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夕暮れがそっと肩に手をかけて
淡い影が滲んでいく
ちぎれた雲の影が
ひとつずつひとつずつ
心の影のもようだなと
こつこつと
ぽつぽつと
とつとつと呟きながら
うつむくとくるぶしまでがア ....
本当は白菜が食べたいだけ
白菜ペロペロ剥いて
ザクザク心地よい
鍋の中で揺れる匂いがふふっ
昆布が寝てる
水炊きポン酢
鶏肉豆腐糸蒟蒻
コトコト揺れる湯気が出る
私の中で揺れる匂いでふ ....
私を望遠鏡で覗きこむ
遠くから眺めるとよくわかる
良くないことを考えると顔に出るぞ
もう少し背筋を伸ばしたほうがいいな
人をあまりきょろきょろ
見ないほうがいいかな
口をあけたまま
ぽか ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり

小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
朝起きて外へ出ると
雨がぱらぱら
風が吹き
雲は流れて晴れてきそう

私は人の流れにのみこまれ
あちこちからくる人や車に
水たまりやつるつる滑る縁石を
おっとおっととと
自転車と傘で ....
これだけ情報が溢れる世の中

私は無意識のうちに検索し

人の噂や点数を気にして

なるべく良いところを選ぼうと苦心する

しかしそれが

私の物事に対する眼差しや

何か危険 ....
カタカナは生きているみたい

ノンビリと誰にも束縛されずに

トコロカマワズ寝てしまう

スヤスヤスヤ

朝になれば何処かでサンポしている

ポツポツポツ

何だか楽しそうなヒ ....
うっすらと雨の音

心の殻を指先で

とつとつと叩くような

なにか楽しいことないかなと

マーチがとつとつと

一日雨が降って

夜にやむ

空気を吐き出したくて

 ....
最近私は夜毎

生の人参一本齧っている

皮を剥いて縦に七等分ぐらいに切って

何もつけずに無心に齧り咀嚼する

生ゴミのような味のときも

柿のような淡い甘みのときも

ジガ ....
何も始まらない日々

何も終わらない日々

お風呂の水滴

ぽちゃりぽちゃり

吐き出す日々の空しさ

ごぼごぼごぼご

お風呂は空っぽ

玄関にはスニーカー

一足ひ ....
お好み焼きや焼きそばを食べるとき
ちょっとご飯をひとくちふたくち
甘い粒々がほこほこ踊る
毎日食べているのにびっくり咀嚼する

私はものぐさなので
精米技術の進歩
お米はすすぐだけ
ボ ....
コートの下からにょきっと生えた

細長い煉瓦の色をした

煙突を背負った男は

大きな麦藁帽子を被っているので影のようだ

軍手にした鉤状の蔓で

雑木林をほじくりながら何かを探し ....
ほぼ毎日私は朝ご飯に

納豆を食べる

その為には青葱が必要だから

新鮮な青葱を買い置き

食べる前に刻む

できるだけ細かく刻む

ザクとザクとザクザクと

五感は刻ま ....
列車の暖かいシートに座ると

向こう側のガラスの奥には

半透明な私が少し微笑んでいて

疲れて座っている

暗闇にうっすらと光り浮いている私は

ゼラチン質のように柔らかで他人の ....
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た

だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
 ....
森の向こうから音がする

ボールの蹴る音
グラウンドを走る音
かけ声に混じって吹奏楽の演奏が始まる
たくさんの若い息吹が一つになって
風に乗り
私の耳の奥まで響かせる
純粋で静かに心落 ....
澄みきった空

心は軽くトランポリン

つま先に少し力を入れさえすれば

宙に舞う舞うトランポリン

吐き出す息と手のひらバランス

もう少し先へトランポリン

ホイップみたい ....
エプロンをつけたおじさんのような
がらがら声のおばさんのような
二人組が立ち止まり
暑いのか涼しいのかさっぱりわからないねえと
言っている横を

私はTシャツ一枚で通り過ぎていくのだが
 ....
雨や風にさらされて
月日が過ぎて
崩れては消えてゆく

光と影の浮き沈みで私に語りかけ
三味線を鳴らし唄うのは石の像

笑っているのか
哀しんでいるのか
なんだろう
くすくすとささ ....
夕暮れどき

路地をバイクで走りながら

眠気を誘う

ちょうどよい風にゆられながら

家屋やマンションから漏れてくる生活音や話し声

屋根や電信柱の隙間から覗く空に

うとう ....
別れを告げる

わたがしのような

かろやかな甘い想いでが

私の胸のあたりで

くるくる不規則にまわりながら

バランスを崩しながら

ふわふわ浮いて

大きくなりながら ....
ゴロゴロ鳴って
色とりどりの
ヨーヨー風船が落ちてきたような
夏の破裂音

軒下も見つけられずに
人気のない家の庭先にある
大きな木の下へ滑り込むと

浮世絵の世界が音も吸いこんでい ....
山の中で

あっを聴いたらだめだ

それは何かの始まりであるかもしれないが

私自身の終わりを意味する予感が

鳥肌ともに飛来する

その人工湖のほとりでは

山奥なのに車の発 ....
小学生ぐらいの女の子が下校中一人で

自分に課したルールで遊んでいるのか

罰ゲームか何かなのか

後ろ向きで住宅街をゆっくり歩いている

月面遊泳のようなスローモーションで

ラ ....
帰ってごはんを食べたら
すぐ寝てしまい
足がつって起きる
しばらく悶えて
無性にアイスが食べたくなって
夜道を自転車で走るのがとても心地が良い

新鮮な空気がヒタヒタと肌を潤す
そうい ....
何かの偶然で

チョコレートとバナナを食べる時がある

それは特別に用意したものではなく巡りあわせ

チョコレートを口に放り込んで小腹具合にバナナを齧る

またはバナナに途中ちょっと飽 ....
肌に艶のある小母さんが暖簾を掲げている
くいっと曲がり
小さな路地に入っていくと
木のこっぱや削り粉が雑然と置かれていて
いい匂いがする銭湯のうらっかわ

すぐ右手には
古びた人気のない ....
ちょっと暑いので

ちょっとだけ窓を開ける

そよそよ風が入ってくる

肌を撫でなんとも心地良く

ひんやり身体と

心を落ち着かせてくれる

そうちょっとだけでもいいんだから ....
北大路京介さんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(104)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕暮れもよう- 灰泥軽茶自由詩815-12-16
お鍋の季節- 灰泥軽茶自由詩1015-11-8
望遠鏡- 灰泥軽茶自由詩815-3-17
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
折り畳み傘- 灰泥軽茶自由詩1215-3-3
フレンチトースト- 灰泥軽茶自由詩1015-2-18
朝の虹- 灰泥軽茶自由詩415-1-24
オススメの罠- 灰泥軽茶自由詩1314-7-10
カタカナカナ- 灰泥軽茶自由詩714-7-10
雨と鼻唄マーチ- 灰泥軽茶自由詩714-7-4
人参健康法- 灰泥軽茶自由詩1314-5-28
スニーカーを洗う- 灰泥軽茶自由詩1214-5-18
ご飯を炊く- 灰泥軽茶自由詩1314-3-26
煙突男のはなし- 灰泥軽茶自由詩414-3-19
納豆と青葱- 灰泥軽茶自由詩1214-1-21
もうひとりの私はゼラチン質のようだ- 灰泥軽茶自由詩1213-12-21
猫のあたま- 灰泥軽茶自由詩2013-10-22
森の音楽- 灰泥軽茶自由詩813-10-19
トランポリン- 灰泥軽茶自由詩713-10-15
秋のはじまり- 灰泥軽茶自由詩1413-10-11
やわらかな五百羅漢- 灰泥軽茶自由詩13*13-9-29
夕暮れどき- 灰泥軽茶自由詩413-8-28
わたがしのような別れ- 灰泥軽茶自由詩613-8-27
夏のハレツオン- 灰泥軽茶自由詩1513-8-25
歪み- 灰泥軽茶自由詩813-8-11
うしろ歩き- 灰泥軽茶自由詩1013-7-22
夜風とアイス- 灰泥軽茶自由詩813-7-14
チョコバナナ- 灰泥軽茶自由詩1413-7-13
小さな路地の先っちょに- 灰泥軽茶自由詩1113-6-22
窓をちょっとだけ開ける- 灰泥軽茶自由詩713-5-27

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