蝶もサナギがら産まれでる時
勇気と幾ばくかの痛みはともなうのではないだろうか
かたい殻の中で内から突きあげてくる衝動に身悶えながら
必死に闇の中で蠢く
満身の力をこめて ....
ぼくの
ひげをゆらして
風がすぎていきます
おだやかなはるの
やさしい風
今日ともだちと
たくさん遊んだ
とても
たのしかった
みんな
立派なネコになれるといいね
そらはいつも
....
門出だと
自分の心に
言い聞かし
涙ごまかし
無理して笑う
最後だと
解っているのに
言えなくて
ちゅうぶらりんの
私の心
不安が胸に 落ちて来て
目を 覚ます
どうしよう どうしよう
真夜中に 立ち上がる
暗闇の中を 歩き回る
狂気が 目を覚ます
遠いところで 正気も目を覚ます
ゆっくりと ゆっくりと
....
見上げる空に
星は無い
町の空は
寂しさを忘れる為に
いつまでも いつまでも
見える範囲を
照らし続ける
照り続ける事が優しさで
見えなくなると
その優しさも届かなくなる
....
冬だって
やがてやってくる暖かさで
春になる
悲しみだって
やがてやってくる笑顔で
幸せになる
酸性だって
やがてアルカリ性と混ざって
中和する
キャラメルだって
やが ....
サテンの光沢まばゆく
風が雲の緞帳を翻すとき
ひととき白日夢に眩む
まだ蕾、とも呼べぬ小さな膨らみは
幼すぎて花の名前を知らない
その風の名残のなかで
わたしは繰り返される春を
....
人の心は詩に流れ
詩はその光を灯す
生きたいと思わないんだ
でも
死にたいとも思わない
リスカしたいとか
吐き出したいとか
何も思わないんだ
でも
苦しくて
何か感じてて
どうしょもできなくて
....
ダンス ダンス
死神とダンス
わかっていたよ
差し出されたあの手を
干からびて冷たい手を
取ってはいけなかったこと
でも誰が拒めよう
どこか風変わりで
....
あなたから逃れるように
発車間際の列車に飛び乗れば
涙が後から飛び散って行く
誰かここから連れ出して
あなたのいないところへ
愛を確かめるたび悲しくなるの
あなたのやさしさ愛さえも
....
キライ
キライ
どうか、あたしのことなど
嫌いになって
あなたを
こんなにも苦しめた
あたしを
許されないことを
した
あたしを
....
いつ春はやってきて
いつこの人は去っていくのか
春は花粉をちらかして
くしゃみや、いやな目のかゆみたちを
無言で持ってきてくれるじゃあないか
春に熊はいよいよ目覚めて
作物奪いに民 ....
混じり気なく、青
淡い空
閉じ込められた真白い下弦の月は
青が滲んで
あたしとおんなじ
空模様
死の森で息を吸ったら
一瞬で肺がやられて
死んでしまうから
仮面を被って生活しています
笑った仮面、愛想を付かす仮面
泣いた仮面、蔑む仮面
表情を変える度に
仮面を取り替え ....
{引用=
いいえ、あれは太陽ではなく
古びたシャンデリアの明かり
起立、
今日という善き日から逃げ出して
梟の首を廻す
大海原ではマストが立ち始め
皆が合図を待っている
黒い波 ....
真夜中に沈んでいく終電で
疲労をぶら下げた男たちが吐く息で
今日何度目かのめまいに襲われる
脆弱なんだ
きっと他意はないその言葉に
ぎっ と
音がなるほど唇を噛んでしまったのは
....
シーラカンス
君なんてちっとも不思議じゃない
何億年なんて
君が生きてきたわけじゃない
連綿と続いてきたことをいうなら
私だって同じくらい古い
姿かえようと体制かえようと
生き物たち ....
ねえ
僕もゴミと一緒に
流してくれないかい?
そこなら光りながら
逝ける気がするんだ
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
我々の生命活動に大きな影響を與へる、
幻の素子、
マイナスの質量を持つもの、
反證可能性を持たぬ似而非科學の、
古式ゆかしく愛らしい結晶、
ふろぎすとんよ!
いま私の前にある樫 ....
1
うすい意識のなかで、
記憶の繊毛を流れる、
赤く染まる湾曲した河が、
身篭った豊満な魚の群を頬張り、
大らかな流れは、血栓をおこす。
かたわらの言葉を持たない喪服の街は、 ....
綺麗に輝く虹色をしたタマゴは
その全ての可能性をもったまま凍結した
どんな動物が産んだものなのか
どんな生物が産まれてくるのか
何もわからないままだった
そうでありながらも
タマゴはタマゴ ....
永遠がずっと同じって意味なら
私はそれを望まないわ
だって今日よりも明日の私を
もっともっと好きになって欲しいもの
だからあなたの永遠
私が預かってお ....
いたいんです
くるしいんです
すきなの、
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が僕のもとへ やってくるのを
春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思って ....
体の隅々を解体され分析され
カルテをつけられ病名をつけられ
悲痛な面持ちの周りに宣言をされる
私は生きているから
痛くも無い病名に
迫り来る恐怖に
少し心が不穏にはなっても
....
長い間降り続いた雨が上がった
だから何だってわけじゃないけど
傘を差したまま歩くよりは
遥かに進みやすいはず
だけど急ぐと疲れるから
道端の花と語り合いながら
カタツムリの ....
いつの間にか夜が短くなった
それに合わせるように私はとても無口になった
いつもの裏通りには
見当違いな質問ばかりが飛び交い
静電気を帯びた優しさが充満している
声を紡ぐ旋律が見つから ....
人生は甘くないと言う事実を
嫌っていう程噛み締めて
後悔の海に溺れていく
人間辞めたくなっちゃったから
鉄腕アトム張りのロボットになろう
超合金とまでいかなくても
シルバーメタリッ ....
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