風強い毎日
桜吹雪のように舞う桃色
自転車で走りぬけ 感じる春
別れの朝はなんて適当で
あっさりマグカップなんか洗ってる
もう触らないでって言ったのに
角ばった手は真っ直ぐ頬に触れてた
寝不足な顔してる
あなたの眼はそう言っていて
心配そうな顔 ....
折れた枯れ枝に添ったまま
消えていく水時計を持つ土色の葉
陽射しを後にした地の床への風くぐり
通りの方から聴こえる小声
渓谷は乾き こぼれた石
切れた羽に 埋め込まれ
飛ぶ ....
心って
呼ばれてるものの大きさ
物差しで
図ってみたい
きっと、それは
頭の中にいるんだと思う
それなら
最高でも10センチくらい
頭蓋骨とか
神経とか
邪魔なもの取っ ....
月がね
切った爪みたいでね
汚れた爪
置かれてた
夜空に貼り付いた枝の隙間に
どこまで歩いても
消えなかった
もうどこにいけばいいのか
わからないはるが白すぎて
どこから ....
大胆不敵な夏に
まっかでアモーレな大輪の花を咲かす為に
春は薄紅色の風を巻き起こすのだろうか
季節はちょっとばかり懺悔の告白をする
春のそよ風にそそのかされて
一足早く終日のたり ....
夜明け前 高速バスは世界の果てを追いかける
霧に囲まれた箱庭の上
君の現れる街まで
冷たい風に転がる くしゃくしゃの新聞紙
大きな流れに 少しだけ 寄り添って
帳が降り 狭い階段を抜 ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの
グラデュエーション
今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる
北の国よ ....
合わせ鏡の無限につづく
午後の部屋に宝石ごと散らばる
湿った夜の匂いは 勢い、
女の前髪を固めるスプレー
そして酷くリアルな口紅の
仄かに苦い蝋の味。
――さて、早々と店にゆく
カウ ....
火 を見れば体の中でスパークする
光 と色と微かな音が変化し変化する
恐 れと喜びと懐かしさと新しさが
現 れて ....
石鹸は邪悪な念を持ち始めた
毎日のように汚いものに接しているうちに
その心が侵されてしまったのだ
穢れがなければ自分の存在はない
穢れとともに生きてゆくことに
生きがいをもつようになった
....
春風に 舞う
たんぽぽの 綿帽子
大空に向かう
綿帽子の旅
太陽に 銀色にみゆる
綿帽子
風にゆられ ふわふわと
海の みゆる あの
公園に 休もうか
芽が出て 蕾になり
黄色い 夢の花
....
夢見て追い掛けた
君の背中
夏雲
鮮やかに
生きた日々を照らすよ
僕等それぞれ
描いた未来を
確かめ合いながら
風を追い越そう
幻が永遠というなら
重ねた日々の
虚しさもきっと
空へ還るだろう
....
かつてここには。
かわなめしがすんでいたという。
やぼようのときだけあしばやに。
よそものたちがとおりすがり。
うすぎたないしゅうきょうとほこりにまみれたまち。
ごうごうとうなりをたて。 ....
どんよりとした午後
気だるくジャズを聴きながら
ふと コーヒー・ミル引く手を休めると
ポツポツと出窓を鳴らして合図する
気まぐれな訪問者がやってくる
いつのまにか
部屋にながれるジャム ....
カニバリストなあの娘はどうしているのかな?
僕のこと、「喰べたい」って言ってくれたあの娘。
はじめてそんなこと言われたよ、嬉しかったよお!
一瞬で大好きになっちゃった。
だって、かわいい女の娘 ....
ほら
今日もまた
隣のきれいなおねえさんが
税金を納めたよ
もう
モバイトしてワークしている
場合じゃないんじゃない
ほら
いつまでも
決心がつかないでいるから
きれいなおねえ ....
「 ミサイル 」
どこかの星の片隅から
ボタンひとつで
とびだ ....
真っすぐな目
真っすぐな思い
君の手
記憶
僕らは自由だ
限りなく
果てしなく
前略、わたしは元気です
{引用=
苦しい時に、苦しいと
つらい時に、つらいと
言えるあなたであったなら
わたしはあなたを愛しいと思っただろ ....
雨が降るので家の中にいる
猫は寝てばかりいる
雨が降らなくても寝ているが
雨が降るとよけいに寝てばかりいる
猫は役に立たないと思う
思うが
冷静に考えれば役に立っているのだろう
と思 ....
と君は
言いかけて
黙ってしまった
桜の花びらが散って
一枚が肩に落ちたんだね
手に取って真近に見たら
とても薄くて白くて ....
父さんライオンは
たらいみたいなあくびをして
目をつぶります
母さんライオンも
洗面器みたいなあくびをして
目をつぶります
チビちゃんライオンもやっぱり
コップみたいなあくびで
....
あんみつの
甘さにまけない
君恋し
みつに絡まる
いくばくの豆
たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
女の子にだってね ロマンはあるのよ
とっても恥ずかしいから 口にしないだけで
絶対に教えてなんかあげないわ
探せるものなら 探してみなさいな
見事 みつけられたら ご褒美あげる
貴方はい ....
ちくり
と痛む
その光景を
僕の二つの眼球は
とらえて
脳へと
送信した後
心という
厄介なものにまで
伝えてしまった
ものだから
また
ちくり
と痛んだ
そのとき
閉じ ....
へそ
るふりんくるりんえいぱっぱヒョイ
おへそが二つになっちゃったよ
おなかにへそ
あたまにつむじ
とりかえたら頭ハゲ
腹ギャランドゥ
プリン
プリンが稲妻に撃たれ ....
晴天の空間に
眩暈を誘いながら在る 誰
敷石の上に薄い影投げる日が
暮れる 薄刃の風が
私やお前を切るのだろう
誰 曝して満ちた
静か 冷えてゆく
夜か 息か
ゆきゆきて花びら落つ
されど
世はさむざむと語るも虚し
日差しさやかなることを願い
枝先に残るつぼみに
その時を問う
また一片の行方を見やれば
地を春色に染め
伏 ....
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