人生は刹那の繋ぎ合わせ
時間はただ
平等に人々に与えられ
平等に消えてゆく
刹那の時間に変わる世界を
瞬きすらも惜しみながら
隣り合わせた花の開花を
運命と名付けて
見逃さないでい ....
生きる辛さを痛感した事はあるかい?
もし、あるのならば、
あなたはいい人生を送っているのだろう。
サチ子先生は
理科室でメダカを飼っている
先生の白くて細い指が水槽に触れると
メダカは狂喜して泳ぐ
メダカは十六ぴきいる
一ぴきずつに名前をつけたいの
クラスのみんなの
と先生は ....
いつか見た大きな虹
空に架かった大きな橋
24色の色鉛筆じゃ描けない事
あの日はじめて知ったの
ねぇ あなたは知ってた?
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかっ ....
夕暮れの音楽室で
ピアノを弾いた
平穏で無難な和音
誰がつくりあげるとしても
たとえばそれが夕暮れのサイレンだとしても
F#はF#にかわりはなくて
壁からみおろしている楽聖だって
....
弱いものいじめ
しようと
手ぐすね引いてる人たち
たくさんいる
やっと咲いた花を
夜中にこっそり
折り取って
持って行ってしまったり
耳元で突然
大きな声出して
大喜びしたり
最 ....
詩と、
そうじゃないものの狭間
そんな世界に僕はいる
この言葉が
ただのガラクタでも
僕は呑み込むことを許さない
命、
そう命
そんなものに似ている
かけがえのないもの
君 ....
その日は限りなく純白で
限りなく静寂だった
まるで雪が色と音を吸いとってしまったかのように
真っ白な空から降ってくる真っ白な雪は
やっぱり真っ白な白砂糖のようで
白い湯気をたてる ....
先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが
質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの ....
六月の薄い胸に
雲の痣が白く浮かび上がる
体育座りの女の子の膝のような
山々は
深緑にけぶる
出発するはずの電車は
死んでしまったかのように動かない
信号機はうなだれ
....
小学生くらいの
子供の
こころが透けてみえたら
大人はいうだろう、
ばかだな、
そんなどうでもよいことで、なにを、悩んでいるんだ、と。
ふりかかるひとつひとつを
わざわざ両手をひろげ ....
彼の人にアスパラガスの花束を
込めた思いは宣戦布告
風露草贈りし君から翁草
勝負終われば裏切りし君
勝利した君の頭に月桂樹
手には僕からその花束を
背中に刻んだ十字架を
背負って歩くいばら道
力の限り握り締め
噴出す血さえ
気にせずに
陽光ははるか彼方にあるものと
自信に満ちて進むけど
神は見えない手を差 ....
さらば
私の中の少女
セーラー服を盾に
無邪気を剣に
守られながら叫ぶ時はとうに過ぎ去った
いまや盾も剣も自分の心と体でしかないのだ
さらば
私の中の初夏の風
爽や ....
空気、それは砕け散る、そして、その終わりに、永久に考え続けた真実と、今はいない人の精神が見た現実が、愛される夜と、望まれた時間すらも、その向こう側へ去ってしまう、
私は壊れる空気の破片の幻想 ....
なぜだい?
なぜ、そんなにつっぱているんだい?
空が落ちてきて、あなたの母親は尽きぬ病に倒れ、若き日を苦労に染めた
おまえを強く育てたよ
おまえを強く育てたよ、おまえの ....
渓流の音を引きながら
潅木の尾根へ向かう
苔むした倒木
ぬめり しめり
厳しく鳴く 色とりどりの小鳥
影 押し寄せる
山の霊気
汗 額を伝い
心拍はあがる
狂気のよう ....
昨日、おまえを抱きすぎて、魂まで擦り切れちまった
液体が混ざり合おうが混ざるまいが、俺には関係ない
昨日、代々木公園で確かに殺人があった
午前3時、音楽をかけたDJはゆっ ....
恋の道 照らすかのよう 月明かり ためいきさえも いと柔らかに
道すがら 出会った二人 ときめいて この一瞬が 永遠にと願ふ
優しかれ 涙はすべてを 許します 闇に小さく きらりと ....
(日本は夜でも宇宙から見るとはっきりその形がわかる)
なんて思いながら
トイレに行く
その廊下で
隣から
義理の叔父と叔母の
喧嘩の音がする
わたしは舅のことを想う
嫁いで二年目
....
しとしとと 雨のリズムは 跳ねるよに 色とりどりに 開く傘花
窓辺にて 紫陽花の夢 つらつらと 君が眠った 横顔を見る
愛してる も一度言って その言葉 濡れた路上に 虹が映った
....
おそらく男の多くが女の下着姿には興味がある。それが行きすぎて犯罪に手を染める人もいるほど。盗撮、下着泥棒などなど。罪を犯す人は典型的だけれど、男の多くが相手の女の事情をあまり知らない。私も含めて。
....
娘の胸が次第にふくらんでいくのを
心ひそかに嬉しく思っていた。
と、母が告白する
だけど、ついには大きくならなくて
ちょっとがっかり。
などと、母め
シャツのボタンを上から順に
はず ....
外から帰ると乳房がつめたい
それは脂肪のかたまりだからだ
血の通わない、けれども
ゆたかに潤し育むことができるふくらみ
「脂肪のかたまり」と呼ばれた女は
蔑まれながら
馬車のなかで飢え ....
(ミルクティを飲まなきゃいけないの
(ミルクティ、ある?
(歯を磨いたんだから、もう寝なさい
最近、きみは早く寝てしまうから
赤いランドセルの留金をひらいて
見てしまったんだ
....
「早朝の電話なんてろくでもない」
そんな吐き捨てるように言わないで
とかげのしっぽみたいに
自己再生機能があればいいのに
そうすればきっと彼女だって蘇生されるはずよ
私の ....
ジョセフィンのすすめで
アパルトマンに引っ越す
もう親離れしなければと
0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵
ここは芸術を育てる部屋
変わり者がそろっている
特に私が気 ....
夜空から眠りながら流れ込んできた闇が目を覚まして何処かへ消え去ろうとする頃 夜明けがやって来る
生き物達は眠りから目を覚まし体を伸ばして1日の到来を冷たくなった皮膚や外殻に感じる
僕は今夜も ....
2007/06/07
困るんです
困るのです
困ります
困る
○
こら!
逃げるな!
逃げてはいかん
逃げては困ります
にげてはいけま ....
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