街の喫茶店で
番田
僕はゴーヤを育てている
最近 ベランダで だけど 何も無いよりましだろう
僕が育てている ゴーヤは 鑑賞するには
あまり美しい植物ではなかった
そして僕はコーヒーを飲んでいた
ぼんやりと でも 僕は
君の住むこの街から パンを囓って 僕が思う
住みたい世界に出て行くつもりなど僕にはなかった
*
海で 戻ってこないシュノーケルを探した 君が流された波の際と
僕との間に ライフガードが立っていた 浜辺のどこかで
君がシュノーケルを流されたという
海で 最近 僕は 泳いでいた
そして痛々しい あの もう二度と届かない メールを
突然読まされたことを 思い出す こんな晴れた日に
すでに亡くなったという
君の母親のことを知らされた時のことを