黄色いアジサイ
麻生ゆり

黄色い、アジサイが咲いている。
黄色いアジサイは、
ホントは泣いているのだ。
土が汚くて、水が汚くて、と
泣いているのだ。
私はそれを哀れに思ったけれど、
あちらこちらに黄色いアジサイが咲いているものだから、
その全てを救ってあげることはできない。
どうしていいのかわからぬまま、
私はうろうろしてしまって、
結局、
私も黄色いアジサイになってしまった。
でもアジサイになって気がついたことがある。
私の目の前に、
大きな、
青色のアジサイがあった。
本当に、本当に、
大きかった。
そして、
よく見ると、
青色だけでなくピンク色や紫色をしていて、
どんなアジサイよりも美しかった。
そうか。
このアジサイのせいだったのか。
周りのアジサイを黄色くしているのは。
でも、
誰が私たちを見てくれるだろう?
誰が私たちに気づいてくれるだろう?
誰が私たちを助けてくれるのだろう?
それはただ、
あなた方次第なのです。


 (「アジサイ」の改作)


自由詩 黄色いアジサイ Copyright 麻生ゆり 2007-06-05 02:00:08
notebook Home 戻る