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渇いた瞼に浮かび上がる人影
昇り損ねた月が沈む辺りで
ひと滴の涙も見当たらない
ノックの響かない扉の向こう
風の通らない廊下で
お皿に並べた低音のハミング
半透明が重なる花 ....
昨日哀しみを突き放し
今日の瞼は何も隔てない
地表を渡る細波を
裸足でなぞり
葉の無い枝のように
四方へと手指を広げている
数羽の鳥が羽を休める
屋根の上には
ソーダ色の空が
....
ぼくがいなくなっても
さみしくないように
きみのまくらもとに
ちいさなかみさまを
おいておくよ
あるばんにだれにも
はなせないことがあったら
ちいさなこえで
ちいさなかみさ ....
こんどは
そらだけを
みつめて
いきられる
ものに
なりたい
にちようびが
しゃらしゃらとやってきた
とろとろしてたぼくは
もそもそして
ぽやぽやして
むしゃむしゃして
またとろとろした
それからすこし
かなしいゆめをみたぼくは
めそめ ....
たあいも ないことで
かんたんに
きずついたり
しぼんだり
やわらかな
きみの たましいは
まいにち とっても
いそがしい
だけど どれだけ
いそがしくっても
....
ことばにならないこと
ことばにするから
やさしい
かたちをもたないもの
かたちにするから
たのしい
なんでもあるようで
なんにもないせかいと
なんにもないようで
なんでも ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう
降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう
始まれば ....
光と影の悪戯な満ち引きに操られるように
僕の足は急いだり止まったり
そして派手に曲がった{ルビ歪=いびつ}な足跡が
僕のたましい
美しい汚れと汚れた美しさの
どちらにも触れながら首を ....
窓際で
君の寝息を背中に聴きながら
どう仕様も無く渇いた空を
見つめていた
形にならない雲と
伏せ目がちな太陽と
遠く飛ぶ鳥がすっかりと
吸い込まれてしまうまで
いつか ....
そこはまるで
ひとつの街であり
ひとつの物語でした
私はもう誰も居ない
公園のブランコに
キーコキーコ
と揺れていて
さようならの練習ばかりを
しています
あなたには ....
朝をはじめる太陽は
まるで線香花火のようで
小さく揺れるその玉は
何も迷わず空へ空へ
紫に寝惚けた水平線を
橙に燃やしながら昇っていく
やがて膨らみ色を変え
放つ光は僕を丸ご ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている
土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線
川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える
背中を温める夕焼けが
実 ....
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている
最近雨が好きになったのだと
君は言う
明日も雨が降ればいいねと
僕は言う
壊れたテレビを何度でも
....
無数の花びらたちが帯のように
川の両端を縁取りながら流れている
私は冷たい雨にかじかんだ手のひらで
傘を握り橋の上からそれを見ていた
けれど川にも街にも花びらにも色は無い
ふと見れば ....
木の枝が重ならずに生きていくことを
描き言葉と伝え言葉が生まれる
それぞれの心の在処を
まるでひとり言でも呟くように静かに
少し楽しげに君は教えてくれる
大きな木の根元に寝転んで
....
しずかなばしょにいきたい
じかんのながれをいちみりもかんじない
しずかでしずかでいろのない
そんなばしょにいったら
わたしはあしをのばしてじべたにすわる
まっしろなそらをみあげる
....
みどりいろのタネから
ぼくはうまれた
うまれたときから
ぼくにはポケットがあって
そこにはぜんぶが
つまっていたけれど
たいようにこがされたり
あめにしみこまれたり
ほしに ....
いつの間にか夜が短くなった
それに合わせるように私はとても無口になった
いつもの裏通りには
見当違いな質問ばかりが飛び交い
静電気を帯びた優しさが充満している
声を紡ぐ旋律が見つから ....
今夜の空に2つの月が浮かんでいる
どちらもまあるく太った月だ
その色もその形もまるでそっくりおんなじなのに
照らすあかりは全然違う
右の月は煌々と
くっきり僕ら ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる
たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる
何度も傘が破れて ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
北大路京介さんの松本 涼さんおすすめリスト
(22)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
あぶく
-
松本 涼
自由詩
4
08-2-9
記号
-
松本 涼
自由詩
11
08-1-2
ちいさなかみさま
-
松本 涼
自由詩
11
07-12-25
こんど
-
松本 涼
自由詩
8
07-7-27
しゃらしゃら
-
松本 涼
自由詩
7
07-6-25
やわらかなひと
-
松本 涼
自由詩
9
07-6-18
ピース
-
松本 涼
自由詩
11
07-6-12
ネガ
-
松本 涼
自由詩
18
07-6-1
首をかしげて
-
松本 涼
自由詩
10
07-5-14
渇く空
-
松本 涼
自由詩
10
07-5-12
ブランコ
-
松本 涼
自由詩
7
07-5-12
光の日
-
松本 涼
自由詩
11
07-5-1
デッサン
-
松本 涼
自由詩
13
07-4-18
さみしい子供
-
松本 涼
自由詩
16
07-4-9
色彩
-
松本 涼
自由詩
11
07-4-5
さくらの日
-
松本 涼
自由詩
12
07-4-3
しずかなばしょ
-
松本 涼
自由詩
8
07-3-31
みどりいろのタネ
-
松本 涼
自由詩
16
07-3-13
短い夜
-
松本 涼
自由詩
8
07-2-28
2つの月
-
松本 涼
自由詩
8
06-11-27
ひたむき
-
松本 涼
自由詩
13*
06-11-19
私はとても小さいので
-
松本 涼
自由詩
114+*
06-1-2
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