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冬菫インクとなって夕空へ


冬すみれ行き着く先は夕日かな
夕市の瓶きらきらと冬の詩 キッチンに一人っきりの秋思かな


祖母の手がせっせせっせと栗磨く


宵の秋コーヒー淹れて猫の横


まず今日の今を生きたし十三夜


温(あたた)め酒となりの部屋も灯りおり ....
君が好き君が大好き初茜


お揃いの冬帽子で行く散歩道


胴長の猫眠る横の初日記
雪もよい由なしきっかけあり喧嘩


灯も消えてイブのチャウダー出番なし


魔法なら解かないでくれ冬茜


チャウダーに木の匙そえて二日朝


初雪やダイヤモンドが拾う音

 ....
冬の陽だまりは
いつだってやさしくて
初夏の風は
いつだってあたらしい
あなたのとなりで
春を聴いた私は
なつかしい秋を待つために
紅い日傘を買うだろう
お陽さまに手をかざしてみたい

生きているってわかるから

お月さまに挨拶したい

今日は充実していましたって

瞬く星々 ひとつひとつに

流れてもらって 願い事したい

明 ....
隠してなんかいない

見たければいつでも見るがいい

この傷痕

今では「痕」だから

痛みは無い

ただ残っているだけ

隠すつもりも無いし

見たければいつでも見る ....
お陽さまの出を待っている

膝を抱えて待っている

ねこも隣で待っている

からだ丸めて待っている

ふたりでふたりで待っている

お陽さまの出を待っている
ぼくはくまぬいぐるみのくまこわくないかおるちゃんちにおじゃましてます よそものの今日を支えて自転車が春のひかりと春の匂い聴く 午前四時十五分かえるに混ざって
すずめの声を確かに聞いた
隣家のだれかは壁を蹴ったか
三分後には車の音も
、走り去った
誰を何を載せて
さよならよりも永遠な気がする
午前五時前の
理不 ....
今夜は冷えるからね
お布団のうえに毛布をね
ほら湯たんぽもね
(…おかあ…)
(おかあさ…)
花冷えの夜のまぼろし早すぎる目覚め
さみしくてじゃなくて寒くて寒くて寒くて
帰る家は夫の独身部屋のままゆえに迷い猫のような日日


蝉たちの歌を覚えぬ朝が来て夫の書棚にサキを見つける


厨房はわが城というわが夫にわかってほしいのサルモネラ菌


夫はいまチ ....
きれいなうそをつくひとでした
ぼくも苦手だと云い乍ら
わたしが飲めないシェリー酒を
こっそりひとりで飲むひとでした

きれいなうそをつくひとでした
ぼくの夢だと云い乍ら
わたしがせがんだ ....
心のなかの晩秋は
村雨ばかりの降りしきる
そこへわたしは土足で立ち尽くし
自らを裏切り続けている

かなしみ屋の通り道で
一等かなしいラブストーリーを と

けれどいつまでも訪れず ふ ....
もう
葉を落とすこともなくなった
落葉樹のようなふたりになったら
冬には陽当たりの良い縁側がほしいね

一日中観ていられる
そんなちいさな庭もあれば素敵なことだね
ある日

これから ....
{ルビ昨夜=ゆうべ}みたのはなんだっけ
昨夜みたのは金の星
応えたあなたは誰ですか
通りすがりの銀の風

明日もあなたに会いたいな
とっても優しい声だから
明日はわたしは隣国へ
十日後 ....
君が駆けつけた時わたしはきっとそれこそ
垢にまみれて転がっている瓦落多
といっても過言ではないありさまで

それでも持病のお薬や携帯、国保の保険証など
無いと困るものだけは忘れずに
部屋を ....
からだが、あたまが
ことばでほうわじょうたいになって
もの、すごい、吐き気
けれどかたちをなさないことばたちには
市民権があたえられない
リアルに、はきたくなって、くちにゆびをつっこむ
ご ....
性別おとこに生まれていたらと熱心にお祈りしていた頃があった
いつでも家から逃げ出してホームレスになれるじゃない
くれないのベルベットのシュシュで三つ編みを飾るほどの
何すらもなくってだからかなえ ....
今夜は淋しいよ
いくつもの夜に独りだったのだけど
今夜はおかしなほどに淋しいよ
友人と喧嘩したわけじゃない
さよなら もなかった
夕ごはんにパンを食べて
それからブラックじゃないコーヒーを ....
疲れたけれど
明日も歩こう
疲れちゃったけど
云わないで歩こう
神さま疲れた
神さまだけには
疲れちゃったよ
天と地と
自分だけ知って
明日も歩こう
ゆるしてくれる{ルビ他様=ひとさま}などいない姿になって街に出よう
あらかじめ悟っていられるだろう
大雨の後の泥濘があれば選んで歩こう
泥まみれのありさまになってみれば
初めて得るあたたかな心 ....
六つの日の瑠璃花がふと
幼なじみの並子に
あたしの名前は「地球の花」って意味だよ
お父さんとお母さんとで何日も考えてくれたんだって
いまはまだ「ひらがな」でしか書けないけど
なみちゃんは?
 ....
なみだ
と云っても
但し書きが必要だね
この場合のなみだについての詩を

わたしは書こうとしています
溢れるなみだなら よろこびのなみだ
零れてしまう それはかなしみ
と云っても

 ....
泣きたいほど優しいひとがいて
あるいは いま たったいま
しばらくこのままでいたい
神さまに祈る 明かすと

思春期も反抗期もなかった
そのせいか ふいによぎっても
いつも掴めずに未知の ....
. なみだの意味を云いたくない
ひとの言葉で賄えないから

なみだの意味を弄りたくない
塗れていくのを視たくないから

なみだの意味を失いたくない
この世で唯一の聖域だから

なみだの意 ....
そうなんです
そのポピーですきっと と
云えなかったけれど あのつらい時に
うれしかった 教えてくれたひとが居た

ヒマラヤン・ブルーポピー
いますぐにあなたまで
駆けていきたい
会い ....
鵜飼千代子さんのもっぷさんおすすめリスト(73)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬2- もっぷ俳句521-12-13
- もっぷ俳句421-12-13
しっぽがほしかった- もっぷ俳句521-8-12
散歩道2- もっぷ俳句421-1-12
屋根のしたの宇宙5- もっぷ俳句320-12-28
今日の風- もっぷ自由詩320-5-9
空に逢いたい- もっぷ自由詩3*19-11-9
漫ろ雨- もっぷ自由詩3*19-10-28
ふたりで- もっぷ自由詩2*19-10-27
あるひ森のなか- もっぷ短歌219-10-18
すみれ日記- もっぷ短歌319-3-6
五月、夜明けへ- もっぷ自由詩418-5-22
エリカ- もっぷ自由詩218-4-10
「夫の居る風景である厨房の片隅にだけ描かれる吾」_七首- もっぷ短歌1117-12-6
そのひとは- もっぷ自由詩717-12-5
晩秋の一頁- もっぷ自由詩517-10-25
ある日- もっぷ自由詩617-10-20
午前三時の窓辺にて- もっぷ自由詩417-9-19
カレーライス- もっぷ自由詩217-9-19
air_22:44- もっぷ自由詩317-9-13
走るあたし/歩くおとこ- もっぷ自由詩517-7-23
今夜は淋しいよ- もっぷ自由詩417-7-6
- もっぷ自由詩717-6-6
その街は- もっぷ自由詩3*17-4-25
幼なじみ- もっぷ自由詩517-2-27
こころ。- もっぷ自由詩217-2-21
Tokyo_Blue- もっぷ自由詩1017-2-20
私、確実にいじめに遭ってるよね- もっぷ自由詩3*17-2-10
「いつか希いが」_なみだ_B-side- もっぷ自由詩2*17-2-10
ブルーブルーブルー- もっぷ自由詩317-1-31

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