IHクッキングヒーターが来た日に
イナエ

ちりちりと音立てもえる炎には
踊る火の子どもがいて
芋が煮え 栗が爆ぜた

囲炉裏の炎に燃え上がった
ファンタジー
雀が踊り 鬼が泣き
ああ 狸の背でもえる炎
を冷ややかに
うさぎの目でみていた子供のころ

だが 
もう炎はない
火の子は消え
狸も焼かれることはない
赤い光の輪の中で
湯が沸き 芋が煮える 


自由詩 IHクッキングヒーターが来た日に Copyright イナエ 2014-04-01 11:02:42
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