木曽路より伊那に
生田 稔

木曽路より伊那に

湖の大津市を出て今日一日景色を眺めかく歌にせむ

クリスチャン五十年瞬く間過ぎ神信じても人は儚し

車乗る四人はみんな信仰にいそしむ人にありにけるかも

話し合う会話の中に富士の山、京にて見ゆる日あるとかや

トンネルをいくつも通り木曽路には紅く色づく山野ありける

木曽路きてそばを食べけり妻友と二段そばなり田舎味なり

伊那広し眼前に開けるこまかき家屋無数なり

雨降りの伊那の街路に親しみて田畑の中の路走りゆく

妻とともゼリー幾つも食べてみていささか買いて店出てゆく

雨激し天に運おきかくかくに八十歳を生きにたりけむ

山並みがつづく山道伝いつつ軽四輪の吾らが車

神無月末日の旅夕暮れて日のさす道を辿りたりけり

伊那に来て二日泊まりて去る家にさいわあれと祈るのみなり






短歌 木曽路より伊那に Copyright 生田 稔 2015-11-03 11:00:57
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