたい
いいえ 書いてはいけ ....
猫は一日
ひがな一日丸くなり
日だまりの中で丸くなり
屋根の上で丸くなり
塀の縁でも丸くなり
玄関口で丸くなり
自動車の下でも丸くなり、
部屋の温もりに丸くなり
タンスの上で丸くな ....
最近ついてなくて……
電話口で友だちにぼやいていたら
私の運勢を
四柱推命と六星占術で調べてくれた
それによると
来年から運気が上昇するらしい
今までの努力が認められるというのだ
....
詩は暇つぶしだと言ったら
あなたは怒るだろうか?
だけど 考えてもみてくれよ
暇のない人生というものを?
詩のなかで
説教を垂れるのもいい
悪態をつくのもいい
泣き崩れる ....
一枚の紙の軽さを想う
一冊の本の紙の重さを想う
数冊の本の紙の重さをさらに想う
いつしか私自身の重さを軽々と超えていく
一枚の紙の厚みの薄さを想う
一冊の本の束ねられた紙の背表紙の厚 ....
連れられて来て
放たれて
追いかけられて
追いかけられて
すくわれて
入れられ
揺すられ
揺すられて
閉じ込められ
名前を付けられ
見つめられ
見つめられ ....
歩きたいのです
何もなかったから ただそれだけ
誰もが 妙に速足でいくものだ
そんな風に思うでしょ?
わたしが こんなに止まった世界にいるなんて
知る ....
赤い糸があるなら
断ち切りたい
だって、自ら紡ぎたいじゃないか
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
水草ゆれて
ふわりと
紅金色の着物も褪せた
年増女が二人
よもやま話 ....
星と飛行機がすれ違う
星も飛行機もそれを知らない
星も飛行機も
勝手に切実に在るだけなのだ
見つめていたのは
遥か地上でだった
寂しかっただけだ
丁度よか ....
昔 TRDステッカーが貼ってあった
りんご色のセルボは
ミラースモークでした
キラッキラと光る存在は
ゾンザイに 出来ないから
一緒に 耀こうって
思えるんだネ
鏡みたいに
ひ ....
コスモスできらいすきすきだいきらい
赤とんぼフレフレ赤勝て白が勝て
今秋も流行りは赤だと鷹の爪
本年の出来はどうだと柿に聞き
もう少し渋いようだと鵯が鳴く
火恋し抱えて帰 ....
目が覚めたら 夢のような世界だった
楽しくて嬉しくて ほんとの世界を忘れてた
あるときふと 目が覚めて
極彩色が チカチカと
(ひとつも目に優しくないのね)
そんなことを考えていたら
もう ....
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