青白い少女の額に広がった砂漠を進む柔らかな月

青白い夜を踏みわけいつからか銀の鱗でエラ呼吸して

どぶ川の面(おもて)を撫でる聖母の手 草枕する我に眠りを

一人分の影は夜気に溶 ....
十月のがらんどうな空に

ただ風が吹き付ける

風は力尽きた木の葉をさらって

ああ、今度こそ

夏が遠ざかってゆく

私の足元に転がる屍はきっと

現存する最後の夏の証

短すぎる生涯をすべて賭け ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう


あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
 
外は悲雨だから

いいんだよ、いいんだよ

ぼろぼろ泣いて、いいんだよ


 
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば

いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
憂うつな顔をして目玉焼きを食べているぼくの目の前にも
化粧を落としたきみの寝息が聞こえてくるような気がする
きみの犬を探しはじめて二週間
駅の裏までやって来たけど広すぎて何もみえない
 ....
きのうあなたの夢を見たんだ

あなたはぼくに冷たかった

ぼくは遠い心でそれを憎んだ


秋の虫が星のように鳴いている

小さな命に割り込んでゆく術を

きょうも眠りにつくまえ見 ....
晴れた空が見守る 僕らそれぞれの物語
終りはない ただ紡がれる

柔らかい風に乗って 甘いサザンカのにおいがする
生きることは 感じ取ること

君の傷跡が燃えるとき 雨のアスファルトが泣い ....
忘れてしまえとある人は言う
そう念ずるたびに思い出す
忘れなくてもいいとまたある人が言う
思い出すたびにずっと涙する

ずっと心は揺らぎ続けるだろう
治らない傷は抱えていくしかない
鏡を ....
「もう秋だ」
誰に言うでもなく
ただ、ポツリ、一人呟く

風がだんだん冷たくなり
空気が澄んで空が高くなるのが
誰にも言われずにわかる


スーパーでレジ打ちのバイトをしているが
 ....
{画像=111010205059.jpg}

 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
旅ってなんだろう

帰るところあっての旅なんだろうけど

住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく

そんな旅路もあるような気がする




 ....
梨売りの声聞き取れず問ひかける「これは二十世紀ですか?」「ここは二十一世紀です」 秋のひとひら
白紙の日記に舞い落ちる
滲みた文字が
やけに霞んで飛ばされそう

移ろいゆく季節にあって
留めておきたい
ひとつの場所

君は覚えているだろうか
僕が挟んだ栞の
あの日

秋がやってきて ....
秋高し聞こえて来るは夢の果て ひかりを浴びていた
海をみていた
ひかりの中で鏡はしろかった
鏡の中で海はしろかった
だれかをおきざりにして
おきざりにされたものがいる
通りすぎてゆく
陽射しが眩しかった  ....
希望の楡の大樹の根元
絶望の日溜まりの中で
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

柔らかな秋の陽射しの中
ゴツゴツとした大樹の根元にしゃがみ込み
君は何を想い
溜息を吐いているのだ
 ....
穏やかな秋の一日
その暮れ方 テレビ越しに眼を凝らして
日の丸に敬礼
しようとしたときに 虫が
灰色の繊毛の生えた虫が 少女のお下げの髪に虫が
這っている こんなこともあるものか
それを払 ....
雨の日
少し肌寒い

MP3プレイヤーを聴きながら
古いレコードショップで
一枚CDを買う

ありがとう
と袋を受け取り店を出て
なぜ買ったのかを考える
音楽はすべてパソコンに入れ ....
冷たい雨粒が
傘をノックする
居留守をつかう僕を
執拗にノックし続ける

開けてはいけない
部屋を覗かせてはいけない

開けたら最後
あいつはズカズカと
上がり込んできて
胸 ....
{画像=111007205854.jpg}
  
 青

画用紙に青いインクを零したら
晴れやかな空になった
青いフェルトに涙を零したら
透明の染みになった

道端の石ころにも成れな ....
青き星 スペースデブリ 撒き散らし
ついに人類 体内回帰

スクラップ 忘れ去られた テレビたち
電波を飛ばし 一斉蜂起

今はもう 放棄されてる 地下街に
りんりんとなる 公衆電話
 ....
このまえ死んだとき

このくらいの闇にこのくらいの明滅があった

その明滅はちっぽけで

かすかなものだったというのに

金木犀や放射性物質なみの存在感があったんだ


だから

もう一回

そして
 ....
{画像=111007000549.jpg}


窓ガラスに映る大空は青く
青いパネルの上に白い雲が貼り付いていた
冷たい空気が流れ
机や椅子は緊張している
床の上には煤がざらつき
チョ ....
星が鳴いている

ちいさないのちが鳴いている

何億光年かけて

星は

秋の虫になるの

ちいさないのちが鳴いている

星が鳴いている
おや
朝の電車に 赤いランドセルふたり
姉妹かな,
ホームに残った母親に 手を振っている

柔らかな両手が動く
声にならない 唇の動きと一緒に
よどんだ空気を切りながら
僕 ....
色鳥の彩(いろ)美しき姿かな

虫の音は生命(いのち)の調べ闇照らす

彼岸花畦道の縁飾りゆく

日常の喧騒忘る花野道

秋の燈やひとり静かに瞑想す
ヒガンバナが今年も灯る
曖昧を許さない輪郭で
そのくせひどい曖昧を宿す

秋に咲く大輪は葉を持たない
何もなかったところから花火みたいに
茎だけで伸びて

夢見がちなひろがりではじけて、  ....
足などというものなどは蹴るために素足あたためラブホテル出る

生ぬるき水道水を飲むグラスただの水とは思わずに飲む

ボトルの形が変わったお茶などのペットボトルに年月あるか

防水のプラスチ ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19149)
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秋の日だまりから雨- ……とあ ...自由詩8*11-10-9
日の丸に敬礼- オイタル自由詩5*11-10-8
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雨音- nonya自由詩20*11-10-8
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沈黙するお喋り- 御笠川マ ...自由詩911-10-6
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ヌード撮影_2011.9.9- 榊 慧短歌6*11-10-6
夜の唄- ……とあ ...自由詩7*11-10-6

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