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世界の
まんなかにいたのに
すみっこにいた
すみっこにいたのに
まんなかにいた
風向きひとつ
陽射しの強弱
空腹感
あいまいで ただ
わたしにすっと落ちてくるもの
巣のない ....
雨に濡れた路面が
世界を映し出す
あいまいな
黒い世界
行き交う人々の
足音に表情はない
遠くに延びる
路面の先に
視線をくべる
前途が
黒く輝く
燃え上がる
感情を取り除かれ ....
書くことで
いま
始まるかもしれない
もちろん何も
始まらないかもしれないけど
始まりも終わりも
あいまいに漂っている
生も死も
そのときには
わからないのかもしれない
知 ....
僕という生命体に
物質が凝縮されているうちに
言いたいことを言ってしまえ
恥じらいと
体裁を
かなぐりすてて
奥底から飛び出す ことば
ぜいたくものの代わり
顰蹙なら買い占めてしまえ
....
日の出前
生命以前の静寂
ただ刻々
事実だけが降り積もり
上滑りしていく感情
淀んだ意識のまま
時間をやりくりし
このような自分だ
と凝視する朝
いちゃもんを
自分で自分に
つけ ....
どこで食べても
お味噌汁はご飯の右
ぼくはこの配置が苦手で
いつも、必ず
ご飯の左に置き直す
お味噌汁が右にあると
右手で倒してしまいそう
その不安でいっぱい ....
ラッシュアワー
スクランブル交差点
運ばれては行き交う無言の人々
傘がないから
雨に濡れた
言葉を失うと
僕らは何を失うだろう
寄り添い
抱き合い
....
定型というか
規則性というか
常識、
節度と言ったっていいかもしれない、
生き方っていうのは
どうしたってある程度の
種類というのか
区分というのか
そ ....
人間どもの
情念の切れ端が
いちいちこの世に刻まれてしまったなら
この地球も
いつしか宇宙の隅々までも
僕の狭い部屋や
遠いどこかの山村までも
情念で切り刻ま ....
路面
傘
ボンネット
木々の葉
草花
僕の手のひら
あらゆるところに降り注ぐ雨粒の一粒一粒が
耳を澄ませると
万別の音階で
声色で
思いで
....
生きているといろいろ苦痛だ
生きることはほぼ苦痛だ
苦痛以外のことどもは
いっときの過ちだ
一文字一文字
の組み立てを試行錯誤しているとき
たとえば「の」を「一文字 ....
いつも同じにしてるのに
甘い日と
苦い日
傘を持っていっても
いかなくても
はずれそうな空
一杯だって
同じ珈琲はないんです
しても
しなくて ....