あなたがお腹にいると分かった時
どんなに楽しみだった事でしょう
あなたが産まれてきて、
どんなに幸せを感じた事でしょう
小さなあなたに
どれだけの幸せを願った事で ....
あなたと 命を分かち合う 夏だ
二人で出そうとした 文芸誌
この夏の熱気に溶けてしまった
文化祭のため夏休みを燃焼させた 八ミリ映画
これが あなたの遺影
あなたのスナップ写真
こ ....
な ぐ り...
名栗村 そして 澤
やみ夜を 求めずとも えられる
その 名まえを 記す ことは
もはや うたの なかの 出来事
うたに 遊ぶとき それは ....
波打ち際にふたり立っていた
足元の砂を波が洗う
掬われるような流れに
チリチリと歯がゆい思いで
―カモメのように
飛べたらええな
とおまえは言う けれど
鳥はいつで ....
馴れ合い
もたれ合い
舐め合い
わたしとあなた
インスタント
安く
手早く
浅く
あなたとわたし
インスタント
好都合
その場しのぎ
元どおり
ふたり
....
君の歌をポケットに忍ばせて故郷を歩き続けるよ
まずは何と言っても学校 現在は新しいグラウンドになっている
夢の中で古い校舎の玄関の鍵を開けて 現実で中に入っていくんだ
空想を広げて 同級 ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて
....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
あなたが切り離そうとしてるもの
悩むくらいなら
私が愛してあげます
思い出に罪は無いと
信じていたいじゃないですか
いつか私を
そのように切り離したりしないで
そっと信号を発して ....
お互いが見えなくなったら
左胸を合わせて抱き合おう
お互いの背中から
悔いを打ち込んでつなげよう
言えなかった気持ちや言えなかった言葉
流れ出て交じり合う
声なんかいらない
胸打 ....
今年最初の
小さな風船
去年の種が
こぼれて伸びて
またふわふわと
揺れている
愛のかたちってどんなもの?
触れるとやわらかくて 弾力があって
姿をかえていくの?
愛に種類はあるの?
色や 大きさや あたたかさで
区別できるの?
愛ってつかめるの?
とらえど ....
拝啓
やあやあ
初めましての方も
そうでない方も
こんばんは
梅雨特有の
湿り気たっぷりの中
いかがお過ごしですか?
じめじめの空気に
雨の日の
あの優しい ....
夜空を見ても
雲が空を埋め尽してる
そんな空を眺めてたら
雲の隙間から月が
ちらっと覗いてる
まるでかくれんぼをしてる
子供みたいに
言葉に挑んでみる
言葉の世界は広くて深いので
何もしなければ
言葉に溺れてしまう
バタバタするのではなく
全身を使ってバランスよく
綺麗な姿勢で泳ぐのがいい
言葉に向かってみる
言 ....
放課後の学校は静かで
でもまだどこかにざわめきを隠していて
傾いてきた栗色の光が
少女たちの瞳を
大人びてみせる
窓は少しだけあけておかなければならなくて
そこから
教室じゅうに清新な風 ....
埃くさい
骨組みだけの
濃いひかり
会いたくなった
確かめたくなった
現実にはピンとこない
でもいつも
イメージだけを
感光紙に翻訳しなおす
....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
少しずつ ....
いま じぶんには
まだ 見えていないものが
あると ためらいながらも
言わねばなるまい 最大で
ひとり 必要ですと
関連作品→http://po-m.com/forum/show ....
暑くて猫もバテ気味
クーラーの温度下げようかなぁ
でも環境のために
ガマンするかなぁ
そういいながら温度を下げる
すると田中さんは立ち上がり
ニャーニャー
と外にでたそう
仕方がないから窓を ....
ときどき浮かび上がる記憶の断片
もっとよく見ようと手を伸ばすと
するすると溶けるように消えてしまって
あとにはもどかしさばかりが残って
鮮明に思い出そうとすればするほど
ぼんや ....
青い空には なんにもないけれど
天使が住んでいるの
今日は行けないとあなたが云った
抑揚がなくなるときのあなた 読めなくて
心が痛んだ
好きだよともう何度もいってくれない
Ican ....
他人に優しくしたいなら、
それは、とても簡単なことだ。
その人の事を何も知らなければいい。
あなたのたましいはきっと水色
見たこともないほどきれいな水色
そばに行くと私のたましいまで洗われていく
そんなふうな水色
私なら 泡じゃなくて風がいい
いとしい愛しいあの髪を
そおっとなぜて消えていく
そんなふうな風がいい
悲しく零れそうな梅雨空に、ハグを。
ムカつくくらい綺麗な夏空に、キスを。
在り続けなければいけない僕たちに、ラブを。
けだるく 深く
大気はうねり
緩い曲線を描く
高曇りの靄に
太陽は弛緩して
街路樹 空をくねらす
小鳥の声 空の波紋
雲は雫で出来ている
まさに夏 夏の昼下がりに
木々 ....
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて
恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
....
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昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
一つの授業が終わるたびに
階段を下りて
一階にある自動販売機で
レモネードを飲んでいた
今日も暑い
昇降口の近くでは
これから体育の授業だろうか
下級生たちが体操服で
わいわいと騒いで ....
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