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おちない眠りが揺らす
あなたにわけたのではなく 重ねたのです
星の明かり 電燈の灯り あなたの言葉
偽りが入り込む隙はない 一心
偽りを燃やし尽くし 開ける朝
会社の帰りに実家に寄り
母を乗せて 病院に行く
入院している父に会うため
一日中 林檎畑で働いた後
母は着替えて 私を待つ

七十歳を超えて 疲れただろうに
駐車場について 歩きながら
 ....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている

今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
杉の木から 吹き降ろされた雪が
荒れる風に乗り 空気になだれる

開けた戸から数歩
白く 冷たく
散らされる雪と
ふらり 共に立つ

お迎えに参ります 春

背中にかぶさる重さも
 ....
書籍小包が届いた 見慣れた宛名の筆跡に
若い頃作っていた詩集の メンバーからだとわかる
が 差出人を見て ドッキリ
初めて見る筆跡と 女の子の名前
娘さんから 私への贈り物であった

童話 ....
小さなツリーに飾りつけ ケーキを食べて
プレゼントを期待して眠った子供の頃
夜中に聞こえてきたのは 言い争う声

弟達は眠っている 耳をすますと台所で
父と母が言いあっている
なんだろうと ....
バイクの後ろに乗せられて バイバイと
母の実家に行った 四歳の頃
家族と離れて 初めて一人
そんな自覚もないままに
しーんとして広く感じる居間や台所
少し高い所にある黒電話をみつめた
しば ....
あおぐ うちわ
木漏れ日 舞い
ついばみ 鳴く 白い雲

腰掛けて 揺れる
飲み散らかした花びら
風爪 斬り 羽織る
草の夢 露の戸

繰り言 湿るサンダル
絡む炭酸 甘く 指に
 ....
錆びた釘 カンの切れ端 木屑をめくれば虫
雪で潰れた物置小屋の腐らない破片をさらう

小さなスペースに散らばっている小石
両手で包み バケツに集める 

土台と共に 捨てられる礎
 ....
杉林 針葉の緑をすり抜け 
どこからか 舞い落りた白い花弁が
木蓮の紫の蕾近くを行き過ぎ
日陰に残る雪より先に 土に落ちた

山の 日が射す場所は暖かく
雪で登る事が難しいと思っている間に ....
仕事をとられたといっても
それはポジションをとられたって事で
経験をとられたわけじゃない
継続が終わっても持続する力
相手はあなたであってあなたではない

与えられたポジションはいつかは消 ....
三年は居ると思ったのに一年で帰ってきて

高校を卒業して都会で寮生活をしながら働いて
帰りたくて故郷に帰ったけど 親は怒った

だからお前には無理だから行くなと言ったのに
どこまでも行くと ....
届かなかったと
落ちた空 みつめて
眠りこむ 雪を
春が 起こして連れて行く

ここにも そこにも
次の夜が朝から待っている

影で隠している
風の遊び道具

石に座っていた凍り ....
彼の家というものに誘われたのが
初めての クリスマスの夜だった
家族に紹介するというので
料理など持参してみたり
めいっぱい緊張して気を使って
ぎくしゃくと挨拶をすませて彼の部屋に行くと
 ....
盗作するのを見たことがある。
十代の頃 その人は たまたま入った文化部で
たまたま詩集に作品を出す必要にせまられて
それなりに気に入ったものを書き写していた。
非売品の学校の文化祭でだけの詩集 ....
今年最後の林檎もぎの日は晴れて
山に建つ我が家では霜が降り冷たかったけど
生まれた家の近くの林檎畑に長靴で行くと
陽気で 草露になっている

十月の葉取りから会社の休みには手伝い
雨の日は ....
いつか通った雨は 何処

逃げ出した 木陰の檻
巻きつけた 小さな青い淵

黒い蜜に ひたす
重ねた 背中の羽 
こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
 ....
すずめをひいた
会社に出勤途中
青空の下でひいた

フロントガラスからみえた
ちゃんと道の上を横切ったのに
なんですぐ私の車の下に引き返すの
くちばしから餌を落としちゃったのか

あ ....
下降していくカラスが
田んぼの土手を
はいあがる虫を食べている

田植えの前に掘りおこされ
苗が植わるように綺麗にならされる土

地中から 土と共に掘り起こされた虫が
待ち構え ....
マジャン と聞こえたので
えっという顔になった私に
中国人の友人は ジェスチャーをしつつ
マジャン と言う

なんとなくそのしぐさから
ああ マージャンね というと
日本では マージャン ....
なしという続きのために
削られても消えない
かけらが つながらない線に渡る
後ろ指にかけられた
時計のガラスが見送る
つむれば目が見ていく 心細い幸せ
畳みに けばだつ痛みに
染み込んで ....
鵜飼千代子さんの砂木さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
火と夜- 砂木自由詩12*16-9-11
つれ- 砂木自由詩12*14-8-3
花の傘_雨道に- 砂木自由詩13*13-5-2
ここへ- 砂木自由詩14*13-4-4
親愛なる童話- 砂木自由詩14*13-3-23
メリー・メリー・クリスマス- 砂木自由詩12*12-12-31
幸せは眠っている- 砂木自由詩15*12-11-25
伏せ字_渡る野- 砂木自由詩25*12-9-17
長靴のホコリと- 砂木自由詩15*11-5-20
どこかで- 砂木自由詩7*11-5-15
現場にて- 砂木自由詩7*11-2-3
十九歳- 砂木自由詩23*11-1-16
捧げる- 砂木自由詩15*11-1-3
昔のクリスマス- 砂木自由詩8*10-12-26
なんだろう- 砂木散文(批評 ...6*10-11-26
林檎もぎ- 砂木自由詩14*10-11-21
黒揚羽- 砂木自由詩7+*10-10-1
目撃したもの_光- 砂木散文(批評 ...8+*10-9-23
けど_でも- 砂木自由詩10+*10-8-19
土と虫- 砂木自由詩15*10-5-16
赤い言葉- 砂木自由詩6*10-4-4
ザ・ブーンンンンンあいか- 砂木自由詩6*09-12-30

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