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パンが食べたい
結婚して子供をもうけたが
三十過ぎに発覚した病が原因で離婚
その後は親もとで闘病生活の女性を担当している
駅前のマクドナルドで聞いた
きみの近況
脳下垂体の異常 ....
拙くてもぼくは「君との失踪」を書いて、それが
じぶんを覗いた初めての瞬間
いつとはなしに、その詩が消えてからは
じぶんの覗き方も変わってしまった
(水のように流れて、もはや字面には戻れなか ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける
うっすらとほの暗く ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ
わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
....
あかつきに浮かび上がる
公務員宿舎と電電公舎
ひとり走って戸に挟む朝刊
サン、サン、イチ、ヨン、ニ、イチ、ニ
口をつく勢い
少年だけの暗号
また足音のように、それはやって来た
....
嘘をついた少女の
大きな大きな麦藁帽
忍びよる
祈りの歴史
また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだ ....
鰯
陸に上げれば
日保ちのしない魚で
「卑しい」が名前の由来だと
腐って臭うので
頭を、柊の葉の刺と合わせて
節分に鬼の退治といわれた、モノで
これがまた平安と呼ぶ
わたしには途方 ....
我々はこまかい罅を 感じている
誰にもある
あかるい三月の路上で
したたるような朝がまぶたをひらいた
我々がおもえば
頑固な落葉松の ひきしまった松根の一本や二本
適度なふかみの罅がはいる ....
校庭跡に残った桜の木
ビルに挟まれてわかりにくいが
駅の改札口を出てほどなくのところに
ふと足が向いてしまう
今はないという
桜田小学校
晴れの日の緑はすがすがしく
ベンチで
ブランコ ....
著作権は著作者の死後五十年を経過するまでの間、存続する。
(著作権法 第五十一条 第二項)
死んでも背負(しょ)って、あるくものだと思ったか
だれ ....
日比谷線はいう、秋葉原、小伝馬町、人形町、人形とは「ひとがた」、エレキテルな水平移動の装置から視神経に憑りつく駅名は、脳のどこかの襞裏で痺れ、角砂糖のように崩れ、蟻の行進に流れてゆく、投げ返してくる、 ....
小さな
ぼくなら
海の近くから
人ごみにでては 浮かれた音楽を聴いたり
アメリカ映画ばかり
まるで
大人の挨拶のようにきみが呼ぶから
ぼくはきたけれど
いつにない星 ....
気がつくと
幻影は去っている
残された静けさが
開放感と
自分であることの証しの取引が済んだことを
物語っている
不思議なもので
心の中から自由がきたとき
彼は門の鍵 ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
この一撃の
あなたの形容
(かかわり、受胎、伸びやかな意思)
(あなたのオリエントが、運河を手繰りよせる)
鞭をつれ
あくなき質を崇める欲求の
黒いヒステリックが
あなたに覆いかぶさる
....
六月の朝に好きな人に会う。
新しいときの創造は過去を手放すことなのに、音をたてて崩れる国のまえで、いまは少しも淋しくなれない。
ほんの小さな単語たちにも特権は与えられる。神は完全な意味で公 ....
わたしにある
他者の相
他者は正月にもちを食い
他者はゆっくり風呂に入る
他者は身繕い
他者は出かけ
他者は恭しい
他者は賀し
他者は帰り
他者は脱ぐ
他者を脱ぐ
ひ ....
できるなら
現場(そこ)でも祝福の気持ちでいたかった
たとえば
生涯一度の自分の家なら
これに関わるすべての人に
笑顔で労してほしいじゃないか
+ + +
行きの渋滞を避 ....
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とり ....
木箱の扉は
下辺が蝶番で、上からゆっくり開き
外に倒れてスロープになる
岸壁づたいに太い蔦
滑車一本で昇降できる
ロッジ部屋のような
木箱のつくり
+ + +
....
街で
首を竦めてぼくはひとり歩いていたのですが。
日暮れ色で賑わう通りでは
うっかりしていると
さっさと擦れ違ってしまいます
だぶだぶな外套(オーバー)に身をつつみ
壁のような背中 ....
じぶんのなかの書きたいことが霞んできたらそれこそ終わり
バランスとってんじゃねえよ
1
耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの
2
めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
礼を尽くして
空き缶をいただく
あなたの日々は
わたしの知らないところで
正々堂々
みずからの命と向き合っている
早朝
髪をかき乱し
欠伸をしながら外に出る
籠にあふれるビールの ....
(月曜日)
案内板にうかびあがる
現在地
朱い
☆型
ルーツ
(火曜日)
水母をブイに
海図がうごく
あげるよ
権利証書の見返りに名づけた
「どこ ....
歩くのはいつも なまの義足
寄木細工のじん帯をか細い骨で震わせながら
足裏に
肌合いのわるい
なじめなさを押しつけても
二つのものが 交互に役割を担うから
どこか
と呼ばれるcell(セ ....
公的扶助の受給者の列を写せ
民は思う
なぜ、もっとしっかり生きないのか
貧困で餓死した親子の部屋を撮れ
民は思う
なぜ、生活の保障を受けないのか
国や自治体の生活保護行政の抜け穴を ....
球い地球の表をめぐる水の一部が
立体の水槽に拉致された
左右にたなびく水草を移植し
静止した
とうめいな境界線まで
眼光のアフリカンランプアイが群れる
コントラストにまぶした ....
感覚は、何かがあることを教えてくれる。
それはその物が何であるのかは伝えないし、
その物にまつわる他のことを伝えてもくれない。
ただ何かがあることのみを知らせるのである。
(C.G.ユング ....
北大路京介さんの乾 加津也さんおすすめリスト
(61)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
食べる_二編
-
乾 加津 ...
自由詩
22*
15-5-14
失くした詩への覚書
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
15-1-9
丘の恐竜
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
14-7-30
はるかな個人
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
14-6-9
新聞配達_(夢喰植物)
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
14-4-19
曙
-
乾 加津 ...
自由詩
13*
13-12-13
ことばの姿(的な)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-10-26
鰯の頭_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
13-10-18
ワレモノワレワレ_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-10-4
大人のための桜田公園
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
13-9-12
死んでも背負って、あるく_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
14*
13-7-9
日本橋人形町
-
乾 加津 ...
自由詩
9*
13-6-28
砂の好きな海
-
乾 加津 ...
自由詩
16*
13-5-17
青春
-
乾 加津 ...
自由詩
8*
13-4-18
夏の日の思いで
-
乾 加津 ...
自由詩
30+*
13-2-11
プリザーブドフラワー_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
14*
13-1-27
六月の朝と植物
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
12-12-29
他者の相_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
20*
12-12-25
基礎に埋めたぜんまい
-
乾 加津 ...
自由詩
19*
12-12-11
まなざしにも自由の刑の宣告_(幻肢の砦たち)
-
乾 加津 ...
自由詩
15*
12-12-6
木箱と旅先の少年_(夢喰植物)
-
乾 加津 ...
自由詩
12*
12-11-17
秋を見つめてみませんか_三篇_(想起させるものに、忠実に)
-
乾 加津 ...
自由詩
18*
12-11-6
創作者たるもの独り善がりであれ
-
乾 加津 ...
自由詩
18+*
12-10-16
耳なし芳一
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
12-10-6
むきあう人
-
乾 加津 ...
自由詩
24*
12-9-15
口に紋様もつ男_(生体反応の設計)
-
乾 加津 ...
自由詩
13*
12-7-29
ひと借り峠
-
乾 加津 ...
自由詩
21*
12-3-1
オツタエシマス細胞
-
乾 加津 ...
自由詩
16+*
12-2-23
立体の水槽
-
乾 加津 ...
自由詩
23*
12-2-6
夢のつづき_(夢喰植物)
-
乾 加津 ...
自由詩
19*
12-1-30
1
2
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