脳梗塞と宣されて頭を下げることと
発見されなかった腫瘍に訴訟を起こすことに貫く
この世界に適合していたという家族たちのあくまで肯定的な評価は
死ですら自ら取り寄せなければならないという
自立の ....
それはなみだでした。
ひとしずく、
わたしをたたいたのは、
なみだでした。
それはぽろぽろと、
わたしをたたくので、
わたしはひとしずくずつ、
ひとに、
....
赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲 ....
青空なる
自由の大地から
この大地
上下東西南北なる
六種に振動し
法塔 出現し
殿堂なる 天空に
そびえ立てる
この宝塔
ゆうに この大地を おおう
釈尊仏の眉間より ....
やさしい風をつかまえたのか
狂った君にはできるでしょうよ
昨日の悪さを覚えているか
あの子の名前を忘れていたろう
そこに幾千の星が待っているのか
おいおい、じいさん長くはないぜ
....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので
ク とつかまえて離して見ると
それはチカリと赤い血の玉で
もう一度握ってはなすと
{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
ただいまご紹介に預かりました
重要野菜等緊急需給調整事業です
ただいまご紹介に預かりました
朝鮮中央通信です
ただいまご紹介に預かったんずや
東北大学ナノマシン工学科の中島だ
....
未来なんて見てきたもんだから
毎日が退屈になっちゃった
未来なんて見てきたもんだから
想像する楽しみが減っちゃった
未来なんて見てきたもんだから
選択肢がなくなっちゃった
....
遠くの景色ばかり見る骸骨 人形
ぺんぺん草が生えた土地にぽつんと一軒だけ立つ 露店と店屋
この店は主に肉体を無くした魂や影によって賑わっている
この近くで大きな戦争があった
大勢の戦 ....
どんよりと低い空に
ふうっ、と 溜息をもらし
雨を吸った暗いモルタルの壁は
重々しい匂いを滲ませて湿ったまま
窓枠に収められた日々を嘲い
片付いた雑事に安堵を覚えると
たちまち、身体 ....
料理長は私に言いました。
「刺したいやつがいたら、この包丁をかしてやる」
ああ、料理長、
今すぐ私にその包丁を貸してください。
その包丁で、
自分自身を刺したいのです。
今日、バイ ....
少し遠くに執着が見える
何もないアスファルトへの
紐を引っ張られ、首輪で引き戻す
あの好奇心 あの自己主張
かつて共に過ごした老犬の気配に
身をゆだねてみる
成し遂げた人たちの無関心に ....
「リスト」
僕の昔の恋人に
いつも左手首に包帯を巻いている子が居た
最初は自殺未遂かと思ったが
そうではないらしかった
理由は訊かなかった
彼女は毎日包帯を ....
「ぽえむ君は一人ではない!」
「えっ、マジでっ!」
「だってだよ、毎日二作とか三作を書き続けて、かれこれもう、
一年以上が経っているんだよ。」
「いやいや、根性があるからなんじゃないの?」
....
息を吸って
止めて
3秒
空を見て
太陽に勇気を貰って
小鳥さんにコンニチハをして
そっと
前を見て
渇いた眼球に
一度瞬きをして
口を引いて
目を細めて
全感情を注ぐ
....
ホルマリン漬けの妄想
強制終了かじりとった
だって、指生えたんだ。
だって、指が生えたんだ。
それを毟り取ろうにも
できないだって、指生えたんだ。
刹那を彩るには何色がよいかしら? ....
夜の街で闇をさがし
身を隠す暗がりにも
灯りを求めたりして
中途半端なままだね
いつもぼくらは
言葉の空白にふるえて
粋な単語たちをあつめ
草の実に糸を通すようにつ ....
寂しんだ手から
夕凪の薫りがして
少し切ない
飛び交う何かに向かって
感情を吐き散らす
ねぇ
空の向こうって
何だか知ってる?
触れた毛 ....
その少年は、少女で動いていた。
少年のどこかに少女が埋めこまれている。
少年はときどき吐き気がする。
そういうとき、たいていそれは夜だけれど、砂浜を思い描く。すると、少女が少年の砂浜を歩 ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
仕事で二日連続ポカをした
休憩時間には詰め所でコーヒーの成分表ばかりを見つめている
同じ班の人たちはそんな俺にとても親切にしてくれる
だから余計みじめになってしまう
現場で働いている90%の人 ....
泡と塗れる事に嘯き覚えて
僕が去っていった日曜日に
汚れた流線型が降り積もる肌に
華奢なライン真似て空が繋いでいく
プラスチックみたいなリズム
音がまねて吐き出す雲の中で
わずかな音は ....
亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい
+
かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている
+
カンガルーが直立したまま
波音 ....
良識のある善人が
いちばん酷い事をするんだ
良識に照らして
優しく人を傷つけるんだ
善人だから
それでも許されちゃうんだ
間違ってても
それを包み込むのは
きっと
....
がしゃん できない
床に広げられたポップコーンを拾い集めて
窓から投げ捨てると
バターがきらきら光って
まるで星みたいだったんだ
いつ渡したって誕生日プレゼントさ
と強がってみ ....
生きている もーん
――だから?
いえ・・・・
でもなお、生きているよ
煙草を一本、吸って
屁をする ブー
さら
さら
潮の匂いにみちた風が
木々の枝 ....
コンビニの入口脇で。
ホームレス風情のおじさんが。
焼きそばパンを貪り食う姿を見た。
よく分からないけれど。
こんな光景を見るといつも。
僕は胸を締めつけられてしまい悲しくなる。
....
しずかなばしょにいきたい
じかんのながれをいちみりもかんじない
しずかでしずかでいろのない
そんなばしょにいったら
わたしはあしをのばしてじべたにすわる
まっしろなそらをみあげる
....
曙興産営業二課の青野君29歳は今年入社三年目を迎えた。社内で彼はみんなから青ちゃんと呼ばれている。彼、青ちゃんは世界の平和を守る為に、日夜命を懸けて戦い続けようと心に誓ったばかりである。
先 ....
「あのさぁ、ぽえむ君って、本当は女性なんじゃない?」
「おいおい、いきなりなんなんだよ。」
「だってね、ぽえむ君を実際に見た人っていないんでしょ。」
「そうだねぇ。でも、だからといって女性か?何 ....
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