犀川の
芝生の土手に腰を下ろし
静かな流れをみつめていた
午後の日のきらめく水面には
空気が入ってふくらんだ
ビニール袋が浮いていた
近くで
ぴちゃりと魚が
跳ね ....
ちぎられたもの
砕かれたもの
ひとつひとつに触れる指が
それらの色に染まりゆくさま
色のないもうひとつの指に触れ
血のにじむまま触れ
あたためるさま
染まりゆくさま
....
疲れてるけど可愛い妻よわが鳩よ福井の海の一夏の日に
わが心じっと離れぬこの家に妻よいつまでもいつまでも
きみがため歌を書く机のうえに花の写真と僕のなみだと
#6
屋根裏の姫
廃屋となった古い旅館を安価で買取り、なにやら得をしたような気分で引越しをした。築100年の余を越え、廊下の椋の板も黒ずみ真ん中がへこむ。梁や柱の材も曲 ....
#2
雨の魚
雨に濡れながら歩いていると
死んだ魚の匂いが漂ってくることがある
湿った空気が ねっとりとまつわりつき
地球が水の星だったことを思い出す
そんな時、あたし ....
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで
夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
風ノ葉
こころには
埋まることなきすき間あり
葉の揺る茶屋に
独り佇む
椀
{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ
底のまるみに
....
この感度で
気絶するなんて嘘だろ
水浸しになったまま
君は
魚のような眼をして
石と石のあいだから
顔をあげた
触れられるとこんなにも
壊れやすい ここ ....
どんなに離ればなれでも
聞こえる歌声の持ち主は
当の昔に死んでいて
時空を超える
音速と俊敏な現代の足音は
遠く光る電球を割ると
出てきた虫達にこんにちわ
と ....
静かな風の吹く中
揺れる想いは遠く渡り
遥か彼方
白い翼 悠々とはためかせて
消えていった
すべてを投げ捨てた
勇気がなかったんだ
持ち続けることなんて
辛いだけだと うそぶいた自 ....
巨大な波が船を覆い被さって船員達は一気に目が覚めた
ギラギラと照りつける太陽が眩しい
船底が水浸しだ
片足の無い船長に怒鳴りつけられ 船員達は踊る強靱な肉体を動かして水捌けをする
....
今日はMr.Childrenの唄です。
久しぶりに聴いて、ため息が出るほどほれ込んでしまいました。
歌詞の素朴な象徴性も、穏やかで心地よい旋律も、全部好きです。
{引用=
人生をフルコース ....
同期の桜が散ったから、夏
些細な変化は時計によく似ている
受付の女の子は
朝からずっと
体温計を口に咥えたまま
お客さまの顔を忘れ続けている
(ところで、その娘の名前が思い出せない)
喫 ....
陽も明瞭さにかけた頃
ドアの向こうに
霞んだ香水のにおいがあった
机の上の花が ――1輪の花が目に入った
ヒナギクの花
部屋の明かりは消えているのに
なぜか
....
お家へ帰ろう。
きっと、この夜空より明るいよ。
お家へ帰ろう。
きっと、そのコーヒーよりあたたかいよ。
お家へ帰ろう。
朝日が昇るまえに、帰ろう。
お家へ帰ろう。
....
この野辺に立って
空を 見送るばかり
風の吹く 五月
この水辺に座り
陽は高く
光は 水面に
金色銀色に
静まりかえるばかり
水 ゆるやかに
五月
骨は 眠らないのだけれど
眠っているということにしたい
わたしたち
その上には
幼いころからなじみの
山でも いっとう大きな木
幼いころからなじみの
いつもきつく吹く風が
今も ....
愛の向こう側へ逝ってしまった、アナタ
夢見ることも未来を語ることも無く
過去の想いが昇華した姿でワタシを抱きしめようとする、アナタ
喪ってしまったものの大きさにも気づかずに
欲 ....
ジョセフィン博士の勧めで
手紙で紹介された
アパルトマンに引っ越すことにした
もう親離れしなければと
0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵たち
ここは芸術を育てる部屋
変わ ....
汽車の終点にて
夜道をゆく
同郷の者は足が早く
陰影が消える
この街路に
カラオケなど一軒もなく
酒を買い
憂いを消して
やがて畦道となり
ワンカップの瓶が転がる
春風が吹 ....
水をいれた空に
星で満たされた大地
ボクはキミと歩き
そして
一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う
夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る ....
背の高いあの人の言葉は
いつだってやさしく降り注いだ
まるで霧雨みたいに
やさしく私を包み込んでいた
けれど滲んだ愛情は 蒸発してしまったんだ
今はもうあの人の言葉は
水溜りの上に浮か ....
蟻が空を見上げてる
土の上から
体よりもずっと小さい目で
大きな空を見上げてる
いつもは下を向いて
せっせと動いているけれど
まぶしい光が呼んだのだろうか
蟻は立ち止まり
空を見つめて ....
嬉しそーな顔しちゃってさあ
しょうゆチキンとかさあ
どーでもいいからさあ
僕がそんなことで
喜ぶわけないのもわからんのですか
なに、いまさら
いい父親ぶってるのですか
なに、 ....
都心の夜空にそびえ立つ
遥かなるバベル
地中から湧上る人々が
巡礼のように押し寄せ 群れる
その明かりの下には
塔を創った人間とはなんの関係もない人々が集う
現代のバベルに灯る光 ....
生まれてしばらく麓で過ごし
それから春の谷をひたすら駆け上り
今やっと夏の頂上に辿り着いた
その先はゆるくどこまでも続く秋の尾根
私は行く先を眺めながら休憩している
さっきからこちらをじっと ....
いろんな人生のベストセレクション
そんなものを読みとばすみたいに
生きてゆけないのが感情なんだよね
化学工場の煙突からは
ちいさな火があがっていた
夜の宙空をちろちろ ....
何ひとつ
うまくいかない
そんな日常の中に
見つけたもの
探して探して
暗い夜道をひとり
歩いて歩いて
やっと
出会えた
君との日々を
宝物にしたいから
....
『おはよう』と
交わす言葉に
込み上げる
今日の愛しさ
噛み締め生きる
『また明日』
あると信じて
別れてく
沸き上がりくる
寂しさ隠し
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