たぶんアタシは泣くだろう
近いうちに泣くだろう
泣くこと好きじゃないけれど
いつもは我慢するけれど
次はきっと堪えきれない
雨雲は重く湿って臨界点
それでもいいや
....
おばあちゃんは畑を耕します。
ニンジンを採ってきては僕に見せます。
目にいいから食べてみなさい、と
マンガ三国志を読んでいる僕に言います。
おばあちゃんは畑を耕します。
ジャガイモを採っ ....
川の流れに乗っかって
どこか遠くに行きたいな
思った以上に世界を知りすぎた
こんなにも分らない方が
幸せだったなんて思わなかった
耳を澄ましていなくったって
誹謗や糾弾に晒されるし ....
ある日 旅に死んだら
風よ雲よ 伝えてくれ
どこかで しあわせに
暮らしているから
さがしたりするな と
永遠に続くのではないかと思う
言葉の咲く道で
彼はずっと歩き続けて
ついに道の上に座り込んだ
そこから見上げる空も
言葉がたくさん見えていた
ほんの少し
ほんの少しだけ休もうか
つ ....
あたしの心臓の音を伝えながら
寝かせてあげる
してほしいコト
全部してあげる
それでも不安で
堕ちそうなら
朝まで 手を
握っていてあげる
何も喋らなくていいよ
....
ファーストフードのレジに並ぶと
厨房に立つ店員は
{ルビ神業=かみわざ}の手つきで
ハンバーガーを さっ と包み
すい〜っと横にすべらせる
「あれじゃあまるで、モノじゃあないか・ ....
君を何かに例えるとしたら
暑い夏のアイスクリームで
寒い冬のクリームシチュー
君を何かに例えるとしたら
仕事の前の栄養ドリンクで
仕事の後のコーヒー一杯
…茶化してなんかいない ....
ただそらだけがある
ひとも
たてものも
どうしょくぶつも
わすれて
すみずみまで
ひろがっている
きおくのそとがわから
ことりがいちわきて
はばたこうとすると
そらはきように
み ....
私は光に祈る
明日が平和に過ごせることを
明日も本物の笑顔が出せることを
明日こそ君のそばにいることを
街に 星に 月に
それぞれの願いを込めて
明日、あなたは ....
あなたは就活のためにと家庭教師のアルバイトを僕に勧め、僕はうなずいた。
謝らなくちゃいけないことがある
本当のところ
あなたと出会った時点ですでに
僕はこの現実世界にいなかった
半分もい ....
わたしに 水をあげさせて!
例え それが 他の誰かの鉢植えでも
例え それが 有毒植物でも
例え それが 花の咲かない植物でも
例え それが 水をあげると枯れてしまう植 ....
花薫じる風
春の果肉は発する
ぬくみの芳香は
顔を撫でる
揺れる山肌の草色
白いかげろうは延び
青い遊戯は列をなす
この涅槃の奥底まで
ワルツの舞いは膨らみ
太陽にほ ....
ウォーリーを探せ、と言われて
ウォーリーを探しに行ったまま帰ってこない
そんな少女の話を以前しました
かどうかは定かではありませんが
電話帳に海という字を見つけては
泣きながら印をつけて ....
誠実で在りたいと思う
突然 割れるわけでもなく
花瓶の水が染み出してくる
その瞬間
隠している筈の物が
表に現れる
もろい心
先へ進む勇気が無い
されど
立 ....
理由など欲しいとはおもわない
おちてゆく桜の色が、なにいろであってもいいように
いつかきえていく、わたしたちに理由はいらない
別段、理由でもない
あなたへ向けた顔と、あなたとは違う ....
虚しい言葉は砕けて夕暮れ
灰色とオレンジの世界に
丁寧に磨かれた白い月
僕は僕で僕を歩いている
もうすぐそこまで来てる
君がそこまで来ている
自分を追い ....
ダッシュボードに斜めに突っ込んだ
おもちゃみたいなラジカセ、レゲエのリズム
全開の窓から
おまえは
ほっぺた出して
ぶるぶるやってた
子供みたいに
俺は
クラッチとアクセル
ジャ ....
はじまりはとても静かであたたかで目を開けた赤子は咲く花花を見ゆ
るるるると蛙の鳴き声が聴こえてきた青い田園を目を細め眺めるそふ
なんども口づけを交わす祭りの夜の恋人達蛍や花火の真上で黙るつき
....
クリスタルの ボールが 放られると
ぼくらの ふたつの 土地や からだに
いのちに 焼かれた 対話が かがやいた
放擲 された ボールには ふらふら 泳ぐ
天の 子 ....
ひからせや あかく
つれゆく ねごもり
ほうらせ かたせに
おとなう みにおう
きりあめ とかれて
ゆきいろ ぬかるみ
おりこむ みついろ
僕の仕事は重罪を犯した人間を死刑執行人として処刑することだ
とても責任が重い仕事だ
今日も刑務所に罪人がやって来る
ひょろっとしていて猫背で全身が青白く目玉がぎょろっと出ている男だ
....
大学を中退した
だって
だるいんだもん
ダイエットにも失敗
大好きな
ダーリンが
ダメな私から
だんだん遠ざかっていく
ださい
大音量で
ダナグローバー聴いて
だらだらとベッドの ....
いくつもの岐路に立って
流れる雲の下
永遠なんてないのだから
絶え間ないこの血潮の想うまま
流れているのか流されているのか
いつもの交差点では
運の悪さを象徴するように
....
まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも
....
日だまりに溶けたがった
あの太陽は
たんぽぽの色をたたえながら
まだ空に
浮かんでいる
僕はといえば
その日だまりの中で
何にも考えず
ただ
眠っている
太陽が出 ....
悲しかったけど
洗面所の象が
あたしよりも先に涙を流したので
「泣くなよ」って励ましたら
あたしは泣けなくなった
溺れることに溺れて
夢見ることにさらに深く
君はロマンチスト
溺れる自分に酔い
酸素の泡にさえ夢を見て
ただただ君は深く沈む
足元にあるほこりを摘んで
ふぅっと空まで吹き飛ばした
空には大きな雲が浮かんでいて
あっという間に溶けて混ざった
背中を伸ばし
両手を伸ばし
僕は
空を飛んだ。
夜中
水道から
ぱたぱたとなみだ
海になんか辿りつかないのに
机の上で
しまい忘れたサラダが
哀しい彩りで居場所をなくしてる
きれいに一人分だけ残して
あたたかみをなくしたイスが
部 ....
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