呑まれる
ひだかたけし
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた
)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
祈るように手を合わせていると
しかし、
渦巻く非人称の意識に
私が 私が見る世界が
みるみるうちに呑まれていった
在ることの 驚きが 今日もまた
自由詩
呑まれる
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ひだかたけし
2020-01-29 19:51:15
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