街の喫茶店で
番田 


僕はゴーヤを育てている
最近 ベランダで だけど 何も無いよりましだろう
僕が育てている ゴーヤは 鑑賞するには
あまり美しい植物ではなかった


そして僕はコーヒーを飲んでいた
ぼんやりと でも 僕は
君の住むこの街から パンを囓って 僕が思う
住みたい世界に出て行くつもりなど僕にはなかった

*

海で 戻ってこないシュノーケルを探した 君が流された波の際と
僕との間に ライフガードが立っていた 浜辺のどこかで
君がシュノーケルを流されたという
海で 最近 僕は 泳いでいた


そして痛々しい あの もう二度と届かない メールを
突然読まされたことを 思い出す こんな晴れた日に
すでに亡くなったという
君の母親のことを知らされた時のことを


自由詩 街の喫茶店で Copyright 番田  2014-08-11 01:16:20
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