春、
淡い緑で枝を覆う
そのあやうさ
風にそよぐ
そのかよわさ
夏、
日々緑を増して
青々と日陰を作る、その力強さ
ひと雨ごとに
たくましさを備え
秋、
見るたびに変化する、
その美しさ
人 ....
なだらかな曲線を描いて
時間が蛇行している
本当は
霧状のものなのに
浮揚している
空虚な意識を投げ込んで
思考は楕円形のひもの上を回り続け
輝きを薄めていく
....
新しい人が来たので
かじかんだ指を暖めていた子は
背中をまるめてそっと
席を立った
それは
あまりにも静かに行われたので
だれかが席を立ち
新しい人が座ったことに
だれも気づかなか ....
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった
冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
+ うららかな午後 +
体温が地熱と交わる午後に
ミントチョコをくわえるケダモノは
あたためたミルクを一口飲んで
青ざめた頬をバラ色にそめる
+ キラキラの夜 +
遠くのイ ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ
開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く
他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
{画像=071224181905.jpg}
夜道をぼくは、ぼくよりも前へ出ようとする
影の足を踏み付けながら、駆けるようにして
歩いて来た。街も木も灯も見ずに、ただ足元
ばかりを見詰めなが ....
もう大分寒くなってきたし、制服で夏服を着てる人は余り見かけなくなった。
あれだ。俺が言いたいのは、女の子の下着が透けることはなくなったということです。
ブラジャー、キャミソール(俺はキャミと略さな ....
思うところ
わたしにとって
手は、わたしの手
いつからか、この白い手が
小さいと知ったのは
知らなかった
やわらかな
ピンク色の
教えてくれた
血が通う
....
列車の窓が
長いネックレスのように煌き
横たわって走っている
街はもう影を落とさない夜更け
きみがほら、こころ震わす音楽を
あなたがほら、光り輝く宝箱を
見つけて、染めて、頬を ....
いつでもよみがえるし
いつでもそこにゆける
天体の運行は
まだ気象みたいに
崩れてないから
五年まえの金曜の夜
冬の星
こんな散らばり方してた
きみ ....
震える指先を
ポケットに滑り込ませたら
捨て損ねたレシートが
指の間で微かに笑った
不確かな足取りで
迷子のふりをしながら
逃げ損ねた枯葉を
靴の踵で踏みにじった
丸めた背 ....
成分分析:ともさんの96%はソレで出来ています
カテゴライズは確実にソコ
ヒント:題名はアルファベットの配列です
命は
星にならない
風にならない
命は消える
命は無になる
人は命を惜しむから
星になったと
風になったと
人は命を惜しむから
悔やんで、嘆いて
泣いて、泣 ....
林の向こうに星が落ちた
遊びつかれたカラスが
西の方へ飛んで行った
あたりはワイン色になって
夕闇に沈んだ
遠くで一匹犬が鳴いた
町に人影がなくなった
青白い三日月がひとつ
水銀灯の上 ....
だれに愛されるわけでもなく
だれを愛するわけでもない
あなたはあなたのままでいて
わたしはわたしのままでいる
独り歩くということの
ゆき場も見えぬ哀しみの
....
くるくる剥いた林檎の皮が
包丁持つ手にぐるぐる巻きついて
気分はまるで蛇使い
蛇の色の鮮やかさに恍惚
とする自分にエクスタシー
赤い風船 くもり空に飛ばして
太陽みたいだね、って
指 ....
秋鮭って捨てるところ無いんだよね
骨や皮まで美味しくいただけるし
そんなこと話してみたら
「人生だって同じだよ」
あなたは秋鮭のルイベを美味しそうに頬張った
だと良いけどね
な ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って
失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
書くことが多すぎて彼女は手帳を黒く塗り潰してしまっている。目の前で起きていることを記さなければならないという気持ちに突き動かされて、あるがままをあるがままに写し取ろうとし過ぎている。対象に目を奪 ....
まるで夜空のような人だと思った。
それも、秘めやかな曇り空のような。
隠された月や星を私が見ることは叶わないから
まだ酔っていられる
そんな浅はかな思いで。
こんなみじめな ....
寂 に おりとう ござんす と
ざわめく うちを
なだめ なだめし
よるの くる
とはいえ
とどまる ことしれず
きょうかいせ ....
それは
雲を
赤く、金色に染めながら
前触れを知らす
新しい太陽
まだ
透明な
赤い輝き
上るにつれ
存在感が
消えていく
当たり前のように
太陽の恵みを
享受する1日
でも
今は
赤い宝石 ....
詩を読んでいるとたまに
良いことがある
不意打ちでイった時みたい
前戯は必要だけど
前触れはできれば欲しくない
あの頃聴いていた曲は
なんだったろう
思い出しかけただけで
胸が ....
さびしいなら
なでてあげましょう
つらいなら
だきしめましょう
ふきげんなら
そっとしてといて
きげんがよくなるのを
まちましょう
きみの「しっぽ」は、いちにちじゅう
....
蒼い空に
願いを請うるよ
届くことのない灯りは何時か
忘れていたのは
あの日の紅い微笑
さあ瞳閉じて
奮い起こせ
今瞼に映りついた
奥に眠る月光華
ひらり墜ち ....
何億光年もむこうのほうの
小さな星がたたく鍵盤の
黒いところに光が集まって
猫みたいな声をあげて
女の子がひとり生まれる
ちいさなはこに落っこちた
なつかしい湖の色 ....
第一楽章
ホ長調の音符引き連れた春が
草原に咲く
いつか播いた喜び
これから花開く出会い
朝靄去って
ピアノに向かっている君
....
*AM4:00
朝が早い
青い鳥は見付からなかった
いつもそうだった
*AM3:00
戸締まりの仕方が分からない
声だけが湖になる
....
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