“ねえお父さん
どうして空は青いの”
と
駆け寄ってきて
尋ねてくる君は
とても綺麗だ
だから僕は答えたくない
太陽光が大気にね … 、なんて
答えたくないんだ
だから
“どうして ....
県庁所在地から車で十分、
ガスと電気が設備されたマンションに住んでいる。
子供はまだいないが、二人くらいは、と考えている。
電線の張り巡らされた郊外の一室で。
進化は未来を追い詰める。
....
かみさまもしゆるされるなら
あの人のいのちを私に見せてください
そしてこの手でなでさせてください
ありがとうを言いながら
何度も何度もなでさせてください
すっぴんのほうが可愛いんだと
言われたので
思い当たるのは
たぶん化粧がキライなんだろう
およそ世の中の女性の
最大関心事であろう
おしゃれとか美しくなる努力とか
どうしても興味が持 ....
静かな 虚空の 中で ふわり
君の 髪が やわらかく 揺れた
窓の 清らかな 光を 背負って
輪郭が 白く 淡く ぼやける
その 間(ま)だけ 時間が 止まって
埃で さえも 浮かんだ まま ....
?
祭りが始まった
それは緑の旗をかかげ
歌うのは風ばかり
踊るのは風ばかり
萌え出た命の露を
しとどに湿らせ祭りは始まる
?
若葉揺れて 君の髪のように
や ....
雨降る夏の若き葉に
雫結びて一つ落ち
下の葉受けてまた落ちる
その{ルビ音=ね}はまさに時のよう
雨降る夏の黒き地に
蛙這い出て一つ鳴き
雨水打たれまた当たる
その絵はまさに歌のよう ....
思い出し笑いしてる花びらの話
目があって目が散って
隠そうとしたら吹き出した
晴れた空の草むらで
花びらはまだ続いてる
散らばった四本の足に巻き付いた
始まりと終わりはいつも仲良し ....
面白人生講話
俺は近頃何にも面白いことがないので、仕方なくこの文章を書く。
時折詩らしきものを書くのだが、何しろ暇潰しなので、碌なものはできず、女に生まれて
いりゃぺちゃくち ....
発作みたいに戻ってくる
恋を埋めた場所にいると
その記憶の破片や
感情の細々としたこと
夜一夜と思いをこぼし
いつか空にしたら
あったことも忘れられる?
見なかったふりをして
....
鳥は散り
鳥は集い
陽はふいに翳り
道は 光の水たまり
淡い土の熱
影のまばたき
鳥はまた散り
一羽一羽 空になり
夢の音を聴く
外に重なる
覚めつづけ 覚 ....
分かたれし
絆
寄り合わせども
戻らず
それぞれの糸巡り会いて
結びつきては
縁となる
船着場でピアノを弾く
白い鍵盤しか習ったことがないので
黒い鍵盤に触れないように
注意深く弾いてみる
低い生垣の向こうから
病院の人がこちらを見ている
目が合い会釈をしたけれど
何も返す ....
君が運んできた卵料理を食べながら
僕のそばに腰かけた君の瞳に見入る
夜の闇に車の音が消えてゆくなかで
なぜだか君の表情が変わっていくのがわかった
僕が卵料理をナイフで切り開いてゆくように
君 ....
風吹きて傾きやすき天の川おをむけのわれに星降り注ぎ
初夏の森蝶に誘われ入りにけり敵の数だけ花持ち帰る
おもてはどこですか
みぎは
ひだりは
うらがわは
問いかけるほど
しずかになるから
物言わずには
いられない
すぐにも
あしたは来るけれど
ちいさな点 ....
四角に切り取られた思い出
瞬間は永遠
時は留まる事を知らずに
永遠は色褪せたとしても
あの頃よりも素敵な笑顔で
どうかな?
きっと笑えてるよね
いつかどこかで
また ....
もはや自分で立っていることができない
もたれあいの波
惰性と汗と酒臭い息にまみれた
終電から開放されて
深夜の自転車置き場にたどり着いた
鉄道の高架下に広がる広大な空間
明け方ま ....
森の中の小さな家で僕は詩を書いて暮らしている
昼間は材木会社で働いていて 僕の住んでいる森の遠い場所で伐採をしている
暗闇が好きで蝋燭の炎だけを灯してパソコンに向かって詩を書いている
僕 ....
もう騒ぐな
骨が軋む
あんまり騒ぐと
骨が揺れる
白い粉
灰
骨の灰
僕らの末路
世界の欲望
騒ぎすぎ
ザワザワと
だから属するのさ
肉を獲るため
希望のふりして
絶望に向 ....
にこごりにりにり
にこごりにりにり
にこごりにりにり
包丁にりにり
にこごりにりにり
にこごりにりにり
前歯ににりにり
歯茎ににりにり
おいしいね
にこごりにりにり
生 ....
いったいここで私は何をしているんだろう
少し背伸びしてみては
押しつぶされて
流されて
そうしていつの間にか消えて
こんな思いをしてまで詰め込みたいものなど
この私にあるもんか
ここ ....
さよなら、あなた
夏服をありがとう
けちで、やさしい、太めのあなた
眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね
忘れ物をしてごめんなさいね
あなたの部屋から ....
あの村にはろくでなしだ
地底深くに妖怪の存在を隠した
穴だらけで前が見えないムジナの巣窟を進むと
回転寿司のおかげ様 回転の好きな神様
こんな歌が聞こえてくる
歌につられてふらふら行く
....
ボリュームに書き込み出来ません
それは眠る事さえ制限した作業が
淡々と始まる予兆に過ぎなかった
バックアップと復元と言う単純な作業を
待ち受ける時間にどれだけ時代が動いたのか
例えば ....
万里の長城の城壁を全て絵で埋める計画がある
という嘘を
昔、画家志望の少女に吹き込んだ
少女は膨大な時間を費やし
ありとあらゆる美術技法を身につけて
そんな嘘などすっかり忘れていた僕 ....
ほら ごらん
腕を組んで 笑ってる
虫が
木々が
人や
鳥が
一つの星の上で 暮らしてる
人生は "いつも一緒"じゃなくって
どんな時も
....
夜の海は感情を押し殺し
皮肉を投げかける
それを皮肉と気づかない
ゆるされたような
気持ちにさえなっている
やさしさと取り違えて
心を開け放した恋人たちは
無防備に抱き合う
今は何も知 ....
「反対の階段下で待っています」
あなたの胸に蝶々が降りる
右耳に雫が一つ落ちるから、ワインのコルクは赤く染まる
幸せを謳う詩ならどこまでも響くものだと信じてたけど
....
( 錆びた鉄筋を剥き出しにした、
崩れかけた支柱が夕映えの空へと伸びる )
すでに蝕まれたコンクリートの構造物に滲みる、声
絶間ない、呪いにも似たその響き )))
おそらく、何ら ....
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