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拾った缶詰に
「宇宙」とラベルが貼られてて
持って帰って
缶切りでキコキコ開けた

空っぽだった

別にがっかりはしなかった
きっと誰かが
いつかの宇宙を
閉じ込めておきたかっただ ....
大根の葉についた青虫を
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
青虫を見つけては
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
そして小さな畑を一周する

朝の仕事を終え
しばし畑を見つめ ....
親からもらった名を
30数年飼っているが
これがなかなかなつかない
気づくとどこかに行ってしまうので
私を呼ぶとき
みんな仮の名で呼ぶ
仮の名は20個くらいあって
ずっと傍にいるもの
 ....
ある時は弟になりました
川に流された弟の
お姉ちゃんとお父さんを励ましました
お母さんはいなかったので
お父さんは一人で子どもたちを育てました
お姉ちゃんはお嫁さんになって
 ....
はぐらかしてる
1日数ミリずれて
いつかここではないどこかへ

そうやって進む
何かに押し出されるみたいにして

1日1歩にも満たない
でも、
生まれた場所と
死ぬ場所は少し違うか ....
ごめんね、は
狡い

甘くて
とても
狡い

ごめんね、は
優しい

冷たくて
だけど
優しい

ごめんね、と
涙を流す
わたしは
狡い

ごめんね、を
受け止 ....
心にもないことを言うときは
心はどこにあるのだろう

言う言葉だけがそこにあって
心は上空三メートルくらいから
こちらを見下ろしている

だからあの人とは
いつまで経っ ....
カレンダーが揺れています
風が流れているからです

カレンダーの中の文字
ひとつかふたつ
いなくなりました

明日は0時半に
公園で待ち合わせです

蛙と星でも
見ようと思います ....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
 ....
生まれたときにもらった種に
水をあげようと
じょうろに
たくさん水を汲んでいた
少年がいました

だけど、少年は
水を汲んだ帰り道に
少年と同じように
植木鉢に水を欲しがっている
 ....
ばあちゃんの野菜は
やわらかく
大根は一時間も煮れば
中まで味が染み込む
ジャガイモは
カレーに向かないくらい
すぐ溶ける
竹の子も灰汁がすぐに抜ける
とっても素直な野菜たち

二 ....
青空を見ているときは
星空をわすれ

かき氷を食べているときは
雪をわすれ

かなしみが沢山のこころは
よろこびをわすれ

大人になると
子どもをわすれ

山を登る ....
なんにもないから
そらはくもをあつめた
じぶんを青くぬった
そしたらみあげる人がいた
そらは青いって
詩をかく人がいた
そらはいった
おいでよ、おいで
でも、その詩 ....
もう会わない人が夢にあらわれて息子と夫に背を向けている




初恋は夫なんです本当に誰に言い訳しているのやら




日曜日夫のてづくりおにぎりを大きな口で子と食べる ....
ボールが転がる音がして
振り向いたら
それは冬が去っていく音なんでした

冬は寒いものを転がして
古くなったものを巻き取って
辺りをふかふかの風景にしていきます

それが春なんでした
 ....
子供の前で大人のふりをした

洗濯物の前で大人のふりをした

鏡の前で大人のふりをした

悲しみの前で大人のふりをした

ママ友の前で大人のふりをした

雪の前で大人のふりをした
 ....
新しい家が建つ
白い壁の真新しい
まだ誰のにおいも
染み付いていない
新しい家が建つ

そこに小鳥が住むとして
わたしは祝いに何を贈るだろう

わたしは熱い熱い珈琲を飲む
冷えた体 ....
化粧を落としても
わたしは見えない
そこには
皺と染みの増えた顔があるだけ

わたしはまだ
様々なことに怯え
かたかたと震える
小さな小さな
わたしだというのに

化粧を落として ....
変わらない日なんてない
水溜まりは乾き
草は地面を覆う
飛ぶ鳥は雲を追い
日は速度を落として沈む

変わらない日なんてない
日記は二日で書かなくなり
アルバムは途中から白紙のまま

 ....
本を破り捨てたことなんて初めてだった
そんな自分に驚いた
それほどまでにわたしは疲れていたのだ
それほどまでにわたしは一生懸命だったのだ

一歳四ヶ月の息子はまだ歩かない
育児本なんてクソ ....
寝息を立てる
わが子に思う
一生、そのまま
かわいい赤ちゃんのまま
わたしのそばを離れず
わたしを一番ひつようとし
憎まれ口もたたかず
ただ、ひたすらに
一生懸命たべ
一生懸命あそび ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった

書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした

書こ ....
悲しさと寂しさは
似ているようで違う
悲しさには少し
怒りの気配があり
寂しさには少し
温もりの気配がある

楽しさと嬉しさは
似ているようで違う
楽しさには少し
短さを感じ
嬉 ....
当たり前のことを

当たり前と思わないことで

幸福になれると

君の小さな鼓動を聞いて

知りました
生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
あまりぐずらないで欲しいと思ってしまう

生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
賢くなって欲しいと思ってしまう

生まれてきただけ ....
湖は空を映している

それは私と息子の関係に似ている

澄み切った青色の空を
湖はより澄み切った夏色で

そういう風に生きて欲しくば
そういう風に生きていこう

叶うかどうかは ....
きみがいるだけで
どこからかちからがわいてくる

きみがいるだけで
そらをもとべそう

きみがいるだけで
ちきゅうのうらがわまではしっていける

きみがいるだけで
こんなにもなみだ ....
風は飛んでいた
どこまでも飛んでいけた
そんな自分が誇らしかった


風は飛んでいた
飛ぶことしかできなかった
その運命に涙を流して
嵐を作った


風は飛んでいた
嵐を作るの ....
わたしが死んだら
なるべく生き物がたくさんいるところへ
なるべくそのままの状態で
置いておいてください
土にかえったり
誰かの一部になったりして
わたしはわたしの
いのちを分解したい ....
おひさまは
毎日うまれて
毎日しんでしまう


しんでしまったおひさまは
地球の裏側を
じつは照らしていることを
わたしたちは
ちゃんと知っている


しんでしまったひとさまも ....
北大路京介さんの小原あきさんおすすめリスト(114)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宇宙の缶詰- 小原あき自由詩6*16-1-26
呟き- 小原あき自由詩815-10-2
名づく- 小原あき自由詩8*15-9-26
黒い犬の話- 小原あき自由詩16*15-8-29
進み方- 小原あき自由詩4*15-4-18
ごめんね- 小原あき自由詩8*15-4-3
心にもないこと- 小原あき自由詩8*14-8-4
カレンダー- 小原あき自由詩7*14-7-21
星を食べた少女- 小原あき自由詩13*14-6-20
少年の話- 小原あき自由詩7*14-6-13
ばあちゃんの野菜- 小原あき自由詩10*14-5-10
いいんだよ- 小原あき自由詩13*14-5-7
そらは青い- 小原あき自由詩12*14-4-26
初恋- 小原あき短歌4*14-2-27
春待ち- 小原あき自由詩11*14-2-25
まく- 小原あき自由詩17*14-1-20
新しい家が建つ- 小原あき自由詩8*13-12-4
仮面- 小原あき自由詩9*13-11-22
変わらない日なんてない- 小原あき自由詩10*13-7-23
育児本- 小原あき自由詩12*13-7-22
絶対に大人にならないこと!- 小原あき自由詩16*13-7-2
書こうとしたことを忘れてしまって- 小原あき自由詩21*13-1-13
似ているようで- 小原あき自由詩11*12-11-15
小さな力- 小原あき自由詩9*12-10-8
生まれてきただけで- 小原あき自由詩9*12-10-6
夏色の湖- 小原あき自由詩10*12-7-24
むすこへ- 小原あき自由詩10*12-5-9
飛んでいた- 小原あき自由詩6*12-4-28
わたしのいのちは天(そら)へはいかない- 小原あき自由詩16+*11-8-19
おひさまひとさま- 小原あき自由詩9*09-12-24

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