灼熱に縛られて身動きがとれない
陽炎のように揺らめく空気の向こうにひまわりが咲いている
遠い遠いひまわり
近づこうと足を踏み出そうとしてよろめく
向こうで揺らめくひまわりは
私の儚 ....
ふるえている足音
ふるえている声
ふるえている空
ふるえている大地
ふるえている命
ふるえている
ふるえている
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
雨
{画像= ....
{引用=
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった}
何気な ....
雲行きが怪しい夜明けに
薄手のワンピースとハイヒールで街に出る
どこへ行こうなんて考えられない
始発電車の行方は知らない
傘は忘れた みんな捨てた
どんどんなくなっていく
がらんとした ....
闇、叫び、月、銀、狼、爪の痕ほとばしる血は昴の花弁
月を噛むアカイ目眩に舞いくるう鴉揚羽の鳴り止まぬ翅音(はね)
雷(イカヅチ)の刺さる。蒼きは明星の息遣い。眠れぬ ....
UFOニサラワレテミタイ
そんな事を考えながら
グジグジと鼻の脂をティッシュでふき取り
ぼんやりとした
雨に霞んだ夜の街に手を伸ばしながら
ああ、雨
なんて当たり前の見て判るような反応しか ....
銀色のマストに映るまるい月甲板上に舞う{ルビ四重奏=カルテット}
月と地の逢瀬は今宵ひとたびのカレイドスコープ闇は緋色に
紅い海ガレオン船が進んでく鞭打つ波に叫ぶ号砲
....
今の手持ちあんまりないけど
この半年を乗り切るには十分
かたまりのような不安は
津波のように押し寄せて
飲み込まれそうになるけど…
それでも後悔は、しない。そう決めたから ....
届かない、ところへ
ささやく
あきらめではなく
染め抜くように
静かに
いちばん遠い胸の奥で
月夜をおぼえているかい?
欠けた鏡のまぶしさではなく
影の地平から昇っ ....
あの空が自由だというのなら
もう届くことのない夢
これから先 見ることはないだろう
さようなら 外の世界
さようなら 空よ
さようなら 自由よ
さようなら もう二度 ....
あの
見慣れた朝は
履き違えた
靴それだけで
不器用に
ほつれてった
夏が終わる日
あなたに
手を伸ばして
どうしたって
届かないのは
陽炎に
よく似た
寂しげな
....
投げ打つように降る雨を
聞きながら
死にたいと心底から思っていた。
雨上がりは
一生、来ない事を
知っていたから
鉄板で
どうしようもない
自分を見放していた。
見下していた。
何処か行こうと
差 ....
雑踏のあちこちで発生する
ポップな着メロ
それぞれの手のひらの中
ぽろぽろとカラフルな
想いをつかまえる
まるでゼリービーンズのよう
人工着色料かけたみたいな
絵文字やコトバが
....
秋に拾う貝殻は
なぜか哀しい
貝たちも
その海底で
小さな泡をながめたことも
あるだろう
射し込む光を感じたことも
いまは
生命も抜け落ちて
拾った貝殻を
わたしは持て ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
きらきら きらきら
シルバースター
しんしん しんしん
夜の音
ぴかぴか ぴかぴか
イエロームーン
ぴこぴこ ぴこぴこ
空飛ぶ円盤
朝はこくこくと
近づいている
朝日は頬をたたくように照りつける。
ぐしゃぐしゃの髪をさわると、
よく頭を撫でてくれたあなたが想われる。
素敵な朝は、さみしい気持ちでみたされる。
顔を洗って、太陽に引っ張られた頬 ....
殺していい
そう聞いたら
やだ
笑いながら答えた君が
僕の首を絞めながら
笑っている
ちょっと切なくて
ちょっと幸せ
大好きだよって
あはは
揺れているから
ね
ほら
僕はここだよ
抱きしめて!
月夜に花火
今年 初めて 見た 花火
二人じゃなかったけど
約束実現できなかったけど
あなたも きっと 同じ空の下。
いつもの遊歩道
いつも駅
いつもレール
いつも本屋
いつものコーヒー
いつもの世界
それで満足のはずの見慣れた景色
けれど
僕らの知らな ....
テーブルにばんそうこうが貼ってあった
また3歳の娘がイタズラしたな、
と思って剥がすとそこには
小さな傷があった
タワレコの
袋にキムチ
詰め込んで
何食わぬ顔で
電車乗る
☆ ∴..☆ ∴.☆ ∴..☆ ∴...☆
キラキラな魔法使いに
なれるなら
星空に煌めく
あの月に 魔法を架ける
星つぶが 散らばり
キラキラな 花火のように
夜空へち ....
自傷癖の空が
今日も散り散りに裂けようとして
寝ぼけた街に青が降る
==========
怪我した空を治してあげるのと
青い髪の少女の手には
赤いペンキとビスケット ....
低い空に積乱雲が育ちはじめる朝
目が覚めたら痕跡はなくなっていた
夢じゃない証拠をさがして
扉をあけて外へ出たり
勝手口へまわったり
冷蔵庫をあけてみたり
蛇口をひねったり ....
{ルビ鈍色=にびいろ}に濁るかつての青空
そっと思い出してみて
君の笑顔はそこに在る
見つけたものは、既に死んでて
どうしようもない現実に、
涙はどうせ流れては来ない
鈍色が私の銀 ....
愛について
優しさについて
僕は何もいえないし
本当の事なんて何も知らないから
僕は君を抱きしめたんだよ
伝わればいい
ただ
僕のぬくもりとか
それだけでいいから
君に伝わればい ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする
すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような
ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
ー圏外ですー
見えない壁に阻まれて
打ち砕けていく
想いの断片
わたしの中で
バラバラ散らばる
感情の鋭い破片
拾いあつめようと
無造作に触れて
斬ってしまっ ....
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