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         加齢にせきたてられ
          老化にさいなまれ
      しののめの 青いひかりも
           知らず 解らず
     レム催眠に 翻弄されている
 ....
 すっかり風は乾いてきた
 めっきり光はにぶってきた
はっきりヒヨドリは告げにきた
     節気と気温と気炎とを

遠くでショベルカーが唸っている
     近くで木魚が称えている
  ....
遥かに漂う四次元よ
         聴いておくれ
もう おいらの青い春は
        赤い夏は
         白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかり ....
      朝刊に折りこまれた
     それは裏面が真っ白な
    パチンコ屋のチラシ広告
(メモ用紙にと気をきかせたのか)
            そして
     無聊に明け暮れてい ....
去る日──
 虚空は躁病となって
  ルビーの文月が真夏日となった

風と光と雨と土は
 ぺんぺん草だけを増長させた
  趣きの貧相なおらが裏庭一面に

あゝ 網戸をすりぬけて匂ってく ....
入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
   担当の女性看護師から
   米寿 おめでとうございます と言われ
   ....
上機嫌な風で
庭木は味わっている
舞踊のたのしさを

  光の誘惑で
  トカゲは試みている
  逍遥のうれしさを

    「時」の流転で
     おまえは味わっている
    ....
ゆく夏を惜しむ理由でもあるのか
  とぎれとぎれになってしまった
    ひねもす続いたアブラゼミの読経

くる秋を愛おしむ理由でもあるのか
  まぶしく映えて行き交うようになった
    ....
ほんぐもりではない
  うすぐもりでもない
うすばれともいえない
  どくとくのつゆぞらである
でも 紫外線はいちばん恵まれるという
  四季を通じて

いつのまにか ゆびがすべって
 ....
     もはやそこに音楽はなく
           遠雷だけが
     Erosの扇をひろげていた
      regretの沼にむかって

  日常の仮面が剥ぎ取られるとき
根源的 ....
        せつないという
        ことばのおもみ
    それは こころのなかの
         どのぶぶんに
  のしかかってくるのでしょう
            きっと ....
           競歩のまねして
      ちゃちな市道をすりぬける
野末には瑞々しい水田がねそべっている
 くろはえにすなおな いとけない稲は
    衣擦れのそよぎこそないものの
 ....
    庭土が連日の梅雨で 満足げに
         雑草まで育てている
   庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
      みどりの息を弾ませている
       そして 生垣の隙間には
 ....
      町並みが息を潜めているのに
   プロムナードは息を吹き返している

    空がセレナードを奏でているのに
      海はレクイエムを歌っている

   風が雑木林へ愚痴を ....
遠くで
律儀な救急車がうなっている
吸血に余念のない 藪蚊のように

近くで
躾のない飼い犬が吠えている
違反者を追う パトカーのように

傍らで
しかめっ面が息をこらしている
縄 ....
  結膜や角膜も干上がっている
   内耳や外耳も塞がっている
    鼻翼や鼻腔も欠けている
   口腔や口唇もむくんでいる
        そんな そんな
     孤高の埴輪を黙殺して ....
           梅雨空が
あさぎいろに変色しはじめるのは
          いいもんだ
  たとえ群青色にならなくとも

         散策の途次で
   草いきれが臭ってくる ....
   生成のサウンドを折りたたんでゆく
          たそがれが訪れると
       にぶくなったひかりのなか
   夕刊を斜め読みする紙音だけが囁く
                 ....
       ひとつの想いが
  なぜか こむらがえりする

 紋白蝶と日傘が舞いはじめる
      梅雨のなかやすみ

遠くでうかびあがったなにかが
かげろうとなって近づいてくる
 ....
たそがれにはまだはやい昼さがり
   水無月のかげをのみこんで
       「もぅいいかい」
        「まぁだだょ」
  公園広場のいとけないぬしが
       とびまわっている ....
   新緑はリビングの奥まで染みこみ
  薫風はねこぜとうなじを舐めまわす
             梅雨入り前
  日向と日陰がくっきりと区分された
              広場では
 ....
  「死」んでしまったものが
        ひとつもない
 「死」においやられるものは
        ごまんとある

    「生」きているものが
        ひとつもない
   ....
    医学では原因不明のことを
 特発性とか本態性とかいうそうだ
    これはそのひとにとっては
          偶然性なのか
            それとも
     必然性のも ....
はるは蝶とささやきあい
  なつには蝉とうたいあい
    あきはむしとなぐさめあい
      ふゆにはみみずと遊びあい
風とは笑顔でダンスしあい
 光とはすなおに握手しあい
  雨とは ....
雑木林は沈黙しているが 唖ではない
いつでも木々が 旧友のように
語りかけてくれる

雲は浮かんでいるが 不動ではない
いつでもミルキーウェイのかぜと
同行している

生は死への旅立ち ....
半世紀前は何を夢みて 
    何を信じてたのかなぁ
四十年前は何を聞いて 
    何を考えてたのかなぁ
三十年前は何を眺めて 
    何を選択してたのかなぁ
二十年前は何を呟いて 
 ....
惰性的な円グラフよりも
    もっと見栄えのしないのは
       妥協的な帯線グラフです

妥協的な帯線グラフより
    もっと見苦しいのは
       安逸的な棒線グラフです
 ....
    病窓のむこうにはあふれていました
ゴールデンウイークのうきうきしたひかりが
 中庭の木立のあいだにもながれていました
       みどりに薫るそよとのかぜが
             ....
        みることは きくことです
     きこえることは みえることです
   そして おもいが なみうつことです
 
    そのうえ くちびるをむすぶことで
 とびかう よじげ ....
北大路京介さんの信天翁さんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
街はずれの譫言(四)- 信天翁自由詩314-10-24
街はずれの譫言_五- 信天翁自由詩314-10-18
ケロイドも忘れて_七- 信天翁自由詩614-8-29
折り紙- 信天翁自由詩714-7-18
残された時空- 信天翁自由詩414-7-5
白い狼煙_八- 信天翁自由詩714-5-24
立ち枯れて- 信天翁自由詩812-11-23
とある日(八)- 信天翁自由詩212-9-2
忘れただけで・・・- 信天翁自由詩412-6-10
皆既月食- 信天翁自由詩507-8-30
肌着- 信天翁自由詩307-8-18
その名に- 信天翁自由詩407-7-24
ひととき- 信天翁自由詩907-7-17
にびいろの声紋(六)- 信天翁自由詩307-7-8
nil- 信天翁自由詩307-7-3
守護神- 信天翁自由詩207-6-30
いいもんだ- 信天翁自由詩507-6-27
落日- 信天翁自由詩507-6-24
ひとつの想いが- 信天翁自由詩307-6-20
平安- 信天翁自由詩207-6-17
ささやかな祝典- 信天翁自由詩307-6-12
声色- 信天翁自由詩507-5-22
whistle(6)- 信天翁自由詩207-5-14
微吟(四)- 信天翁自由詩807-3-12
いつでも- 信天翁自由詩507-3-3
Bubble- 信天翁自由詩507-1-29
自画像- 信天翁自由詩406-12-24
入院-白そこひの手術にて-- 信天翁自由詩606-5-4
時の重さ(⑲)- 信天翁自由詩706-3-9

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