すべてのおすすめ
秋高し聞こえて来るは夢の果て おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手

静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いく ....
     ある日、
     (傘を忘れてしまった

     朝焼けに焦れた視線が
     日影の後ろ姿を おいかけていった
     風光は二度と再び帰ってこなかった

 ....
青い血で書かれた水曜性は、
{ルビ万年青=おもと}の実となって赤く結ばれる。
ある、いは、いつになく遠く静かな空で、ある。

店員が しきりにすすめてくる
玄関先に どうかしら
と自分に問 ....
苔むして 夏の日足に 映える石 うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
{ルビ空中線=アンテナ}に張ってある
鬼蜘蛛の巣が
霧雨にぬれて
{ルビ銀色=しろがねいろ}にゆれている

   風を孕んだかなしみが
   失せた振動鳴きつくす
   ああ

空中 ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
曇天のもとをあるく春



ふつふつと田のあぜにふきのとう



椿咲くかげで地蔵がてをあわせ
とおくみつめる

あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
 始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
かえるところがあるのならば、それでいい)


   お葬式

カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
 ....
  雲

あんまり空が
低いので
私は泣いて みたのです

いいえ私は泣きません
ひとつも涙は零れません
とけてゆかない成分だから。


  ひとり

あなたをきずつけぬよう ....
わたくしは、
そ知らぬ仕種で
かおる紅茶をなめる。
風に頁がめくれようとも
見果てぬ大空が翻ろうとも
わたくしは、
そ知らぬ
今日に
ほころび
いつかあえる
光子の微笑む
丘の上 ....
いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ

それでも振りか ....
それから(あ…

涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりの ....
北大路京介さんのこしごえさんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋高し- こしごえ俳句1*11-10-9
鎮魂歌- こしごえ自由詩15*08-3-8
うすげしょう- こしごえ自由詩13*08-1-7
白い顔- こしごえ自由詩9*07-12-12
(零雨の予感)- こしごえ自由詩9*07-7-28
黝い手跡_(あおぐろいしゅせき)- こしごえ自由詩22*07-7-21
夏のある石- こしごえ俳句5*07-7-16
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
真実- こしごえ自由詩17*07-6-22
空き家- こしごえ自由詩17*07-6-19
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6
散歩途中三句_(元)- こしごえ俳句9*07-4-9
時雨れる少女- こしごえ自由詩28*07-4-4
故郷における影- こしごえ自由詩33*07-3-30
かなしみ- こしごえ自由詩34*07-3-19
月とあおい春- こしごえ自由詩16*07-2-27
群青を連れて- こしごえ自由詩27*06-12-24
流舞結晶_〜冬のクジラとさいかい〜- こしごえ自由詩26*06-12-10

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する