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筆を置いた
彼はしかし
ここに居たかった
墨の濃さをも知らぬ取り巻きに
筆は必要なく
そして彼は ペンを手に取った
彼が綴る言葉には
どんな言葉よ ....
好き
嫌い嫌い嫌い
嫌いになれないくらいに
あなたが好きだから
やっぱりすごく嫌い
なんだか癪にさわる
もっと全力で
私を好きになってほしいから
鏡 ....
遠い思い出
青い海
浜辺でお昼寝
鯉の甘露煮
砂だらけのシャワー室
赤い車
もう戻らない
ふたりの時間
茶色い段ボール箱
何を入れてあげようか
寒くなってきたから
やわらかい膝掛と
寒くなってきたから
暖かい手編みのマフラーと
あの子が寒くないように
茶色い段ボール箱
....
月夜の晩
森の駄菓子屋で
自由を買ったら
孤独がおまけでついてきた
晴れた朝
海の駄菓子屋で
自由を買ったら
涙がおまけでついてきた
月夜の晩
森の駄菓子屋で
束縛を買 ....
色んな事で
頭が胸がいっぱい
誰かに聞いてほしいけど
誰かに聞いてほしいのに
誰にも言えなくて
まるで湖の底で
蝶を探しているような
ビルの屋上から
釣り糸をたらして ....
真っ白く
真っすぐになりたかった
どう見えるかなんて
どうでもいい
私は私を演じるのではなく真っすぐに
真っ白になりたいのだ
黒く見える染みのような汚れさえ
真っすぐ ....
とん
と背中を押された
ためらっていた足が
転ばないよう
身体を支えるように一歩
また一歩
歩き始めた赤ん坊のように
ぎこちなく踏み出した足と心
こ ....
こんなにも遠くまで来てしまった
振り向けば知らない場所
戻ると言っても
来た道さえわからない
共に歩いてきた人は
私から離れた場所に見えるだけ
四方八方に向かい歩いてい ....
時間が闇にこぼれてる
少しづつ
さらさらと
砂時計の砂のように
気付かなかった
もし気付いていたら
私はソレを
止めることができたのだろうか
こぼれ ....
父の命日がある季節
春
お墓参りもあまり行けず
貴方がどんな人だったか
よく知りません
私が私として生きている中で
一番イヤだったのは
貴方の世界に引きずり込まれ
貴方の ....
黄金の海
濡れた貝殻
子供の笑顔
暖かい手
鼻にかかった低い声
大きい背中
優しい笑顔
二人の時間
神様は意地悪
いつかなくなるものならば知らないままでいたかった
....
懐かしい声から
その表情が見える
突然消えたその人は
数奇な人生を送り
普通の人生では
見ることのない風景の中に生きた人
老いた目蓋の奥に
鋭い瞳を覗かせて
奥底から笑 ....
心を投げた
思いっきり投げた
何度も何度も
あの人めがけて
投げ付けた
ぶつかり砕けた心の
小さく泣いてる破片まで
あの人は
ひとつ残らず拾ってくれて
まあるく丸 ....
目の前にある林檎
赤く赤く鮮やかに
もしも
私に見える林檎の赤が
他の人には
私が見ている葡萄の色として見えていたとしたら
私は他の人が見えている葡萄の色を赤だと思っていて ....
秋の宝石たち
風に乗って
宝石のまわりを音符が踊り
ポップコーンみたいな瞬間の勢いを見せてくれた
手をのばせば届きそうな宝石
私の頬についた
大きな大きな
キスマーク
冬の花火を
震えながら見ていた
屋上のベンチ
恥ずかしがり屋の貴方が
私につけた
俺専用って印
あざか怪我かと間違うくらいの ....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
見つけた
奥深い森の中に
ぽつんとあらわれた
絵の具を溶いたような
青い湖
ここに
私の希望が
泳いでいるような気がした
水面を風が舐め
さわさわと騒めいている
深緑の中に
ぽつんとあら ....
夢を見た
走り続ける夢
人混みを駆け抜け
雨の中を走り
まだ走る
走り続ける夢
いったい私は
どこへ行きたいのか
何になりたいのか
泥に飲み込まれるような疲労 ....
雨よ
私を砕き流し
消し去っておくれ
灼熱の太陽よ
私を溶かし
消し去っておくれ
いくどとなく
願った思い
叶うはずもなく
今日も自分の罪に罰を与えられ
....
そこにあるものは
全面を青く塗り潰した
あたかも絵のように飾られたもの
ある男は言った
ただの青かと
ある女は言った
涙の絵なのねと
子供は言 ....
透き通る空
どこまでも青く
爽やかな風は
部屋をかけぬけ
昨日までの憂鬱を
持ち去ってくれる
空を見上げ
吸い込んだ空気
体内で粒子になって
私の細胞に
元気をくれ ....
歩みを止めて
立ち尽くし
しゃがんでしまった
立ち上がらなきゃ
そう思うけど
思えば思うほど
立ち上がれない
いいジャンプをするために
そうだ
いいジャンプす ....
七色の虹
雨上がり
ふうわり浮いて
ここまでおいで
って言っている
追い掛けるけど
触れなかった
七色の虹
全部合わせると光になるって聞いたから
クレヨンで光を作ろうか
白い画用紙の上 ....