珍しく田舎から餅が届いたので。
食欲は無かったが食べないのも申し訳ないから。
焼餅にでもしようと箱から三つばかし取り出し。
オーブントースターに並べて焼いたみた。
すると餅の入ったダンボール箱 ....
ペーパー
{引用=
深い紙の淵におちて
死ぬのは こわい
あんまり、静かだから。}
指
{引用=
白い紙面に落ちた
指は何を思うのだろう
静かに目をつぶって
目をつぶって} ....
夢を見るのって
いいじゃない
醒めれば喉はカラカラに乾いていて
煙草の煙も上手く通らない
むせ返って出てくる痰も飲み込めない
カルキ臭い水道水が染み渡る不思議さ
絵コンテみたいに毎 ....
あったかいですね
こんな時は
ありがたくなります
きみの体温
きみの赤いいのち
手をこぶしにしてみたら
ちょっとだけ穴ができて
覗いたら
やっぱりきみは
笑ってました
こぶ ....
東京と東京のあいだは
やはり
びっしり東京だった
銀色のパチンコ玉で{ルビ犇=ひしめ}いていて
覗き込めば
ひとつ、ひとつ
{ルビ歪=ゆが}んだ顔を映す
冷たい光の反射に
じっと身 ....
もう今さら
言いたいことなんてないし
毎日
言いたいことばかりで
今は
それと同じ
「冷たい」なんて
言われたことがなかった
反論も
きっとできる
でも 自信がないのは
....
月がでているよ
青と夜の間にいるんだよ
赤は明日のじゅんび
巡るように運ぶじゅんび
「女の人生はまるで芝居だ」と云ふ貴方
貴方は分かったように云ふけれど
命を賭けた名演技
貴方に添うその女も
科白をなぞっているだけよ
乞い買われて
飼いならすかのような錯覚 ....
手すりのない屋上で
そらをとりもどす、わたしがいる
{ルビ限界線=ちへい}に浮かぶ遠い筋雲の
気流の音に耳をすます
わたしがいる
まぶたの裏に
真昼の月を新月と焼き付け
まぼろしではない ....
{引用=
伝えたいことがないけど帰らない 歌う自由が僕にあるから}
ギロチンが雨の代わりに降る夜に野外ライブは実施されない
陽の当たる時間短いこの国はかいわれ大根生えたス ....
農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった
生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
{引用=
音もなくオレンジ色に燃える雲
だれかぼくに
手紙をください}
檻の中には
消しゴムがひとつあった
動かなかった
夜行性
と書かれていた
夜まで待ちたい
君は言ったけれど
その前に
閉園時間になってしまった
帰り道、赤信号で止まった
右左よ ....
あぁ 去年は違ったよ
寒くてもじっと黙ってたよ
嫌でも眉すら動かさなかった
泣きたい時は風呂に入った
あぁ 確かに半年前はもっと
格好良かったよ僕は だって
カッコつけてたからね ....
アマガエル
葉っぱのソリでやってくる
ツチガエル
地面を掘ってやってくる
ウシガエル
ほろ酔い加減でやってくる
3匹 寄り合い
酒 交わし
明日も雨 ....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める
春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる
冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
悩みのない生き方は
悩まないことに悩む生き方で
その悩みはきっと
その人を弱くさせてゆく
常に満たされない現実が
次の課題と向かわせ
今日の努力が生まれ
たとえ失敗しても今度こそと
....
にぎってみな
ほら
もうだめだろ
そのタマネギ
切ったら泣くぜ
ぜったい泣くぜ
半分ぐらい
腐ってたって
ぜったい泣くから
まあ座って
二人で剥こう
そうして
....
待っていたわ
貴方とあたしは 今だけ 絆を持つ
期待してるの
もう我慢の限界 焦らさないで さぁ
薄い隙間から溢れだした 熟れた果実の香りは
あたしには何も感 ....
もふもふ もふもふ もふもふ
ふわふわ ふわふわ ふわふわ
ころころ ころころ ころころ
ねぇ〜 シロ〜
今日は何して遊ぼっか?
あなたの髪に触れるしずくは
花びらのように
キラキラと咲いて散っていく
あたしもそんなふうに綺麗に映ればいい
住み慣れたはずの町が
やけに他人行儀に感じた
折れた傘が
歩道の脇に ....
やわらかい
きみの手は
まだつらい
世界のこと
知らないの
たよりない
きみの手は
まだせまい
部屋のこと
知らないの
だから 守っ ....
ままならないのが人生劇場
その中でいろんなことを学びとる
自分の足で立ってない頃には
すべての刺激は自分を責めていたっけ
叔父に殴られ
母は青ざめ
父は妾をつくり
....
雨に打たれた紙が
ぼくをじっと見つめていた
何の紙なのかは
わからないけれど
何かを言いたい気持ちが
そこにはあった
雨に打たれた紙を
ぼくはそっと見守った
何のためなのかは
わ ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ
軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
白い海触崖の上
見渡す限りさえぎるもののない
広大な草原の真中にいて
両手を広げ
はたはたと
羽ばたく鳥のまねをしてみたり
帆のように風をはらみ
さらに白い空の彼方へと
消え入りたいと ....
あと二回満月に逢えば
わたし、ひとりと眠る
僅かに欠けた月を眺め
煩雑な世界に目を瞑り
生きて死ぬことだけを考えた
それからカァテンレェスを畳んで
大洋に堕ちる一滴の雨粒のように
短 ....
どんなに視力が良くても
目に映るのは水平線だけ
行き先を見失わないように
まっすぐ突き進んでいこう
あまりにも広大なこの世界で
頼りになるのは己の力だけ
そう言って颯爽と飛び去った
....
彼は詩人です
君の恋人である前に
無頼の詩人です
彼女は詩人です
ユーのハニーである前に
ベリーキュートな詩人です
彼も詩人です
....
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