コンクリートは無情に私をはばむ。
少しくらいどけてくれたっていいじゃない。
でないと前へすすめない。
....
父の死後 葬式が終わった次の日から
働きに出た私を 奇異の目で見る人もいた
供養が足りないと 言う
しかし 私は働きにでて良かったと思う
泣いてもわめいてもどうにもならないのだ
日常を取 ....
爪先で弾く夏
くちびるに影法師
背中のロンド
ラムネ壜に閉じ込めて
水の匂いのする靴音
いいえ あなたの声色
雲間に擬態する日だまり
いいえ あなたの胸元
飛び跳ねた水の中 ....
ダミ声が響き疎らな拍手が起こる
ここはカラオケ酒場 僕の安っぽい人生だ 磨り減った歌詞を磨り減った人間が歌う
僕にはお似合いの場所 ここも例に洩れず高齢化が進んでいるが
今の老人はまあ元気だ ....
謙虚の柵の向こうに 黒い太陽を浴びた枯葉が闇を止める そのままに
謙虚過ぎる君 君は柵を越えて 何を美徳と履き違えたんだい
俺は謙虚を持たず生まれてきた
母親のせい
父親のせい
誰の何 ....
サラッとしたワインの水感に そんなつもりでは無かったのだが 安いからなと独り言
一粒一粒 ていねいに
大地の祝福を受けた 柔らかな皮膚の中に有る夢を取り出す
ゆめ
お酒飲む夢…見て ....
海の縞模様が 砂の城に 住んでいます。
幸いなことに 泣き方をしらないのです。
今も絶え間無く砂が この街に注がれ続け
この部屋の容積も 埋められて います。
元居た場所を け ....
静かな墓標に、白い午後を過ごす日。
紋黄蝶の舞う向こうを眺める。音も立てず、声も出さず。
心の時計が動き始める。
朝露のしらべにのせて、運ばれてくる。
たった今、生まれたばかりの言葉。香り。
記憶の内を探ってみても、何も見えない。
予感・・・ひらひら風に舞う。そっと手を伸ばす。
僕とオートバイの夏
焼け付くアスファルト 微かな白煙とオイルの匂い それが僕の青春だった
見上げた空には星が無く ただどんよりと地上の光を映していた
アクセルを開けると世界がスリッ ....
遠い日々の想い出は
端からゆるやかに欠け落ちて
ときめきや痛みばかりが
消え残る
懐かしい山々の稜線は
暗く沈殿していく記憶の底で
鮮やかな結晶となって
溶け残る
彼方を眺 ....
何時の頃からか詩が化けている
病身の助けになればと書いてみた
介護詩は気味の悪い怪語詩に
看護詩はよく解らない漢語詩に
理学療法詩はまさかの自爆消防詩だ
イガ栗養蜂詩になりたいと打 ....
謙虚な君 主張する自己を脇に置き
傾ける耳の側に 妖精を瞬きと共に見る
乾燥した晴れの海に沿う アスファルトの道で謙虚な君を初めて合致する出逢いをした
私は私を主張する自己を真ん ....
寄せ集める
時間を
自然を
法則を
さざれ石
意外を
自然を
法則を
寄せ集める
苔のむすまで
緑におおわれるまで
森のうえから
さざれ石
山のうえから
緑におおわれるま ....
静かに腰を下ろす 吐息のような暖かい風
風使いは風伯の子供
神に習い 風を吹かす 意味を込めた透明のキャンパスに釘を打つ阿吽
日差しを素直に浴びた 褪せたカーテンは
風使いの遊戯相 ....
やまびこの遠く澄み渡るを聴く。この連嶺の偉大さよ。
夏にいまだ白く残る雪を携えて、今、この世界に君臨する。
比類なき荘厳。重厚な交響楽。
私はただその頂にて感嘆し、言葉を失う。
母なる ....
今、私の見ている夜空をあなたもきっと見ているでしょう。
それはなんと素敵な事なのでしょう。
遥かな時を超えて今輝きを放っているこの星々は、
私とあなたの魂の結びつきを担っているのです。
....
嫌われたい人にきちんと嫌われたい 不毛な延長を断つ一言
憧れを憧れのまま凍らせた世界が 刻む 時を 聞く
敵は敵らしくせよと言いたげな君 不在者に向けた呪詛が膨らむ
....
まくらを抱えてすみっこへ
あざだらけの脳みそを抱きこんで
痛む歯を舌で舐めている
でもあたしは愛されている
覚えていないくらいむかし
あたしはだれかにキスされたから
歯が全部溶けて ....
まっピンクゴール裏
アジアチャンピオンズリーグ決勝トーナメント一回戦一発勝負
ダービーの息はずっと過呼吸
おぉ バモス セレッソ
セレッソ セレッソ バモス セレッソ
おっおっお ....
あの現代詩は
約250年前から高い品質と
こだわりの発想で愛されている現代詩です。
改稿を重ね磨き抜かれた言葉と強めの毒で
すっきりとした爽快な読後を味わえます。
この現代詩は
こんが ....
忘れ去られた庭に
突き刺さる太陽の痛み
去年の夏のひまわりのお墓
誰に知られることもなく
なつかしい小鳥たちも
黒い森へと帰っていった
この庭を愛した人も
閉ざされた扉の向こうに眠る
夜遠くひかりばかりを掴む夢みてさめざめと淹れるコーヒー
さよならは生涯一度の挨拶ですまだ言ってませんまたねだけです
きょうよりもあしたと思い灯り消し遠くで誰か生きている音
見ていない ....
存在の肉
肉
身体に備わった物質
肉には
心地よいか
心地悪いか、の
世界がある
肉は
その肉を保つために
食事を必要とする
肉は
欲望をまとい
裸を欲する
....
ここに
コンクリートの破片がある
砂と水を固めて
作られた人工の石たち
人が集う会館になり
公園の遊具になり
学校の名を刻む門となり
新しい道となり
駅となり
小さな島に架かる橋 ....
傷つく準備
傷つかない準備
私は傷つく準備のほうをとる
一人では生きてゆけないから
なんども分かったことだから
傷つく準備のほうをとるのだ
傷つく準備
傷つか ....
台風の目の中で
りんごの皮をむく
なすがままに
つらつらと
*
わたしの水筒は
風邪をこじらせて
夏がくる前に
しんでしまった
(ヒマワリのたねを四粒入れて
からからと振ってやる)
からん
からん
からん
からん
(あっけないほどのあ ....
曲線がマーブルに沿って腕を放り投げるように
湾を描く 描く
何色をもカウントし訓え 重ね叶える 想いの色才の芽生え 生き
生まれながらの 棘のない 美しい美しい 香りに伝う
光を身ごも ....
雷師の不完全燃焼の稲妻にさえ 鳥肌が立ち 怯える
五大四季の一つに 終わりを打つ 生温い稲妻の出し切らない感情
雷師の感情は こんなものではないと 滑稽な想いを抱く
雷師の心を久しく感じられ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639