五時間半のパートも毎日つづくと
腕も、足も、腰も痛くなって
お風呂上がりにはからだじゅうに
星を貼って、寝ます
星は、
ツボとよばれるからだの黒点に貼るから
いくつか貼ると
わたしのか ....
この話内緒よ
あの人から聞いたのここだけの話よ
あなた秘密守れるでしょ だからこっそり教えるけど
それは秘密のまま人々の間をまわり
その話聞いたけど秘密なんでしょ
あなたも聞いた ....
雲」流れに逆らう水は行き場を失う。積もる荒れた大地に鷺は降りたち。季節は素早く足取りを止めた。
沼。葦群の中、これ以上歩めばもっと地獄をみるだろう。あなたはどちらにしても傾がなければならない。波 ....
生まれたね
やさしい手で研がれ
水をたっぷり
ふっくらつやつやと
今日は卵にしようか
それとも納豆 ....
色付きのリップクリーム塗り直すあなたが全部持ってっちゃうから
コンビニで買った肉まん半分こ あれ?君の分皮ばっかりだ
静電気互いに走る手の痛み君にビリっときたあの冬の日
....
過ぎ去ったものの影を追わないで
思い出の名前を口にしないで
あの日を小瓶に閉じ込めないで
銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの
手から手へと渡ってゆく ....
わずかな
気配でゆれる
小さく熱い炎
雑にふれると
ススで怒り
熱くなると
溶けた涙をよく流す
でも
もう少し我慢してくれ
線香に火を点すまで
急に想い立つ
何かに会いに行く
仕事も休む
飯も食わない
小便もしない
手土産は
モンテカルロ法で算出した
独自の円周率
3.20833333333333333333333 ....
遺 言 書
遺言者 くまモン は次のとおり遺言をする。
1. 遺言者の全財産を、長男 ひこにゃんと 長女 バリィさん に相続さ ....
膝下五センチのスカート丈
三つ折りの白い靴下
おかっぱに切りそろえた髪
私は校則通りの平凡な中学生
ふくらはぎ下までのスカート丈
伸ばしたままの靴下
パーマがかかった茶髪
そう、あな ....
今さら遅いと思います。
最後の話は
富ヶ谷の空
まぁるく描かれた
ジェットの雲
五色の輪のことでした
その話をした刹那
一〇歳の僕は
テレビから飛び出して
庭に駆け下 ....
「棘」
その物言いに棘を感じたとき
あなたの心は平穏でいられますか
「平穏」
あなたの心の平穏をかき乱すもの
それは
あなたの内(なか)に在 ....
手で「ちょき」を一人の時にしたことが無いと気づいてふとやってみる
アルプスのどこかで飲んでいるつもり一杯のココア晩秋の部屋
透明の水彩絵の具で描かれた君の九月の絵のナス食べたい
....
あともう少しと思うところで
火を止めるのよ
もう薪はくべなくていい
蓋をあけてはだめ
後は鍋ごとさめるのを
待つの
ゆっくりさめながら
ジャムはだんだんジャムになるから
リスの母さんは ....
僕は君のことを誤解していたかもしれない
昨日の夜
君は満月を見て
あの月はきれいだけど
わたしの手の届かないところにあるといった
でも
たとえ手が届かなくても
満月は君のいうとお ....
青や
赤や
白で
例えすぎて
汚れた
それは
指先
で
すこし
ふれたら
名前がついた
もっと、
最初から
ふれていたら
色なんか
なくて
とうめい
で
いれたのに ....
工事現場で爆発事故に遭った俺
飛んで来た鉄棒に脳を貫通され
大脳辺縁系と大脳皮質との
連絡網を断ち切られてしまった
奇跡的に一命を取り留めたが
現場仕事には復帰出来そうに無く
見舞いに ....
医師はどこにも病気が
見あたらないというのだがー
汚れた世界をばかりを見続けていた
とも思えないが 硝子体に埃が溜まって
見つめる視野の中心が霞み
左目で見る妻に ....
窓ガラス
伝いおりる
雨粒ひとつを
ゆびで追う
祈りとは
この雨のような
....
あんがいね
すっきりしているんだ
ずっとわだかまりだった
何がいけなかったのか
手繰っても
たたみなおしても
「もう一度」と
組み合ってもらえなかった
正解のないわたし ....
昨日
えびを袋詰めにして帰った
今日
生きているのはわたしだけ
そんな
圧倒的なわたしの
優勢がくりひろげられている日々
さびしい土地で同居しかけたえびをも
殲滅させるくら ....
いつもカメラにフィルムを入れずに
写真を撮るのは
大切な一瞬の
記録を拒絶しているから
それでもシャッターを切るのは
シャッター音とともに
大切な一瞬を自分の記憶に深く刻むため
....
幸福は宣言してしまう 言葉ではなく笑顔で 先手必勝
残酷さを楽しむ 見ないふりをする やさしいふりをする どれにする?
幸せを守るため 顔を背けている 幸せが幸せでなくな ....
冬の子どもたちが
落ち葉のマントを纏って
手をつなぎ
かごめかごめをしている
誰かが
あっちだ
と言って走り出すと
手をつないだままで
一斉に駆け出していく
遅れた子を 心配 ....
両の眼の平行線が二人を射抜き 行きつ戻りつ
熱を持った細胞が身体を離れて蒸留する
新たに生まれる神秘性を持つ、そのものは幽かな産声をあげる
どちらの魂に矢を射るのか
射られた ....
山道は
うつらうつらと 川のように曲がりくねり
日差しが 折り紙の 折り目のよう
知識の折りたたまれた場所に
潤うしい硯の前に 座ろう
花は、テーブルにひとつあれば いい ....
この雨ときたら、どうだろう
わたしたちときたら、どうだろう
ねぇ、どうだろう
131124
ひぃーふぅーみぃー
ひとさし
なかゆび
くすりゆび
3本指を押っ立てた
一刺し100円
消えいりそうな声 ....
誰もケガしなくて
よかったね
冗談じゃない!
愛車を路肩でこすったじゃないか
こんなにボーナス出て
よかったね
冗談じゃない!
あれだけがんばったのに これっぽっちか
....
風邪をひいて一日寝ている
よくもこんなに眠れるものだ
寝ては目覚めてまた夢を見る
夢で野垂れ死にしても不思議ではない
見知らぬ旅館に隠れている
ドアが開いたかと思うと風呂上りの子どもが転がり ....
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