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胸を焦がす通い路に
記憶が潤う水無月の
雨を追って滴るは
留められぬ水晶の
溢れて已まぬ隠恋慕
君を想おう
いついつまでも
はじめての
「好きです」
見下ろした世界は温かくて
零れた
寄り添う最後の波は
引いて
見えなくなる
けれど
強く
強く焼き付けた
見上 ....
心呼吸
嵐前夜の群青に染まる午前七時
「めげない。」
と誓う
トンボ玉 八つ
転がって描く
虹色の軌跡
もろくて
たくましい
トンボ玉 八つ
ふ と
交わる明日模様
終わらない
明日へ
今 ....
影を追った 皐月
梅雨はまだ来ないね
もう一度 駆け出して
もういいかい
翳りの無いコンクリートは
熱に浮かされて
揺れる
霞む影
まあだだよ
幻に ....
つつじよ つつじ
覚えていますか
あの子も まだ ななつ
指切りの 次に 甘い蜜
目覚めるほどに あか
明日は
見惚れるほどに もも
どうし ....
泣きたい
を
こらえて
袖を惹いた
仕合せ
が
霞んでゆくから
千切れる想い
影に溶かして
あとどれくらい
幻の傍で
淡紅が揺れるから心が騒ぐ
フェンス越しの桜並木
隙間から覗くと学び舎が重なって
霞む
春の魔法にかかった
お別れはずいぶん昔に済ませたのに
世界が淡紅一色に染まる頃
すれ違った昇 ....
かしましい
と、鼻で笑うか。
構ったことじゃない。
一羽の兎が駆けるのよ。
雪肌の兎が跳ねるのよ。
あちらからこちらへ。
こちらからあちらへ。
草原を鳴らせ。
きゃ ....
白と黒の狭間で
{ルビ女郎花=をみなへし} 一輪 揺るぐ
その花
は
強いらしいので
ぼくは
ぼんやり見つめるだけです
忍び寄る夜 ....
雨粒
ぱく り
うんと高いビルの一番上のレストランなんかより
うんと美味しいって知ってる?
食べつくせ
食べつくせ
七色が
ごちそうさまの合図
食べつくせ
食べつ ....
後姿を追いかけて
雑木林を抜けると
ほのか温もる世界
君が道しるべ
並んで見下ろした昨日は
水面が揺らめくように瞬く
ふたりで夢をみた。
からだ寄せて ....
混じり気なく、青
淡い空
閉じ込められた真白い下弦の月は
青が滲んで
あたしとおんなじ
空模様
昨日まで
が
{ルビ花氷=はなごおり}のように
硬く
わだかまった
かのように
感じても
やわらかく
まるく
溶けていくから
温かく ....
クックー
クックー
どこかではとがないたね。
クックー
クックー
おなかがすいたのかしら?
クックー
クックー
あたしには ....
古ぼけた色
懐かしい香
記憶を焦がすのは
揺れる翠緑
透ける群青
舞い上がれ、白々たる雲
―君の後姿を追ったあの日―
ただ甘さに酔っただけ