ミサイルの朝
ミナト 螢

空に灰色の煙が立ち込め
干してある洗濯物を汚してゆく

Jアラートに掴まされた夢が
輪郭をなぞらなくて良かったと
テレビの前でスープを飲んでいる

前触れもなく飛んで来るのはきっと
虫の鳴き声や愛の言葉じゃない

ミサイルに邪魔されて届かなくなる
好きですのひと言を握り締めて

かつて平和だった時代に転がした
サイコロの目の数だけ叫ぼう

身を隠すよりも君に会いに行く
青春も平和もずっと続けば良いのに
僕等は願うことしか出来ずに

机の上のトマトスープが冷めて
何だか今日は血の味がするね


自由詩 ミサイルの朝 Copyright ミナト 螢 2017-08-29 10:02:47
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