{引用=
一、星が生まれた日
少年が落としてしまう、
それは
あまりに
優しいもので
いつまでも思い出は
少女のかげをしています
....
梅の咲く 古都にうまれし 新しき珠
暇潰しに入った近所の小さな図書館で 私は自費出版で出したある詩人の詩集を見つけた
この詩人は名も世間に知れ渡っておらず 芽の出ないまま死んでしまったらしい
春の日溜まりの中で読む詩集は 輝い ....
俺はインターネットカフェでスカウトされた、
とにかく本格的なホームページを作りたいとのことで
W3Cの勧告に対して正しく記述したマークアップ言語の
謂わば真っ当な【ホームページ】を作れという
....
寝乱れて 残り香の 漂う
翌朝に 睡眠薬の 後遺症
やってくる あなたへの 依存症
ふあふあと 歩いては たどり着く
通勤の 満員電車 へばりつく
....
いつだってきみは笑いながらやってきて
灰色だらけのわたしのココロの
いちばん奥の奥底にある
ひみつのスイッチにふれていく
いともかんたんにふれていく
そして世界はきれいなみずいろに
満員電車の中のつり革を
片腕を伸ばしたまま
必死になって握り締め
このつり革は自分ものだと
態度で主張する
そんなわずかな場所が
そんなに欲しいのかい
数分後にはみんな降りてしまうよ
....
北国にも短くて長い夏がやってきた
こんなところでそだったから、素子はあつさに弱い
ぎんら ぎんら の お陽さまは こころを もえたたえてくれる
でも 素子のけあなは すくなすぎる
お陽さまが ....
吟遊詩人は詠うでしょう
小さなひとつの島国を
四季折々の
顔がある
小さな小さな島国を
吟遊詩人は詠うでしょう
春には
梅の木が香り
桜が咲き乱れ
至る所で生 ....
笑顔を求められ
強く生きることを求められ
死ぬことも消えることも許されず
貼り付いたペルソナは次第に現実と乖離し
ひずみは徐々に大きくなり
もうもとの形を失って ....
家も無く
吾を知る者も
今は莫し
根無し草とぞ
人は言ふらむ
風荒ぶ
夜の旅路に
光差す
命の灯火
いざ、行きめやも
黎明に
はためく翼は
輝きて
火の粉振り ....
頭が割れそうに痛い
昨日から僕はどこか
大切な思考回路を落として来たように思える
正当化しなければ保てないアイデンティティーの前には
僕という一生命体では抗えない
なぁ、否定したいだけ ....
白と黒の密林
そいつがこのノートです
はあはあ
詩、
詩はありますか?
「ありません」
無愛想なおばさんが言う
白は詩
黒はそうじゃないもの
この詩は
白? 黒?
胡散臭い灰色? ....
年を重ねる度
少し背伸びをした
大人になったね
そんなふうに思われたかった
3年前にとまった身長と
手のひらサイズの心
変わらない自分に苛立ちと不安
変化という義務感に圧迫さ ....
ねぇ、昨日ロンドンから帰って来たのね
「卵が孵化していく」
ランチには野菜と、豆腐のスープを創ったのよ
「ヨーロッパで錠剤が廃止される」
空回りしすぎているわ
....
空から堕ちた星のカケラと
春のはかない桜の花と
迷えど天秤
決めかね憐憫
月の静かな雫の涙と
夜道に影する小さな街灯
夜道は神秘
はかない心機
迷えど天秤
決めかね憐憫
....
ただ静かに穏やかに
普通に生きていたかった
幼い頃の僕は甘えん坊で
思いやりに溢れていた
それを無理矢理に
ねじ曲げたのは誰だ?
人をわざわざ怒らせて
恐 ....
新宿駅からの
都庁を目指す道は
緑の多い道
街路樹や植え込みが多い
道沿いのビルにもツツジや何か
ビルの中には流れや滝もある
道の突き当たりは
新宿中央公園
こんもりと盛り上がる緑 ....
とりあえず一服させてくれないか?
仕事は仕事でちゃんとやるからさ
昨日のメールも今日中に返すから
とりあえず一服させてくれないか?
喫煙所はこの先しばらく無いから
あなたの嫌いな煙を風下 ....
“三歩下がって付いてゆきます”
いつだって女は
そう思っているの
紅差し指に光る
永遠の絆
永遠なんて
そんな簡単に掴めるものじゃない
わかっている
わかっているから
....
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい
この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人 ....
ちいさなころの わたしは いじめられっこ
クラス中の男の子が 「ばいきん」ってよぶ
先生まで ばいきんあつかい
先生も いじめっこ
わたしのかいた 詩も
わたしのかいた 小説も
私の ....
指絡め柔ぬるい舌食んでいる今この時を吸い尽くさんと
北の北の大みそか
美香子はおこたでうす茶色の玉ねぎ一つ見つめてた
小さなめんこい玉ねぎを
電気きれた ガスもとまった お水もとまった
おさいふには一円玉が2つだけ 石油を買いにいけない ....
朝の
アスファルトの冷たさの上に
巣から落ちた小鳥が震えている
拾い上げて
掌の中で
戸惑う様を見つめる
鳥が
一羽の鳥が
号泣しながら
地平線の向こうに飛んでゆく
....
ー盲目ー
まだ陽の上らぬ未明の朝
風紋が鮮やかに浮き出る灰色の砂丘を
暁の月へとむかう 黒烏
凄絶な月の海に至る道は
煌々と白い光に照らされて
泥だらけの足で踏みこんで ....
緑色いっそう深まり空曇りスズメさえずる朝の机に
わずかなる胸の痛みと音楽の耳にいりくる今朝の心に
マンネリか歌に心はずまずに昔作りし懐かしき歌
陽は上り妻の植えにしかわゆ ....
泣くのはやめてよ
飽きてくるから
笑うのはやめてよ
殺したくなるから
殴るのはやめてよ
愛おしくなるから
痛がるのはやめてよ
羨ましくなるから
甘えるのはやめてよ
哀 ....
抱きしめたもの
全部ひっくるめて
冷蔵便で送るよ
君にとってはもう
要らないものばかり
かもしれない
{引用=fromAB}
カーテンと
鉄骨の隙間から覗いた
スカートを捲る
そこに、秘密はない
白く染まった床と
天井の間で眠る
ストッキングを破る
そこにも、秘密は見当たらない
ステンレスの ....
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