ただ静かに穏やかに
普通に生きていたかった
幼い頃の僕は甘えん坊で
思いやりに溢れていた
それを無理矢理に
ねじ曲げたのは誰だ?
人をわざわざ怒らせて
恐 ....
新宿駅からの
都庁を目指す道は
緑の多い道
街路樹や植え込みが多い
道沿いのビルにもツツジや何か
ビルの中には流れや滝もある
道の突き当たりは
新宿中央公園
こんもりと盛り上がる緑 ....
とりあえず一服させてくれないか?
仕事は仕事でちゃんとやるからさ
昨日のメールも今日中に返すから
とりあえず一服させてくれないか?
喫煙所はこの先しばらく無いから
あなたの嫌いな煙を風下 ....
“三歩下がって付いてゆきます”
いつだって女は
そう思っているの
紅差し指に光る
永遠の絆
永遠なんて
そんな簡単に掴めるものじゃない
わかっている
わかっているから
....
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい
この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人 ....
ちいさなころの わたしは いじめられっこ
クラス中の男の子が 「ばいきん」ってよぶ
先生まで ばいきんあつかい
先生も いじめっこ
わたしのかいた 詩も
わたしのかいた 小説も
私の ....
指絡め柔ぬるい舌食んでいる今この時を吸い尽くさんと
北の北の大みそか
美香子はおこたでうす茶色の玉ねぎ一つ見つめてた
小さなめんこい玉ねぎを
電気きれた ガスもとまった お水もとまった
おさいふには一円玉が2つだけ 石油を買いにいけない ....
朝の
アスファルトの冷たさの上に
巣から落ちた小鳥が震えている
拾い上げて
掌の中で
戸惑う様を見つめる
鳥が
一羽の鳥が
号泣しながら
地平線の向こうに飛んでゆく
....
ー盲目ー
まだ陽の上らぬ未明の朝
風紋が鮮やかに浮き出る灰色の砂丘を
暁の月へとむかう 黒烏
凄絶な月の海に至る道は
煌々と白い光に照らされて
泥だらけの足で踏みこんで ....
緑色いっそう深まり空曇りスズメさえずる朝の机に
わずかなる胸の痛みと音楽の耳にいりくる今朝の心に
マンネリか歌に心はずまずに昔作りし懐かしき歌
陽は上り妻の植えにしかわゆ ....
泣くのはやめてよ
飽きてくるから
笑うのはやめてよ
殺したくなるから
殴るのはやめてよ
愛おしくなるから
痛がるのはやめてよ
羨ましくなるから
甘えるのはやめてよ
哀 ....
抱きしめたもの
全部ひっくるめて
冷蔵便で送るよ
君にとってはもう
要らないものばかり
かもしれない
{引用=fromAB}
カーテンと
鉄骨の隙間から覗いた
スカートを捲る
そこに、秘密はない
白く染まった床と
天井の間で眠る
ストッキングを破る
そこにも、秘密は見当たらない
ステンレスの ....
あのとき雪を頂いていた山はもう
緑もずいぶんと深くなって
あのとき枯れ草を敷き詰めたようだった田はもう
水が張られて田植えの準備が整い
あのときどんよりと重く垂れ込めていた空は ....
2007/06/05
かりんとうを
長万部で買う
駅の待合室には
仕事にあぶれた人たちが
冷えた弁当をストーブに載せて
暖めている
ヤカンから湯気が出てい ....
君の囁く何気ない日常だけが
僕を取り巻く全てだというのなら
どれほど幸せだろうか
名前しか知らない飼い猫の話だったり
妹との他愛ない喧嘩の愚痴だったり
二人交わす冗談っぽいキスだったり
お ....
ヤバイ、
ap bank なんて
やってる場合じゃなくなった
青い部屋のバイオリン
天井に浮かぶ
水あめのプール
眠い青い部屋 グルグルと回る
足が暖かい
耳が暖かい
トロトロと眠い午後の部屋
心臓が遅くなる
時計が遅くなる ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
「宇宙」と書いて「ソラ」と読む
自称詩人の始まりだとしたら
私は間違いなく
それにあたると思うんです
「本気」と書いて「マジ」と読むとは
ちょっと違うのです
....
耳元の蚊の羽音でいちいち目を覚ますのは
ぶっ潰してやる!って情熱だけじゃなくて
お前の電話を待ってるからなんだけどなあ
黄色い、アジサイが咲いている。
黄色いアジサイは、
ホントは泣いているのだ。
土が汚くて、水が汚くて、と
泣いているのだ。
私はそれを哀れに思ったけれど、
あちらこちらに黄色いアジサイが咲 ....
誰に気づかれることもなく
蟻が風呂の排水溝に吸い込まれていった
死んでしまったかと思われた蟻は
翌日水道の蛇口から金魚になってあらわれた
金魚鉢でしばらく飼われた金魚はある日
誰に気づかれる ....
ひとり心に住むひとを
ひとり遊びに横たえて
想いのうちは哀れです
せわしく濡れて
しんと見つめる
とがるかなたに
吐息、はじける
ひとり心に住むひとを ....
きみの胸に掌をあてる
肌をあわせて
聞こえてくるもの
体温はいつも懐かしくて
ふたりはさいごの息を吐く
たましいが
どこかの宇宙の片隅で
ふれあう。
きみの胸に掌をあてる
肌 ....
別れの理由
十一ヶ月考えて
やっとわかったよ
本当に好きでいてくれたから
ずっと拒めずにいたんだね
無理させちゃってごめんね
気付かないふりして
甘えてばかりだったね
....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして
滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
彼は私にもう会えないといった
理由も聞かずに
いや
聞くことも出来ずに立ち尽す
彼が背を向けて
私はただその後ろ姿を見つめていた
それは昼下がりで
太陽が眩しくて
でも目を逸らすことが ....
山を見ろ
何かが聞こえてくるだろ
それが
ヤマトの歌だ
海を見ろ
何かが動いているだろ
それが
ヤマトの踊りだ
ヤマトは
自然という言葉を知らない
なぜならば
自然そのも ....
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