コンタクトレンズをしようと思って目の中に入れようとしたらそれはテントウムシだった 足を縮めてまるで本物のコンタクトレンズのように見える
僕はきゃっ と驚いてテントウムシを落としそうになった 僕は ....
流れてくる音楽を
つかまえようとして
つかまえられないのは
あなたがそれを
自分ひとりのものに
しようとしているから
かもしれない
つかまえるのではなく
ただ両手を頭 ....
2007/04/19
集団面接で気力体力此処の街が好きですと言ってのける街灯の下には
おびただしい数の虫の死骸や吸い殻やガムや蹲った人たちの影が黒く
....
きみが笑った
きれいだった
春だった
桜がさいていた
ひとがたくさんいた
きみが笑った
目がきれいだった
美しい弓をえがいて
きみの目が笑った
春だった
時がもつれていた
もつれ ....
ぬくもりだけを信じると
深呼吸できない、抱擁
信じて強くなれる
糸電話の決意
遠くでも近くでもない場所から
わざと小声でささやく
から、やさしい距離
保ち続けて
メールのない夜 ....
賛成多数で
人として当たり前のことが
ぼやけてく
白い手袋を振るみなさん
頑張ってください
昨日までの
仏頂面のほうが
嘘がなくて微笑ましかったです
手袋はとってくださ ....
あの電車に乗ってゆけば
雲を見ることができる
今はまだ春だから
風の歌はきっとやさしいだろう
あの電車に乗ってゆけば
海を見ることができる
今はまだ春だから
波の音はきっとおとなしい ....
弔いの言葉が捌かれて
彼らはそれを咀嚼する
通約された痛みの淵に
紫紺の{ルビ輪=ループ}を描きながら
桜は
自らの闇に向かって落下する
....
{ルビ四八=しはち}、三拾余の
せかいが破裂音と共にきえた
{ルビ乱擾=らんじょう}のあかつき
辻斬り紛いの刃はこぼれ
鎧の傷口を匂う、
おぼろな自死
新聞ではバグ ....
茶封筒、
領収書の山、
切手、
広告付きボールペン、
CD‐R、
ホッチキス、
印鑑、
メモ帳、
単三電池(充電タイプ)、
しがぎんの普通預金通帳 ....
http://www.youtube.com/watch?v=NllPZ5_Tw40
*
会話であったはずの
数千年は
次の朝には
朽ち果てていた
....
遠い日の母の実家の飾り棚
なだらかな曲線で凛と立つ
重く押し黙る青磁の器
威厳と寛容をたもちながら
静かなまなざしを光らせていた
つるりとした青い光沢
ひん ....
海馬のメリーゴーランド
データの海に釣り糸を垂らす
おかしいな真空パックしたルビーの宝石が
砂時計に酸化してガラクタになっちゃった
る・い・し・て・あ。
書き溜めた日記が台無し ....
そうやってかくすから
くしゃみがでそうになるんだよ
みせたっていいじゃない
たまには、さ
畳の部屋に座る祖母が
親父と叔母を目の前に座らせ
「もしも私が世を去った後も
互いに仲良くしなさい 」
と静かに語っていた頃
仕事帰りで疲れたぼくは
霧雨の降 ....
ええさんに
てがみをかきました
うつくしいじで
てがみをかきました
きゅうじょうは
なんじょうになるのですかと
かきました
じゅうじょうですか
に ....
四十年戦いとりしクリスチャンわが人生の武士の一分
絵教室妻よろこばすためにとぞ蜜柑の絵をば描きにかきけり
今日の日はビールを2本呑みたりき絵に勢いをつくるため
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
私、斉藤と申します。
歳は53、妻と娘と息子あり。
最近、夢を見ることが多くなった。
えらく現実味がある夢だ。
幼稚園生の「主」のポケットに入って
礼儀を教えている俺。
子供はよく ....
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
....
農夫だった祖父は
ある日
自分の土地に
油田があることを見つけ
大金持ちになった
父は働く必要がなくなり
暇さえあれば
世界を飛び回り
グローバル
という言葉が口癖になった
世 ....
愛されたあの日
愛したあの日
月が満ち
海の中
海の泡となった。
そして星となった。
本気で愛していた。
くしゃみをした。
泣いた泣き明かした。
星座をたどって
元来た場所 ....
公園のすべり台の上誇らしいゲキレンジャーの変身ポーズ
暮れ泥む日に追われるよに帰りゆく子の足止める木いちごの花
憂鬱と言われるけれども私は好き窓わくを打つ甘いメロディ
ど ....
表現作品は
遠征した結果の戦場なのだから
葛藤を宙に浮かしたまま ぶっ殺しておけ
表現作品が
作者にとっての安らかな居場所になってはいけない
そうは思わないか おのれ ぶっ殺しておけ
....
ざわめいている
てと
てあしと
あしと
ならんでいる
そして
すこし
おしかえし
ている
ひとは
よなかに
やさしく
しんどうする
ざわめきを
すみずみまでつた ....
ねえ、
昨日の夜は何してた?
私は眠れなくて星を見ていたわ
あの星は、あなただと決めて
一番明るくて、まっすぐ私を見ていた
あなたの星はキラキラしてて
すっごくキレイで
私は悲し ....
今日は入浴剤のかわりに
思い出を溶かしてみることにした
みるみるうちに水が染まっていくが
どうもうまく混ざらない
思い出にも種類があったらしい
やわらかなパステルカラーとかたいモノクロ
....
ふと
見上げると
ゲル状になった空気と
鉛になりそうな空と
にらめっこになった
僕は向こうの
ビールの看板を見たいのだけれど
そういう訳には
いかないらしい
....
第一印象。
「あああああ!。
やっぱりあの時思った通りのヤツだった!。
あんたってさいてー。
もうあんたと口きかない。
あっちいってよ。
....
地球に降り立った天使は
神様に間違われ
みんなにちやほやされて
子どもたちの教科書に載ったりもして
毎日毎日良い気分
ある日真っ黒なカラスに乗って
悪魔がやってきた
....
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