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14歳の頃 心から信じていた先生が言った
「今の君には無限の可能性がある」
「でも君がそのうちの1パーセントの可能性を選択した瞬間に、残りの99パーセントを失うことになるのだ」と
それは冷酷な  ....
網にかかるのは風に騙され
流れ着いたポリ袋
それとも詩の振りをしたがる風が
書き散らしたメモ書き

アパートの一室で
誰にも知られず
死んだ男の履歴

携帯電話を所持していても
誰 ....
そこまで惨いことをしてみせなければ
わたしたちが
気付けなかったとお思いですか
それほどまでして
ただ懸命に生きていた人たちをいたぶり苦しめなければ
地道に生きることの大切さと
命の尊さを ....
今までたくさんの人と知り合ったり別れたりしてきたけれど
引っ越しだとか転勤とか卒業とか就職とか
そういう物理的な別れを越えて付き合いを続けてきた人はたくさんいる
元同級生とか同僚とかママ友だとか ....
慣れるまでは息苦しかった
耳も痛かった
けれど
目の前の他者との間に
いい感じの距離感が
だんだん心地よくなって
バリケードの裏に立てこもっている感じ
言いたいことなんて
言わなくてい ....
黒焦げのアカツメクサを労うように
レースフラワーが風に揺れ
夏が終わると歌っている
排気ガスまみれの分離帯にも
芽吹いた種は繁らせた
波打つ夏の色

色褪せた空のキャンバスに
ぽたりと ....
薔薇園を見に行って
大事なイヤリングを落としてしまった

いつか落とすと思ってはいたけれど
いつ落としたのかわからない

歩いた跡を
再び
たどってみたけれど
ない

ひょっとし ....
潰してきた

気付かぬふりして
舗道の上の
見えにくい蟻を
踏みにじるように
見て見ぬふりして
胸の奥の
後ろめたさを
正当化するために

取り返しがつかない程
多くの時間 ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
今はもうないくだものを
ないお皿に山盛りに載せ
今はもうないお屋敷の
ないお客様に振る舞うため
両手に捧げ
運んでいく

彼女はもうない白いエプロンを着け
もうない芝生の上に
テーブ ....
私の父は18の時に航空兵に志願した
飛行機乗りになりたかったのだ
もちろんお国のために
命を捧げる意義を信じて

間に合っていればきっと特攻に行っただろう

出征するはずだった日の1週間 ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ

鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
何年も前の事だけど
「紀伊国屋なう」というメールを
貴方がくれた
その時は
電車に6時間も揺られなければ
紀伊国屋のあるその街へ行けない土地に
住んでいたから
「今その町に私がいれば、
 ....
駅前ターミナルに到着しようとしていた
路上に杖をついた高齢の紳士が
窓のすぐ下に見えた
彼の進む先には確かにバス乗り場があるが
そこが人の歩くべき路でないことに
既に気付いたのか
ほんの少 ....
薔薇よ
かくも烈しい
おまえの怒りに
一瞬にして触れてしまった
不意をつかれてたじろぐ私の指先の
見えない程小さな
けれど思いのほか深い傷から
みるみる膨れ上がって
指を伝って流れた色 ....
頭のわるい男がいる
それはあいつ
あいつの頭はわる過ぎる
頭わるいまま突き進む
頭わるい自覚がないのがこまる
自分じゃいいとさえ思っているのが
ホントに困る

頭わるい男が突っ走る
 ....
さちこさんは
聖書を
私に読んできかせた
「ヒソプをもってわたしを浄めてください
私は清くなるでしょう
私を洗ってください
私は雪のように白くなるでしょう」
そんな言葉が私を泣かせた
 ....
星の王子様は
蛇に咬まれて
しんじゃうんだよね
ってうっかり言ったら
最近その本を初めて読了したという年下の友人が
驚いて言った
えっ?死んだようになるだけだって体は重すぎて持っていけない ....
都合の悪いことや
不快なことは
予め伏字にするという
配慮が
いつからかこの国では
行きとどいているので
よほど気をつけていなければ
事実は見えない
まして
事実を都合よく見誤ろうと ....
揺すらないで
覗かないで
ノックしないで
猫はいや

汚いものが沈んで
息がつまる

追い詰めないで
掬わないで
閉じ込めないで
逃がさないで

窓はどこ
酸素が欲しい
 ....
「すみません。おひとりさま1パックまでなんです。」

その日
特売の卵を2パック
かごに入れていた老人は
無情なレジ係にそう言われ
1パック取り上げられていた

解けかけた雪が
昨夜 ....
僕は目を瞑り
夕暮れの国道に彷徨う仔犬のことをちょっとだけ考える
カーラジオから明るい声が
逃げ出しちゃった犬の情報を
お寄せくださいと呼び掛けている
犬の種類 大きさ 毛の色
首輪 名前 ....
誰かが扉を閉めてしまった
私は夜ごと出口を失くした夢をみる
扉を閉めたのは 私
そのうえ錠前を壊してしまった

壊れた錠前をまず直そうとする人は
人の心を思い遣る人
壊れた花瓶を
片付 ....
平然と響く
アナウンス

「一番線を 列車が 通過します
 ご注意ください」

急流の中に
取り残されてある中洲のように
ホームは心細い

トンネルの出口のように
はずれに開ける ....
踏切の横の空き地は草ぼうぼう
傾いた陽光が
影と日なたに草はらを分ける

通り抜けるものの風圧と
しつこい音の点滅にせかされ
ひとあし 踏み出そうとする
幼時の一瞬に接続しそうな時間の震 ....
 
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
 ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
羽化したばかりのモンシロチョウの
おぼつかない羽ばたきが
風にあおられ

じりじりと後ずさる濃い霧の中を
触角も羽もなく這いずる夜も

誰かの仕掛けた銀色の罠に
迂闊に絡めとられる朝も ....
そんな私は精神衛生のためにいいことならなんでもする。
休みの日にはカンテレのCDを聞き、最近友人に勧められた黒豆茶を飲み、天気のいい日は庭に出る。
花を植え、草を抜き、レンガを並べ、水やりをする。 ....
本当に怒っているとき
誰にもそれを
気づかれたくない

本当に深く傷ついた時
誰にもそれを
知られたくない

本当に寂しいとき
誰にもそれを
見られたくない

だから
本当に ....
鵜飼千代子さんのLucyさんおすすめリスト(32)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空の扉- Lucy自由詩12*21-5-11
変死- Lucy自由詩7*21-1-25
平和の祈り- Lucy自由詩1120-8-9
自分じゃないと思っているだけ- Lucy自由詩5*19-9-10
マスク- Lucy自由詩6*18-4-11
労い- Lucy自由詩18*17-8-21
遺失物- Lucy自由詩8*17-7-25
潰してきた- Lucy自由詩14*17-1-16
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
山盛りの果物の大皿- Lucy自由詩10*15-8-31
私の原点- Lucy自由詩20*15-8-29
快速- Lucy自由詩18*15-6-23
紀伊国屋- Lucy自由詩26+*15-5-30
ターミナルにて- Lucy自由詩20*15-5-15
薔薇よ- Lucy自由詩20*14-11-6
頭わるい男- Lucy自由詩16+*14-7-4
私が子羊だった時(part2)- Lucy自由詩9*14-6-28
星の王子様- Lucy自由詩8*14-6-28
配慮- Lucy自由詩24+*14-2-25
モノローグ- Lucy自由詩14*14-1-15
卵2パック- Lucy自由詩24+*13-12-2
帰ろうという意志さえあれば_彼には道がわかるはず- Lucy自由詩14*13-12-2
心理テスト_(詩人サークル「群青」十一月の課題「非」より)- Lucy自由詩21*13-11-13
ホーム- Lucy自由詩18*13-9-30
夏草- Lucy自由詩18*13-5-30
自分お料理は苦手なんだけど今夜はカレーライス- Lucy自由詩26*13-5-14
遠くから見る- Lucy自由詩16*13-5-2
風読み- Lucy自由詩12*13-4-29
ホットフラッシュガーデン- Lucy自由詩11*13-1-22
本当に怒っているとき- Lucy自由詩16*13-1-19

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