朝焼けに乾く唇噛み締めて君を待つてる息が白ずむ
ごんどらの唄を聞きたし二十八歳の夜更けに乙女に還れり
小指だけ繋ぐ初しさもどかしさつたはるならば今すぐにでも
....
自我像を絵にして生きている
ゴッホの生まれたオランダ南部のズンデルトで豊かな自然に囲まれて
元々風景画を専門として描いていたが
信頼していた精神科医の女性が死んでから
精神医学を勉強 ....
の中で、
けたたましく太陽の
鳴る
音で、水は光で、
どこまで行ったって空で、
光で、
カンカンカンカン
の中で、
どこまでいったって水で、
吹き荒ぶ光
帆は
な ....
白鷺の羽音の通り過ぎるその、揺らぎ
一面の青葉、その遠くで駆ける声、という声
ここにきて姉は心から、静かに千切れてしまった
さあ行こう、にも飛ぶための脚は足りず
退こうにも継ぎ足す、言葉も無く ....
それはそれは
沢山の雨でした
降っては止み
降っては止み
忙しなく
時に
神様の道具として
人に嫌われ
行き場を無くし
時に
優しく ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう
雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
散歩して
野原で見つけたんだ
何か丸くて四角で三角で
何ともいえない奴
君ととも
一緒に生活して
何か嬉しく昨日と今日も
毎日が楽しくて
....
嵐のあと
夜の彼方から
天空の風が吹いている
その囁きは
時に優しく
時に激しく
空へと誘われるわたしは
まだもう少しだけ
地上にいさせてと
それとも夜に
吸い込まれたいと
そっと呟き
天空の ....
ぼくはサッカー部のヒーロー
試合で何度もハット-トリック
もうぼくなしでは試合には勝てない
まさに今
強豪チームと対戦が始まった
早くも味方からボールを渡される
まずはドリブルで前へ
....
ケトル・
薬缶をコンロの火にかけている
台所には西日がさしこんで
それは雲と雲のあいまに
ほんのわずかのすきまがあって
そこから覗いたもので
束の間ってやつ
台風は過ぎていったようで
....
良く頑張っているよね
そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする
お馬鹿さんだからなあ
そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
深過ぎて暗すぎる長いトンネルの中から
白いほど淡い黄色のぼやけた広がりを
遠くに感じる
井戸の底に落ちてしまった幼子が
恐怖と孤独で夜通し泣き果て
疲れて迎えた
まだ暗い夜明けのように ....
朝目覚め窓見てみれば
澄みきった青
白い雲 穏やかな空
吹き返す風の強さに耐えかねて
君を盾にし
突き進まんや
過ぎ去って
祇園祭は出来るよう
着物姿の男女が向かう
....
手に届く場所にあること。化石は青かった。この皿に、ワタシハ上ト下ヲカキワケテ。
新しい宗教が生まれる度、医学書に項目を加える夢。それでも、裂傷は点を結んで、形をととのえる。ノゾク。沓と傘を。
狩り ....
大型台風は
太平洋沿岸を次第に逸れて
中心の(目)を閉じていった
数年ぶりに
{ルビ小動=こゆるぎ}岬に立てば
鉛色の海に
幾重も立ち昇る
龍の白波
腰越港へと続く ....
何もすることないから
とりあえず弾き返して
君が歌う歌
それまるごと
ヘッドホンに納めるかのように
天井に雲を吊り下げて
くるくる回す
産まれた時から
そこには あって
触れた感触などないのに
そこには あって
ちいさな
それはそう
とてもちいさな
溢れているよ
と
言うか言わまい ....
落ちつきを宿した呼吸
数えた正午の鐘の音と
湿気を帯びた稀薄の風
降下する冷気は
伝いの過程を経て
火照った躰を解いていく
愛撫の度に開かれていく弁
濡れた声の果てで見た
熟しを待つ
....
狼のように
ばっくりと口を開き
世界中の悲しみを吸い込めたら
どんなに平和だろうか
夏の夜に
ふと気づくと手元にある
一枚の折り紙は
すやすやと寝息を立てて掌にす ....
濡れた緑で
夜空を見上げる
数秒後にこの星空が崩れてくるのを知っている
そんな目で
おまえは言う
なんて きれい
薄い唇は街の光を捉えて
俺はその前に沈黙して ....
朝ごはんの時間だね
なかよく食べてね
少し金魚っぽくなってきたね
大丈夫
もう、泣かないよって
叫んだあとの
雨の日
寂しがりな僕たちは
分からない雫を
溢す
隅っこが
好き、なんだよって
笑ったあとの
晴れの日
夢を見 ....
灰色がかった厚い雲に覆われた大空
ところどころ仄かに煌めく
その煌めき
たちまち稚魚となり
大空を泳いだ
稚魚
風に煽られつつも
しっかり雲に身を寄せ
必死で風の流れにのっている
....
地球がゆれる
人間をふりおとしたいんだって
たぶん
きみが火星にとんで
あたしが木星にとんで
フォルダみたいに
分かれていく
単体は寂しい
--
今日はまだ ....
雨が止んだ
そして他の誰よりも
最初に光を見たのは
ぼくだった
光は止まっていた
その光をくぐるようにして
白い蝶が飛んでいる
風も止まっている
雨が止んだ
閉じていたものが ....
うつくしい白を見た
白はすなわち無、というわけではなく
様々な存在を表現していた
やさしくあたたかな白を見た
白は世界をつつみこむかのような
やわらかな空気を生みだした
ゆるや ....
今 君の為に愛の詩を書いているよ
CHE.R.RYを聴きながらね
春の正午の風が暖かくてとても気持ち良いよ
実在しない君に詩を書いているのかもしれない
本当の「君」は想ってくれてい ....
あなたの歩んできた道こそが、
最短距離だったのだと思う
あなさびし、
って
三十回言うと
幸せになれるらしいよ
酷く輝いた瞳で言う君に
一抹の不安を抱えた僕は
言わなくていいよ
と
少年のように返した
別に言っても ....
極端に淀む視界の端に映った灰色ブラインド
希望の青 侵食されて
重くのしかかったそれ
全身で受け止めて
人間スクラップス
今日も頭痛が酷い
微かな音で始まった雨粒オーケス ....
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