トラックのエレメントとオイル交換をしてもらう
33万キロも大地をかけぬけた偉大なポンコツだ
いきつけのスタンドの早川さんとちょいしもねたジョークで
あいさつして笑いあう
こんな日常もいいか ....
ひとつのこころからからまり
う、ま(み)れる
この顔はデンマークとか何とか
そんな緯度の産
しかもダ・ヴィンチの
妖艶ヨハネが指差す方角からの下賜品
ってところ
そして色素の少ない
血色もないこの乾いた肌は
ケルトの俗謡、ドルイドの ....
突然雨戸が
何語かで話しかける どうしたの、何
小さなビスケットの家の
窓には童話色のカーテン
それじゃ無理
雨戸は不満を述べてノックする
何か起こったの、今から起こるの
小さな庭の ....
人々が真剣になる時
俺は最もふざけた格好をして出て行って
人々を一つ、クスリと笑わせてやろう
人々は俺を見てゲラゲラ笑い
「道化、これをくれてやる」と言いながら
俺に十円玉を投 ....
いまは6月の風が吹いている。
空には太陽があった。
雲があった。
そして月があり、星があった。
ときには羽をもった鳥や昆虫たちが、空の近くを浮遊していた。
ぼくは中学生だった。
あ ....
金魚草咲いて揺れてあなたが笑う
金魚草震えて怯えて雨が降る
私そんな花になりたかった
あなたを癒す花になりたかった
金魚草金魚草
いつか枯れゆくその身としても
身ひとつで悩んでいる
可憐な花が逡巡している
体の調子を整えようか
発信音、着信音
花を喜ぶ顔を見ようか
可憐な花が逡巡している
身ひとつで悩んでいる
疲 ....
ベイビーこんな雨の日は
ひきずるようなブルースをきくんだ
だから
ともだちになってよ
それとも懐かしい曲で
こころを満たすかい
ベイビー3弦がきれたよ
へやのすみには
弾かない ....
雨の日は
透明傘がいい
値段の気安さがいい
ドームの曲線を
雨が流れていくのを見るのは
誰かが
泣いているのを
見ているようで
そんな後ろめたさもいい
そういえば女優でもないのに
....
朧な碧い部屋で
私、夢を見ていたのね
溜息一つ、デキャンタと冷めた灰皿
白いレースで覆い隠されて
私の全てが嘘みたい
スローでムーディな音楽を
誰と聞いていたかしら?
花の名前のグラ ....
空洞が鳴る
鏡の道を
空洞がゆく
光と遊び
冬を呑む子
鱗へ 水へ
蒼をこぼし
葉を追いながら
双子のけだもの
銀を知らず
冬を知らず
....
ランタナのつぶつぶ
少女はコンペイトウ
春夏秋冬 気ままに咲く
甘美の花言葉も知らない ランタナ
ランタナのつぶつぶ
少女は大人のアジサイに
雨季の間 憧れの感情に
無垢のまま 引き ....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく
良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける
....
雨季時間は妊婦の安定期に似ている
穏やかに 目を細めて微笑みを
何日も繰り返す
雨に傘を持たす
優しい妖精は
紫陽花の葉をつたう
雫のかたまりの様に
儚く 役目を終 ....
自分の命と引き換えに
お願いをしたことがある
神様、仏様、
あるいは悪魔でも構わなかった
願いを叶えてくれるなら
誰でもよかった
白い犬だ
大切なペットだ
それが病気に ....
自分をくそ人間だと思う人格で生きてます
今日蟹屋に初めて出勤しました
店の外の水槽、ここから蟹を取り出し
捌くわけですが新人なんでそんなことさせちゃもらえません
水槽磨きです。手ぬぐいを水道水 ....
俺なんてこんなもんだって思えたら、おめでとう
所詮、俺なんてこんなもんだ
そう、俺だけなら
星はかくれてる
いるはずなのにみえない
それだけで心細い
ひとりになったよう
認められたい
あっていいと言われたい
ひとことで
救われる夜
だれかがだれかのそばで
安心を得る ....
缶チューハイが降り注ぐ夜
めんどくさい人生が酔ぱっらいのあたしに
くだをまく
だって嫌われちゃったのよ
あたしあたしがきらいになってゆく
缶チュウハイのレモンがあたしに
素直になりなといっ ....
忘れていたわ
時の砂は音も無く
ふりつむ透明な悪魔だってこと
どこへいようと
逃れることはできない
生の終着駅が死であることから
逃れることはできない
気づかぬうちに
若葉は枯 ....
誰にも触れられない場所に
花が咲いていた
切り立った崖の中腹
そこには
誰も登って来れない
誰も降りて行けない
そんな場所に独りぼっちで
花は気高く咲いていた
小鳥の囀りに ....
心が高くバウンドして
トランポリンの上で
ピョンピョン跳ねまわる
鉄棒をクルクル回って
天と地がひっくり返った
白いスニーカーで雲を蹴飛ばせ
鼻孔を開いて
大きく深呼吸をしよう
....
この世に……
{引用= 自分を必要とする人が
誰もいないってことに
気がついたら
もう
人は死ぬしかないでしょう
それ ....
がらんとした部屋に
淡い光が射して
細く長く伸びた観葉植物の葉の
あまりの碧さに目が眩んで
倒れてしまいたい
そんな独りの或る昼下がり。
段差段差
すらりと綺麗な人が
高いヒールでぐにゃりとごろりところげた
うしろを歩く私へ
勢いよくかかとが飛んできた
私はちょうど
小ぶりで可愛らしい
さんかく ....
アカルイミライトつくったら
つきはなれて
み、はなすときがくる
by Atelier
ほんぐもりではない
うすぐもりでもない
うすばれともいえない
どくとくのつゆぞらである
でも 紫外線はいちばん恵まれるという
四季を通じて
いつのまにか ゆびがすべって
....
地面に
言い聞かせるように
雨が降り続く
無色の
絶え間ない呪文が
街を塗り潰す
紫陽花は
すべてを受け止めようとして
雨雲を黙読し
雨傘は
すべてを受け流そうとし ....
頭の中で魚が跳ねた
ぴしゃんと深みへ姿を消した
黒い子猫が静かに見てた
風がぱらぱら捲っていった
時間は長くも短くもない
人の物差しはいい加減だ
....
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