氷点下
ichirou


それは

朝日の中からオレンジ色の光を選び出し
白いフロントガラスに投影する技を持つ

火傷した現実も
湿布のように冷やしてくれる

道を見失うことがないように
巷の腐臭を凍らせ
音の輪郭を堀り起こし
視界の濁りを沈殿させる



それは

始まりを
清めるために
また
やってきた



自由詩 氷点下 Copyright ichirou 2013-12-29 23:26:31
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