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 元関西テレビアナウンサー、杉本清氏の競馬実況を集めた愛読書『三冠へ向かって視界よし』(日本文芸社)から、特に好きな実況を十選し、ひとことふたこと述べさせていただきます。ワタシの蛇足はどっちでもいいの ....  求めても求めてもとどかない
 手に入れたと思えば指の間からすり抜ける
 同じ躓きに気持ちは折れかかる
 つまりは失敗の連続

 それでも
 また立ち上がって
 駆けだしていく
 幾度 ....
ぐうっと伸びる
四肢が
おのれにおのれの目覚めを知らせる
 
大あくびが
まずは昇ったばかりの太陽を食らって
牙が汚く光る

ゆっくり開いた目
の血走り
冬の間中 ....
 四年京都に住んで
 今でもよかったと思うのは
 はる を覚えたことだ
 生まれ在所に戻ってからも言っている

 開けてはる居てはる植えてはるえづいてはる起きてはる
 噛んではる切ってはる ....
 あなた何をそんなにしょぼくれているんですいいじゃありませんか海へ行くっていったってべつに達也くんとふたりっきりってわけじゃないわ男の子七人女の子七人ですよ臨海学校に毛の生えたようなものですよおまけに ....  男がいた
 一度は膝を屈し生まれ在所へ戻った
 そこまではよくあるはなしだ

 だけど男は
 厩へ戻ってきた
 きっとそのとき思ったのだろう
 もう俺にふるさとはないと

 体を鍛 ....
 河川敷の少年野球
 バックネットにへんばりついていた
 アロハシャツのオッサンが
 グラウンドに入り込んでくる

 小柄なオッサンは
 ウェイティングサークルまでやって来ると
 いきな ....
 ところで洋子のことだと思いながら
 お父さんは鉄板上のオムソバを前にしている
 オムソバを最初に発案した人は神様じゃなかろうかと
 焼きソバを卵で包むという所業など
 もはや神の領域に達して ....
 消えた
 増えて爆発して透けて頭に何かピュンと出して
 今日とうとう消えた

 テーブルの上 虚空に浮ぶコーヒーカップ
 円を描くように回ってたのは香りを楽しんでたのね
 今ゆっくり傾い ....
 いくら追い込んでも
 届かないままの馬が
 逃げたのだという

 土日はずっと仕事だから
 もうずっと競馬中継は見ていないし
 そもそも
 もはや預金残高ゼロ円だ
 賭けようたって、 ....
 まっピンクゴール裏
 アジアチャンピオンズリーグ決勝トーナメント一回戦一発勝負
 ダービーの息はずっと過呼吸
 おぉ バモス セレッソ
 セレッソ セレッソ バモス セレッソ
 おっおっお ....
 天階を夏目雅子よ駆けてこい

 星ぜんぶ吹き飛ばしちゃえ加賀まり子

 ついてくる月はおっぱい石田えり

 美保純とさしつさされつ十三夜

 あっ晴れに川上麻衣子すっぽんぽん

 ....
 きょう、小学生のとき
 はじめて好きになった同級生と出会った
 
 いつものように
 タイムカードを押した後でも
 とりあえず売り場の前を
 いったりきたりしている、そんなとき
 彼女 ....
 ぼくはカウンターに肘をついて給料日
 それこそは至福のときだ
 さっきからボックス席の爺婆父母長男次男長女が
 やかましく
 カンパチヒラメ鳥貝シマアジウニ軍艦
 赤だし鶏カラ揚げエビチリ ....
 よいしょ ほら これで見えるだろ
 うん お馬さんいっぱい歩いてるね ねえお父さん
 何だい
 あのお馬さんピカピカできれいだね
 どのお馬だい
 ほら あの4番のお馬
 ああ あれはト ....
 深夜の競馬番組
 通を気取る三流芸人が
 したり顔して言いやがった

 最終レースにはね、美学があるんですよ

 この野郎
 寝言ほざいてるヒマがあるのだったら
 芸でも磨け
 か ....
 昨日の晩は蛸を甘辛く煮て食べた

 最近は昔に比べて値が上がり
 生意気にも百グラム二三八円とかしやがる
 おまけにどいつもこいつも
 モロッコとかモーリタニア産で
 明石のこやつな ....
 ランドセル揺らし揺らし
 男の子三人帰り道
 ぼくの一旦停止した車の前
 後ろを何度もふり返り
 キャキャキャ何度もふり返り
 横断歩道を渡っていく

 はて、何がそんなにおかしいのか ....
 「お出かけですか?」

 なぜわたしは
 立ち止まってしまったのでしょう
 ご自宅前を掃除しながら
 道行く人だれもへの
 いつもと同じ問いかけに

 下の坊やを実家にあずけ ....
 いつもたくさんの洗濯物で
 満艦飾に彩られていた庭が
 屈強な男どもに踏み荒らされていく

 六畳間に上がりこんだ現場監督は
 うち捨てられていた円卓を
 作業靴の足でガンガン ....
 「準備中」看板ガチコン音も高くさしこめば
 なんだこれ風はいつもよりも強く激しく午前四時
 ガードレールの交通安全幟ばたたたた
 何だってそんな風がひょうひゅう
 どうしたって高ぶら ....
 ある、は動詞で
 ない、は形容詞

 おもしろいっすよねおもしろくないっすか
 在ったら動いて
 なかったら形になるなんて

 いっぱしのブンガク青年を気取る
 ぼくの話を聞きな ....
 そう遠くない昔
 高知県の海岸には
 遠洋漁業で命を張ったお父やんたちが
 子どもの土産にと連れ去って帰った
 ペンギンが
 うろうろしていたそうだ
 すぐに飽きられ捨てられて
 浜に ....
 ゆうこちゃんは元ヤンキー
 スイングドアどっかん
 カートでつき破って
 おっはよー 
 おぉ今日も元気いっぱいで品出し
 野菜売り場へ突撃だ

 ゆうこちゃんにはカボチャ割る鉈
  ....
北大路京介さんの平瀬たかのりさんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
杉本清名実況十選- 平瀬たか ...散文(批評 ...4*14-4-15
さらば、青春- 平瀬たか ...自由詩5*14-3-1
春のおおかみ- 平瀬たか ...自由詩9*14-2-24
はる- 平瀬たか ...自由詩15*13-10-10
お父さん、海へ- 平瀬たか ...自由詩7*13-8-30
心に鞭_—加賀武見へ—- 平瀬たか ...自由詩11*13-8-16
愛と誠と福本豊- 平瀬たか ...自由詩6*13-8-11
木枯らしお父さん- 平瀬たか ...自由詩10*13-7-24
インビジブルお父さん- 平瀬たか ...自由詩8*13-7-17
冬の熱量- 平瀬たか ...自由詩4*13-7-10
声は凱歌を歌う前に- 平瀬たか ...自由詩8*13-7-4
お空と女優さんで五・七・五シリーズ- 平瀬たか ...川柳3*13-6-11
後厄純情労働歌- 平瀬たか ...自由詩12*13-5-23
バッテラ譚- 平瀬たか ...自由詩9*13-5-21
一九九三年十二月二十六日午後_中山競馬場パドックにて- 平瀬たか ...自由詩7*13-5-16
たそがれの約束- 平瀬たか ...自由詩10*13-5-15
蛸に思う- 平瀬たか ...自由詩8*13-3-28
ジャミラが過ぎる- 平瀬たか ...自由詩9*13-3-20
告白貞淑妻昼下がりのわななき- 平瀬たか ...自由詩10*13-3-20
最終回- 平瀬たか ...自由詩9*13-3-14
県道素寒ピオーネ- 平瀬たか ...自由詩7*13-3-14
動詞と形容詞の問題- 平瀬たか ...自由詩7*13-3-13
野良ペンヶ浜- 平瀬たか ...自由詩5*13-3-11
ゆうこちゃんへ- 平瀬たか ...自由詩6*13-3-7

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