帰郷
たけし

遠い遠い遠い造形
しなやかに湾曲しながら 沈んだ緑の空間を 静かに静かに生き生きと 近づいて来る近づいて来る

呼ばれ聳える一つの像

(記憶の堆積を貫いて、

常に不断に潜むモノ)

セピアの海から
浮かび上がる
巨大な翼
漆黒の輝き放ち
爛れ膨れたこの脳髄
突き裂き解き放ち
空に迸る鮮血浴びて
像は熱に燃え蕩け出す

(界と界の境界を

自由に飛翔し繋ぐモノ)

走る線、また走る線
斜めに垂直に水平に
水の色をたっぷり含み
交差する、衝突する
   閃光放ち
個我を剥き、輝き響く


溢れよ!
この界を界たらしめる聖なる力、真の理
人、独り独りの魂を
無限の大洋で充たす霊


自由詩 帰郷 Copyright たけし 2015-07-27 14:03:21
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