すべてのおすすめ
ご飯を炊いて
魚を焼いて
味噌汁作って
食事をする
生活の回る
快い音が聞こえる
幸せとはこういうものだ

洗濯をして
ベランダに干して
部屋に取り込んで
きれいにたたむ
 ....
速度を脱ぎ捨てては
肌から新しい速度が広がっていく
夜の残響は低く厳しく
朝の前奏は遥かに
誰かが投げ捨てた栄光を
誰かが見失った感性を
拾い集めては燃料として焚く
このひとつの大気の横 ....
平熱の日々には
ひとの軸が熟していく
高熱のうめきも低熱の苦しみも
何もないので表面はなだらかであるが
ひとの上へと落ちてきたものは
どこまでも着実に収蔵され
ひとを通過する静かな ....
炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合 ....
世界を構成する元素はとげである
この物質的な世界において
物質とは必ずとげでなければならない
細長い円錐は無限に硬く
割れることも裂けることもない
人も木も鳥も花も
このとげの原子 ....
温泉に入ると
深く広々と湛えられたお湯が
私を首まで飲み込んだ
温泉の広さと深まりを前に
これが私の水位
これが私の容量
これが私の精神
これが私の闇
これが私の歴史
こ ....
この降っている雨粒をすべて集めても
なお余りある巨大な器がある
この限りなく大きな器は
怒りか悲しみか諦めか安らぎか
いや、すべての感情を兼ねることで
もはやすべての感情を超越し ....
世の中がすべて
つくりものに思えるときがある

仕事に疲れた夕べ
ふと電車の中を見回すと
みんな人形だらけで
自分だけが人間
自分はこのつくりものの世界で
秘密の実験の材料 ....
遠い空の明け方の光のもと
純粋なデモが始まった
幾つもの国境と限界を越えた先のデモだけれど
空を渡ってこちらまでシュプレヒコールは届いてきた
純粋なデモの純粋な示威行動と純粋な主張 ....
雨が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は辺りを水浸しにしないし
視界を霞ませたりはしない

日が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は全てを明らかにしないし
辺りを温 ....
全ての生命が鉱物のようにまどろんでいる
太陽は新しく昇ったばかりの新人で
世界の照らし方がわからない
ぎこちない光を浴びながら
水のように低くしたたかに歩道を歩く
私はすべてを根拠付 ....


前へ逆らってくるものに濁った静寂を飲ませよう。人間は平等な墓石の上で草になるのを待っているから。広がって他を照らそうとするものをそれ以上の絶対的な光で鎮めよう。あらゆる広がりは人 ....
都市の迷路に波打っている緑の原点たち
原点たちはどんな香りをも演繹せず
冴え渡ったおしゃべりの隙間に破裂して飛び散っている
おしゃべりは思想という場違いな花を排水溝に流し続け
ビル ....
人々が果実のように生っている
呼ぶ声が開く匂いの輝きに
寄り添うように開きだす応える声
こんなにも血が発酵した生き者同士
互いの表皮には場違いな分電盤が
静かに接続されている
 ....
始まりと終わりはどこまでも流れ落ちていくので
現在の幅に射し込む水の光だけで流れていく渓流
岩は感情のように水の流れを変え
木の葉は矜持のように水の面を彩る
僕はその川の方向のよう ....
そんなに汚れた動機なんていらない そう思って動機を片っ端から捨てていったら 動機は全て消えてしまった そんなに美しい結果なんていらない そう思って結果を片っ端から捨てていったら 結果は全て消えてしまっ .... 母屋から公道へ向かう道沿いに
桜並木があった
幼い頃、彼は花の美しさを知らなかった
小学校に入学したころ
桜は満開で彼を祝福していたが
彼はその祝福さえ知らなかった

大学を出たのち ....
今日
薬缶のたまごで目玉焼きを作りました
蒸気を吹くので食べるのに一苦労でした
ソーセージのたまごを割ったら
中から生肉が出てきたので
塩を振りかけて焼きました
いつの間にか皮に包まれてい ....
 震災以降、「言葉の力」を唱える人たちが現れ、私はそれを頼もしいと思った。なぜなら、「言葉の力」というものは、何よりも言葉の向け先と、その向け先への働きかけを前提にしているからだ。言葉が単なる独り言や .... 愛されたかったと
声にも出さず 紙にも書かず
降りしきる錯乱に耐え
笑い立つ秩序を嘲り
愛という概念だけを知り
愛という無に向かって超越を繰り返した
生まれてからずっと孤独だったと
冷た ....
プロセスを無化させるためのプロセス


 伊達風人とは同人誌「kader0d」(カデロート)を一緒に作った仲だ。伊達は無口な男だった。電話をしても余計なことは話さない。勢い私ばかりしゃべることに ....
小さなあまりにも小さな


小さなあまりにも小さな
ことにかまけて
昆虫針でとめられた一羽の蝶のように
僕は身動きひとつできない
僕のまわりを
すべては無声映画のように流れてゆく

 ....
お前はついに来なかった
その足音をどこかに葬り去ったままで
俺が自分の嘘を屠殺するこの広場まで
稲は刈られ 柿は熟し
だがお前は来なかった
来なかったという銀河を巻き
来なかったという未来 ....
太陽が没落した朝
その太陽を追跡する雲たちは
昼の影を踏んでばかりいた
雲と太陽が空の糸を引き合い
そこから地上に放たれるもの
地上に放たれなかったもの
我々は渦を巻く準備をしなければなら ....
正装した男女が街並みを歩く
会社や官庁の欠落を埋める駒として
この森のように自然形成された街の中で
それぞれの大樹の中で代謝の手助けをしている
僕もその森にまでは入った
森の中をあちこち ....
1.田村隆一詩集

四千の日と夜

一篇の詩が生れるためには、
われわれは殺さなければならない
多くのものを殺さなければならない
多くの愛するものを射殺し、暗殺し、毒殺するのだ

見 ....
 タケイ・リエの詩集『まひるにおよぐふたつの背骨』は、詩を書くときの自我、あるいは詩を書くときにかかわらず、人間が本源的に備えている自我の在り方について、詩という形式の持つ直接性を用いて我々に訴えかけ .... 地面とじかに触れ合う春は
たった一つの落し物をした
そのたった一つの落し物が
みるみるうちに散らばっていって
こんなに豊かな花々になった
花々は凍り続ける
大気が花々を許すその日まで
 ....
梅昆布茶さんの葉leafさんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
幸せ- 葉leaf自由詩519-11-6
朝のバス- 葉leaf自由詩216-9-22
平熱- 葉leaf自由詩916-6-21
眠った炎- 葉leaf自由詩1516-5-14
とげ- 葉leaf自由詩616-3-20
温泉- 葉leaf自由詩415-11-30
虚の器- 葉leaf自由詩315-11-25
裏返る- 葉leaf自由詩615-10-20
遠い空- 葉leaf自由詩6+15-4-28
降る言葉- 葉leaf自由詩1015-4-18
- 葉leaf自由詩815-4-14
コンプレックス- 葉leaf自由詩814-7-21
ジャズ- 葉leaf自由詩5+14-7-20
分電盤- 葉leaf自由詩914-4-5
無色の欲望- 葉leaf自由詩513-9-27
twitter- 葉leaf自由詩813-9-3
- 葉leaf自由詩713-9-1
日記- 葉leaf自由詩7*13-5-10
言葉の力- 葉leaf散文(批評 ...412-12-30
- 葉leaf自由詩1012-12-6
伊達風人詩集『風の詩音』栞- 葉leaf散文(批評 ...612-11-18
黒田三郎詩集_現代詩文庫を読む- 葉leaf散文(批評 ...10*12-11-13
- 葉leaf自由詩712-10-20
名もなき労働- 葉leaf自由詩512-10-6
- 葉leaf自由詩312-9-9
田村隆一詩集_現代詩文庫を読む- 葉leaf散文(批評 ...7*12-6-27
タケイ・リエ小論- 葉leaf散文(批評 ...9+12-6-10
- 葉leaf自由詩1212-4-26

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